- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 千葉県成田市は日本の空の玄関口であり、首都圏のベッドタウンでもある
- 人口・世帯数ともに増加傾向
- 成田駅周辺で再開発計画があり、周辺エリアの地価上昇に期待
成田市は千葉県の北部に位置し、かつては成田山新勝寺の門前町として栄えてきた街です。成田空港の開港からは空の玄関口として発展し、成田ニュータウンの建設により千葉市や東京へのベッドタウンとしての一面を併せ持っています。人口と世帯は増加を続けており、今後も引き続き住宅ニーズが見込める街です。
今回は千葉県成田市の不動産事情や地域特性、不動産を売却するための方法について解説していきましょう。
千葉県成田市の近年の変化

- 成田市の相場は千葉県平均より5割ほど低い水準で推移
- 成田市ではマンションの流通が少なく、戸建と土地の流通が活発
2020年現在の成田市における公示価格は5.22万円/㎡で、千葉県平均の10.17万円/㎡よりも5割ほど低い水準で推移しています。成田市の相場変化は上昇傾向で、2014年以降は毎年1%前後の割合で相場が上昇している状況です。
成田市はマンションと戸建の流通は5倍ほど戸建てが多く流通しています。売却にあたってはエリアや物件ごとに地域特性や相場を把握しておきましょう。
不動産売却の流れを把握しましょう

まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
千葉県成田市の相場を知ろう

- 成田市の平均公示価格は5.22万円/㎡で約0.8%の上昇
- 坪単価は千葉県の平均相場と比べて5割ほど低い
- 人気エリアは公津の杜駅や成田駅周辺
まずは成田市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
成田市の地価・不動産相場の推移
2020年の成田市における公示価格は2019年で比べると0.8%低く、5.22万円/㎡です。そこから5年前にあたる2015年と比較すると、13%高くなっています。これは千葉県平均の10.17万円/㎡よりも5割ほど低い水準で、地価は低いエリアであると言えるでしょう。
成田市はバブル崩壊以降の相場下落が2013年に止まり、少しずつ相場が上昇してきました。千葉県の相場も2013年より上昇傾向なので、連動して成田市の相場も上昇に転ずることが期待されます。 駅から徒歩10分未満の、比較的駅から近い物件も上昇傾向にあります。
成田市の売却動向や売却相場の動き
成田市の売却動向は、マンションよりも戸建が5倍ほど多く流通しているのが特徴。マンションの売却動向は、築年数20年を超えているマンションの流通が半数以上で、専有面積は比較的大きい2DK〜2LDKの物件が中心です。
一方、戸建の売却動向は平均で築年20年を超える物件が約半数で、専有面積は広めの物件が多いです。成田市の面積は213㎢と非常に大きいため、場所によって価格に差が大きいのが特徴。成田市で特に需要が高いのは京成電鉄の公津の杜駅周辺やJR成田線の成田駅周辺です。
参考)成田市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | – | 1,700万円 |
75㎡ | – | – |
80㎡ | – | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
中古戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | – | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | 1,300万円 |
100㎡ | – | 2,850万円 |
105㎡ | – | 2,300万円 |
110㎡ | – | 3,300万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事

- JR成田駅西口・東口で再開発が進み、地価向上に期待
- 都市計画道路ニュータウン中央線の開通により、ニュータウン地区の利便性が向上
成田市では、JR成田駅西口・東口の両出口周辺で再開発計画が進行中です。西口では、駅に直結している市有地を民間企業に貸し出すことで、マンションや商業施設といった利便性の高い施設の整備を目指しています。
東口では、京成成田駅と挟まれている表参道地区は再開発を行うための構想が進んでいます。この地区はJR・京成の両成田駅から成田山新勝寺までの約1kmの表参道を整備中。歩道整備やファサード(建物正面の外観統一)整備や石畳舗装の整備などを行っています。
また、2019年に成田ニュータウンと北千葉道路、成田安食線バイパスを結ぶ「ニュータウン中央線」が開通。これまで、成田ニュータウンは北千葉道路へのアクセスが悪く、一般道を使った東京方面への車移動は千葉市経由が主なルートでしたが、ニュータウン中央線の開通により、慢性的に交通量の多い千葉市を通らずとも、北千葉道路で東京近郊までアクセスできるようになりました。
これにより、特に成田ニュータウン居住者の利便性が向上し、地価への反映が期待できます。
【売却のコツ】成田市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 成田山新勝寺の門前町だったが、成田空港の開港によって街の姿は変化
- 成田ニュータウンの継続的な開発により人口・世帯数はともに増加している
- 京成電鉄本線の公津の杜駅やJR成田線・京成本線の成田駅周辺に需要が集中
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際は、地域の事情に詳しい不動産会社の専門家に任せたいという人も多いでしょう。売却を成功させるためには任せきりにせず、自分も一緒に考えることが大切です。
不動産はただ待っているだけで売れるものではありません。買い手になりそうな人の特徴を分析し、どのような手段を講じれば高く買ってもらえるかなど、不動産会社とともに戦略を立てることが重要です。地域特性を把握しながらそれに基づいた戦略を立てることが、より早く、高い価格での売却を成功させるポイントになります。
ほかの魅力的な不動産との競争に勝ち抜くためにも、物件に合った売り出し方を検討する必要があります。地域特性を分析し、どんな層がターゲットとなるかを考えてみましょう。地元に詳しい専門家である不動産会社の担当者ともよく相談して戦略を練ることをおすすめします。
千葉県成田市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
成田市は千葉県北部に位置し、利根川を挟んで茨城県と隣接している県境の街です。周囲を酒々井町や印西市などに囲まれ、千葉県からは30km圏内、東京からは50km圏内に位置する首都圏のベッドタウンでもあります。
1978年に日本最大の空港である成田国際空港(成田空港)が開港すると、成田市は日本の空の玄関口として一気に名を広めました。面積は213.84㎢で、下総台地に位置することから市域の大半が平坦な地形と緩やかな丘陵地で構成されています。
市の南北を東関東自動車道(東関道)が縦断し、クロスするように首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が北西部へ延伸しています。鉄道はJR成田線・我孫子支線・空港支線と京成電鉄本線・東成田線・成田空港線、芝山鉄道線と道路網・鉄道網ともに交通の便の良い地域です。
成田市の歴史は成田山の開山と共に始まりました。939年に平将門の乱が勃発した際、京都の僧・寛朝大僧正が成田の地に不動明王像を持っていき、戦乱が収まるように祈祷したと言われています。無事に戦が収束したのち、不動明王のお告げにより成田山新勝寺を開山しました。
源頼朝や水戸光圀、市川團十郎が成田山を信仰し、特に市川團十郎が「成田屋」の屋号で不動明王の芝居を打つと、成田山は絶大な人気を誇るようになり、現在でも関東を代表する初詣先として知られています。
成田市の人口推移
成田市の人口は2010年に128,933人、2015年は131,190人、2020年には132,878人(2020年6月末日現在)と増加傾向にあります。世帯数は人口増加以上の割合で増加しており、今後も住宅ニーズの増加が期待できます。
成田市で人気のエリアは?
成田市内には鉄道はJR成田線・我孫子支線・空港支線と京成電鉄本線・東成田線・成田空港線・成田湯川線、芝山鉄道線が乗り入れており、人気のエリアは京成本線公津の杜駅周辺とJR・京成成田駅周辺に集中しています。
千葉県成田市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点

- 空港がある街のメリットとデメリットをしっかりと把握しておく
- 地域ごとに利便性や公共施設の整備に差があることに注意
ポイント・注意点1
成田市は、国内最大規模の成田空港を擁する空港の街です。空港へのアクセスを目的とした鉄道網や道路網が形成されているため、交通の便の良さは群を抜いています。また、空港があることで豊富な税収入が入ってくるため、豊かな財源による住みやすい街づくりも他の自治体より進めやすくなっています。
一方で、空港に離発着する飛行機の発する騒音問題は無視できません。不動産売買にあたっては、空港に関するメリットとデメリットを検討した上でアピールポイントを見つけていくことが大切です。
ポイント・注意点2
成田市は2006年に香取郡下総町と同郡大栄町を合併しました。このふたつの地域は成田市に編入されてから期間が短く、旧成田市の市街地ほど利便性が高くない街といえます。
特に、成田市下総町・成田市大栄町に売却予定の物件がある場合には、それらの土地が「多くの人がイメージする成田市のイメージ」とは異なり、豊かな自然を有する地域であることを伝えておけば、ギャップやミスマッチを防ぐことができるでしょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、成田市での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、街の特徴などを紹介しました。
- 千葉県成田市は日本の空の玄関口であり、首都圏のベッドタウンでもある
- 人口・世帯数ともに増加傾向
- 成田駅周辺で再開発計画があり、周辺エリアの地価上昇に期待
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、エリアに対してどんな購入層が考えられるのか、地域特性と相場を把握し戦略を練る必要があります。その際、信頼できる不動産会社からのサポートは欠かせません。成田市で不動産売却をお考えの方は、該当エリアの不動産売却状況をリサーチした上で、あなたの希望に寄り添ってくれる不動産会社探しを始めましょう。