テレビで話題になった「老後資金2000万円問題」で、老後資金に不安を持っている方も多いのではないでしょうか。そんな中注目されている制度が「リバースモーゲージ」です。
本記事ではリバースモーゲージについて解説します。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージ、どんな意味なんでしょうか
リバース(=逆)モーゲージ(=抵当・抵当権)の意味で、通常の住宅ローンは、買った人がお金を返していく仕組みだよね。このリバースモーゲージでは、家を担保にお金を借りることができるんだ。だから「逆」という意味がついているんだね。
画期的!でも、借りたお金はいつ返すの?
借りたお金は、借入人が亡くなった後に家を売却することで返済するんだ。だから、高齢者向けの貸付の制度だと思ってもらうとわかりやすいよ。
リバースモーゲージを受けるためには、どうしたらいいの?
リバースモーゲージは、各都道府県の社会福祉協議会や、金融機関が取扱っているよ。だから、どこのリバースモーゲージを利用するかによって、物件の条件や貸付の限度額が変わってくるんだ。
ふむふむ、金融機関のリバースモーゲージと、社会福祉協議会のリバースモーゲージではなにか違いがあるの?
いい質問だね。
この2つには1つ大きな違いがあるんだ。
それは借入金の利息分を払う必要があるかないかだ。
金融機関が提供するリバースモーゲージでは、借入人が生存中に借入金の利息分だけを毎月支払うんだ。だから、死後には元金だけを自宅を売却したお金で支払うことになるよ。
一方、社会福祉協議会のリバースモーゲージでは、借入元金にプラスして利息分の返済をすることが必要になってくる。いづれにしても不動産を相続する人がいる場合、その人が売却金を元手に支払うことになるよ。
そうなんだ。自分の状況に併せて選ぶと良さそうだね。もし、家を資産として残したくなったら後戻りはできるの?
もちろん!借入期間中に、元金を返済すればそのまま資産として残すことが可能だよ。
リバースモーゲージのメリット・デメリット
リバースモーゲージのメリットはなんとなく分かるけど、どんなデメリットがあるのかも知っておきたいな
そうだよね。メリットとデメリットをまとめるとこんな感じだよ。
【メリット】
・支払いが利息のみなので、支出が抑えられる
・元金の返済は、現金一括か自宅の売却、どちらからでも選べる(借入人が存命中に繰り上げ返済することも可能)
・自宅に住み続けながら借入をすることができる
【デメリット】
・借入期間が長引くと(長生きすると)借入限度額まで資金を使ってしまう恐れがある
・存命中に担保にしている家の土地価格が下がると、融資限度額も下がってしまう
・変動金利のみに対応しているため、金利変動リスクがある
デメリットは主に融資限度額にあるってことだね。リバースモーゲージで生活資金の大部分をやりくりしてしまうと危険ってことだね
リバースモーゲージの資金用途
ところで、リバースモーゲージで得た資金はどんなことに使ってもいいの?
リバースモーゲージの資金用途はある程度制限されているんだ。
まず、社会福祉協議会が提供するリバースモーゲージでは、生活資金にしか利用することができないよ。
一方、金融機関のリバースモーゲージは逆に生活資金には利用できないんだ。
生活資金に使用できないっていうと、どんなものになら使うことができるの?
例えば以下のような用途が認められるよ!
- 老人ホームの入居一時金
- 自宅のリフォーム費用
- 住宅ローンの残債の支払い
- 趣味やレジャーへの活用
- 子どもへの生前贈与
金融機関のリバースモーゲージは一時的なイベントのみなんだね。
自分の状況によって、どちらを利用するか選ぶと良さそうだね。
リバースモーゲージをおすすめできるのは?
最後に、リバースモーゲージがどんな人にお勧めできるかを挙げていくよ。
・相続人がおらず、今の生活を充実させたい人
(相続人がいる場合は必ず同意を取って下さい)
・老後の生活資金に不安がある人
・住宅ローンの返済が厳しい人(仮換えができる)
・老人ホームで暮らすことを考えている人
こんな人たちは、リバースモーゲージをおすすめできるよ。
たしかに、生活を充実させたい人にはいい制度だね。
まとめ
今日学んだことをまとめるとこんな感じ!
・リバースモーゲージとは、家を担保に資金を借入し、死後に家を売却することで返済する制度
・融資限度額は借入する年数や土地価格、金利で変動するので注意が必要
・使用用途に合わせて、社会福祉協議会、金融機関、どちらでリバースモーゲージをするか選ぶのが良い
・実際に行うときは、相続人の同意を取ろう