- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 宇都宮市の土地価格はエリアによっては年々上昇している
- 宇都宮市では都心への通勤需要により不動産ニーズは高まっている
- 宇都宮市は公共事業の減少や、人口の減少の影響を受けている
宇都宮市は、栃木県の中部に位置する市で県庁所在地となります。北関東最大の都市であり、首都圏の都市として10位の人口を擁します。
1954年より隣接する1町10ヶ村を合併編入し、都市機能を整備して、近代的な商業都市として宇都宮は発展を遂げてきました。そして、2007年には北関東初の50万人都市となっています。
栃木県の中心であることはもちろんのこと、北の拠点都市ともいえる宇都宮市は、今後、さらに地価が上昇するとも考えられます。ここでは、宇都宮市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法などを紹介していきます。
宇都宮市の不動産動向
- 宇都宮市の公示地価は、立地条件によって格差がある
- 宇都宮駅に近いエリアほど地価は上昇している
- 宇都宮線が東京駅まで延伸したことで通勤の需要を高めている
宇都宮市の公示地価は、10%以上の上昇がみられるエリアもあれば、10%以上の下落をしているエリアもあり、立地条件によってその格差が大きくなっています。全般的には、宇都宮駅に近いほど地価は上昇しており、離れるほど地価は下落している傾向にあるといえるでしょう。
また10%以上の上昇がみられるエリアは、宇都宮駅の「東口側」に集中しています。それは、宇都宮線が東京駅まで延伸したことで通勤の需要が高まり、その影響から西口よりも地価の安い東側での開発が進んだことが、東口の地価が上昇した理由でしょう。
しかし、商業地は盛り上がりを見せておらず、坪単価が高い西口側では、東武宇都宮駅あたりまで地価が下落しているエリアが多くあります。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
宇都宮市の相場を知ろう
- 宇都宮市の坪単価はわずかに上昇している
- 宇都宮駅の周辺は不動産の需要が安定している
- 宇都宮市は栃木県全体と比べても地価は高いエリア
まずは宇都宮市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
宇都宮市の地価・不動産相場の推移
宇都宮市の2019年の地価は、昨年比で1.59%上昇増加しており、2019年現在で6万5907円/㎡となっています。5年前と比べると、宇都宮市の地価は1.63%増加していることがわかります。栃木県全体と比べて宇都宮市は地価の高いエリアといえるでしょう。
宇都宮市の相場の動向についても確認しましょう。2019年5月時点の宇都宮市で取引されている物件の売却状況は、マンションや一戸建て、土地のいずれも売却価格が上昇してきており、売り時である可能性が高いといえるでしょう。
さらに価格が上がる可能性はありますが、このタイミングで売却することを視野に入れておくことをおすすめします。
宇都宮市の売却動向や売却相場の動き
栃木県全体の土地価格は平成25年以降で平均8.4%大きく下落したものの、宇都宮市の土地価格はマイナス1.7%と緩やかな下落となりました。宇都宮市の土地価格は中心部しか上昇していないといえます。
その要因としては、公共工事の減少や、人口減少で不動産の購入自体が少なくなっていることがあげられます。今後都心への通勤需要に応えられる宇都宮駅周辺は上昇することが予想されるものの、それ以外の地域の相場は下落傾向が続くでしょう。
今後も大きな需要が起こることは考えにくく、全体的に横ばい、もしくは下落傾向にあるといえます。
参考)宇都宮市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
| 専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩10分以内 | 2,100万円 | 2,500万円 | – | 3,200万円 | – | 4,700万円 | – |
駅徒歩10分以上 | 2,050万円 | 2,200万円 | 2,400万円 | – | – | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
| 延床面積80㎡ | 延床面積85㎡ | 延床面積90㎡ | 延床面積95㎡ | 延床面積100㎡ | 延床面積105㎡ | 延床面積110㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩15分以内 | – | – | 1,000万円 | 1,900万円 | 2,050万円 | 2100万円 | 2,100万円 |
駅徒歩15分以上 | 970万円 | 650万円 | 1,300万円 | 2,200万円 | 1,950万円 | 2,100万円 | 2,550万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 新型コロナウイルスによる影響は製造業に打撃
- 新型コロナウイルスによる影響が長期化すれば雇用の減少も
- 当面は自動車の販売台数が回復するとは考えにくい
新型コロナウイルスの影響が不動産価格に及ぶとしたら、宇都宮市の「製造業」への打撃です。その中でも特に注意しなければならないのが、「自動車に対する世界的な需要の落ち込み」ではないでしょうか。
2020年4月の「緊急事態宣言」によって、宇都宮市だけでなく、全国的に自動車の販売台数が減少しました。2020年5月中旬から緊急事態宣言の解除が始まったものの、いきなり自動車の販売台数が回復するとは考えにくく、その影響は計り知れません。
北関東は自動車関連の企業が多く、新型コロナウイルスの影響が長期化すれば、所得の減少や失業者の増加の可能性があります。そのような中で不動産の需要が高まる可能性は低く、今後、宇都宮市の不動産価格が上昇する可能性は低いといえるでしょう。
【売却のコツ】宇都宮市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 不動産を売るには、地域の特性を知っていることが重要
- 宇都宮市には、各種都市機能が集まっている
- 宇都宮市の情報を知り尽くした不動産会社にも相談が必要
地域特性を知るメリットとは?
不動産を少しでも高い価格で売るには、その地域の「特性」を知る必要があります。各地域ごとに存在する特性はさまざまです。
地域ごとの特性を知った上で、需要に沿った方法を実施することができれば、その売却価格は上がるのではないでしょうか。また不動産が売れるかどうかは、「タイミング」も重要なポイントです。
また、宇都宮市のアクセスの利便性や街の住みやすさなどを、自ら事前に調べておくことで、より地域を特性にマッチした「売る方法」を知ることができます。まずは地域の特性や情報を知り尽くした不動産会社を探し、一度相談することをおすすめします。
宇都宮市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
宇都宮市の歴史はとても古く、はじめて宇都宮の地に足を踏み入れた豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)が開祖といわれています。これを祀った二荒山神社の門前町として栄え、池や沼が多かったことから「池辺郷」とも呼ばれていました。
「宇都宮」という地名は、藤原宗円が二荒山神社の社号である「宇都宮」を氏とし、鎌倉幕府の中枢として治政をあげたことが由来といわれています。江戸時代には城下町として栄え、「小江戸」と呼ばれるほど繁栄しました。
宇都宮市は恵まれた立地条件や交通条件など、各種都市機能が集まっています。今後も栃木県の政治や経済、文化の中心地として、首都圏の北の拠点都市として発展を続けていくことでしょう。
宇都宮市の人口推移
宇都宮市の2015年の総人口は国勢調査結果によると51万8594人でした。5年前は51万1739人で、比較すると6855人の増加となっています。
これは、栃木県の中では25市区町村中、 1番目という結果でした。 また、人口比で見ると1.34%増加しており、25市区町村中 2番目となります。
同様に世帯数は21万7419世帯で、 前回調査のあった5年前の21万482世帯と比較すると6,937世帯が増加し、その増加率は3.3%です。 宇都宮市の人口推移は穏やかな上昇傾向といえるでしょう。
宇都宮市で人気のエリアは?
宇都宮市は「住みよさランキング」や「共働き子育てしやすい街ランキング」などの常連です。高い評価を得ているその理由は、通勤通学に至便でや子育てしやすい環境が整っているからでしょう。
「宇都宮城址公園」や「松が峰教会」などの観光スポットや「宇都宮動物園」や「栃木県子ども総合科学館」などがあるエリアも宇都宮市の人気のエリアです。家を建てた後も、子供達が楽しく過ごせることが人気の理由ではないでしょうか。
宇都宮市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 宇都宮市の公示地価は、公共事業の減少により下落を続ける
- 宇都宮市の中心街は空洞化が大きく進んでいる
- 高く売却するために、能力の高い不動産会社を見つけることが重要
ポイント・注意点1
宇都宮市の住宅地の公示地価は、公共事業の減少により、下落を続けてきました。1990年代には、公共事業としてバイパスなどの大きな道路が作られ、公共事業が減り始めた2000年代に入ると、郊外へのショッピングセンターの開発が進むのと時を同じくして、郊外に家が建つようになったのです。
その結果、中心街は空洞化が大きく進んでしまいました。車さえ持っていれば、郊外でも家を建てられるようになったことで、古い住宅地に家を買う意味がなくなってしまったのです。さらには、この30年で農家も約50%減少しており、農地を手放す農家も増加し、土地価格はさらに上がりにくくなってしまったのです。
土地価格が上がりにくくなれば、宇都宮市の不動産の価格は上げどまることが予想されます。
ポイント・注意点2
宇都宮市は不動産会社が多いので、いい不動産会社を見つけにくいエリアといえるでしょう。宇都宮市の世帯数は2015年で21万7419世帯となっています。
そして2014年時点での宇都宮市にある不動産会社の店舗数は2890店舗で、1万世帯あたりの不動産会社の店舗数は約12.7店舗です。この数字は全国85位で、宇都宮市は不動産会社が「多い」地域であるといえます。
不動産会社が多い地域というのは、いい不動産会社も多い反面、数多くの不動産会社の中から選び出さなければならないということでもあります。不動産を少しでも高く売却するためには、能力の高い「いい不動産会社」を見つけることがなにより重要です。
不動産会社のホームページなどを見たり、一括査定で相談したりするなど、自分の要望に合う不動産会社を見つけましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、宇都宮市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 不動産売却のコツは地域特性を把握し、高く売る方法を決める
- 不動産価格に影響がありそうな出来事から動向を見極めることが必要
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
当記事では、宇都宮市の不動産動向や相場、売却時のポイント、注意点について解説しました。不動産の売却が成功するか否かは、信用できる不動産会社と出会えるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
宇都宮市の情報や特徴、売却の相場などを正しく理解するには、不動産会社の協力無しに成功は難しいと思われます。宇都宮市で不動産を売却進める準備として、まずは信用できる不動産会社探しから始めるようにしましょう。