- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 那須塩原市の地価は年々下がり続けている
- 栃木県全体で地価の高いエリア
- 土地よりもマンションや一戸建ての取引が増加傾向にある
那須塩原市は栃木県の最北部に位置しています。面積の半分は那須火山帯に属した温泉や渓谷、湿原など観光名所となる山岳部が占めているのが特徴。
残りの半分は那珂川と箒川に挟まれた扇状地が広がり、JR東北新幹線と宇都宮線の那須塩原、黒磯、西那須野の各駅周辺や国道沿いに閑静な住宅地が形成され、自然と人々の生活が共存している地域です。
そんな那須塩原市エリアにおける不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときのおすすめの方法まで紹介していきます。
参照:那須塩原市HP
那須塩原市の不動産動向
- 2014年以降土地の価格が下落傾向にある
- 駅から徒歩3分未満の物件数が減少
那須塩原市は、栃木県の他のエリアと比較して地価が低めです。土地の価格は2014年以降毎年下落しており、2019年の土地価格は2万7,583円/㎡。前年と比較して1.25%の下落で、5年前の2014年と比較すると、地価は8.59%下落しています。
大きな下落ではないものの、年々地価が少しずつ下がっている傾向です。駅から徒歩3分未満の、駅に近い物件数が減少していることも要因のひとつ。今後も下がることが予想されるので、不動産の売却はなるべく早めに対策するのが良さそうです。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
那須塩原市の相場を知ろう
- 土地とマンションの売却価格が下落している
- 一戸建ての売却価格は上昇している
- 不動産の需要は一戸建てに向いている
まずは那須塩原市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
那須塩原市の地価・不動産相場の推移
那須塩原市の地価は、2019年現在では2万7,583円/㎡ です。10年以上前から下落を続け、5年前からの下落率は緩やかになってきています。栃木県全体と比較すると一貫して地価は低めの傾向にあり、この傾向は今後も続くと予想されるでしょう。
2019年の那須塩原市の不動産価格をみてみると、一戸建ての価格が上昇した一方、土地とマンションは下落しました。保有している不動産が土地かマンションの場合は再度上がるタイミングを待つか、反対に早めに売却するのが良いでしょう。
那須塩原市の売却動向や売却相場の動き
那須塩原市では地価が下落し、土地やマンションの売却価格も減少傾向にあります。人口もわずかに減少していますが、世帯数は逆に増加傾向にあり、住宅需要は増えているといえるでしょう。
一方で、那須塩原市は空き家率が2018年で19.7%と高く、年々増加している状況です。世帯数増加で住宅の需要は増えるものの、空き家も増えていることを考えると、売りやすい状況とはいえません。より積極的なアピールが必要になるでしょう。
参考)那須塩原市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
35㎡ | – | 180万円 |
45㎡ | – | 210万円 |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
240㎡ | – | 1,900万円 |
250㎡ | – | 2,500万円 |
280㎡ | 300万円 | 650万円 |
400㎡ | – | 130万円 |
620㎡ | – | 1,000万円 |
930㎡ | – | 7,200万円 |
1700㎡ | – | 3,000万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 新幹線通勤を支援する制度あり
- 県から移住支給金を支給
- 子育てを支援する政策を推進
那須塩原市は東北新幹線が那須塩原駅に乗り入れており、東京までは72分、仙台までは80分と新幹線通勤が可能です。那須塩原市では「定住促進計画」の一環として新幹線通勤定期券を購入する費用の一部を補助する制度があります。
自然に恵まれた環境で暮らしながら都心に通勤するという生活ができるのは魅力で、住宅の需要が増える可能性があるでしょう。
栃木県では一定の要件のもと、東京から移住してきた世帯や個人に移住支援金を支給しています。世帯で移住の場合は100万円、単身なら60万円を支給。また、那須塩原市では子育てを支援する制度が充実しています。
こども医療費助成制度を設け、通院や入院をした際の保険診療自己負担額を助成。幼稚園と保育所の機能や特徴をあわせもつ認定こども園の設置も積極的におこなっています。
参照:那須塩原市HP
【売却のコツ】那須塩原市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 不動産の魅力を最大限にアピールすることが大切
- 他の不動産と差別化する積極的なアピールポイントを考える必要
- 黒磯地区、西那須野地区のような利便性の高いエリアが人気
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際は、地域の事情に詳しい専門家の不動産会社に任せるという方法もありますが、ただ任せきりにするのではなく、一緒に考えることが売却の成功に近づくために必要です。
買い手になりそうな相手はどのような人か、どのような手段なら買ってもらえるかなど、不動産会社とともに戦略を立てる必要があります。地域特性を把握し、それに沿った戦略を立てることで、より早く、高い価格での売却につながるでしょう。
物件についてよく知っているのは売主です。アピールポイントを考え魅力的なキャッチコピーをつくったり、写真を撮影したりするなど、積極的に協力して売却活動をおこなうことも大切です。
那須塩原市の場合、一戸建ての価格は上昇傾向にあるものの、土地やマンションの価格は下がっています。他の魅力的な不動産との競争に勝ち抜き、より高く売却するためにも販売戦略は重要です。
エリアの特徴から、買いたい人がどのような特徴かを考えてみましょう。絶対的な答えがあるわけではないので、地元に詳しい専門家である不動産会社の担当者とじっくり相談することをおすすめします。
那須塩原市の地域特性や魅力
街の歴史と魅力
那須塩原市は2005年に黒磯市、西那須野町、塩原町の3つの市と町が合併してできた、比較的新しい市です。地域の歴史は古く、縄文時代から人が暮らしてきたことを示す遺跡が残されています。
平安時代に温泉が発見され、鎌倉時代には源頼朝が那須野ヶ原一帯で大規模な巻狩りをしたという記録が残されているなど、さまざまな歴史上の逸話がある地域です。古い歴史の足跡を残す神社やお寺などを、市内の随所でみることができます。
西部に高原山、北部には大佐飛山、さらに那須連山の最高峰三本槍岳という山々がある山岳部は日光国立公園を形成。広大な景色の湿原や清流が流れる渓谷など、豊かな自然に恵まれた場所です。
那須塩原市は温泉地としても有名で、泉質豊かな塩原温泉郷や、古くから湯治場として利用されている薬湯・板室温泉、そして三斗小屋温泉と、3つの温泉を楽しめます。
南東部は北側に那珂川、南側に箒川があるゆるやかな傾斜扇状地で、その中央には日本でも有数の酪農地帯があるのが特徴です。扇状地の端には田園地帯が広がり、豊かな自然を満喫できます。
市街地にはきれいに整備された公園が点在し、花の名所として四季折々の景色を楽しむことができるのも大きな魅力です。ダムや滝などの名所も多く、那須塩原市は自然とともに暮らせる理想的な街といえるでしょう。
那須塩原市の人口推移
那須塩原市の人口は、2015年には11万7,146人、 前回調査のあった5年前では11万7,812人で、 比較すると666人減少しています。 栃木県の中では25市区町村中、6番目の人口数です。
2015年の世帯数は4万5,608世帯で、 前回調査のあった5年前の4万4,602世帯と比較すると1,006世帯(2.26%)増加しています。 那須塩原市は人口がやや減っているものの、世帯数は増えています。人口の減少も大幅ではなく、住宅需要はあるといえるでしょう。
那須塩原市で人気のエリアは?
那須塩原市で需要が高いのは、人の集まる黒磯地区、西那須野地区、狩野地区で、JR宇都宮線の西那須野駅、那須塩原駅、黒磯駅を利用して都心へ便利にアクセスできる地域です。
黒磯駅周辺には有名なカフェやおしゃれな店が立ち並び、雑誌などでも紹介されています。アウトレットモールやショッピングセンターが点在し、生活しやすい環境が整っているのも魅力です。
住宅街から少し離れると自然が多く、すこし足を伸ばせば数多くの温泉があるなど、憩いのある暮らしができます。東北自動車道や国道4号線にもアクセスが良く、車で遠出するのにも便利です。
那須塩原市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 能力の高い不動産会社を選ぶことが重要
- 空き家率が高く、積極的にアピールする戦略が必要
ポイント・注意点1
那須塩原市における住宅地の価格を前年との変動率でみると、2018年は-1.4%、2019年は-1.4%とここ3年で下がり続けています。しかし、世帯数は増加傾向にあるため、住宅需要はあると考えてよいでしょう。
一方で、那須塩原市の空き家率は栃木県全体の中でも高く、空き家が多い状況は売りやすい市場とは言えません。売却の際は、売りたい不動産の魅力をより積極的にアピールする必要があります。
ポイント・注意点2
不動産売却をする際の不動産会社の選定は慎重におこなうことが大切です。那須塩原市には、多くの不動産会社が立地しているため、比較検討にも時間を要するでしょう。
希望通りの形で不動産売却を実現するためには、さまざまな販売戦略を親身になって一緒に考えてくれる、この地域での取引実績が豊富な不動産会社を見つけることが重要なポイントです。情報収集をおこない、安心して任せられる不動産会社を探しましょう。
まとめ
本記事では、那須塩原市における不動産売却の基本的な流れと、街の特徴や魅力、不動産売却における地域特性、不動産売却に役立つ情報について紹介しました。
- 那須塩原市の不動産売却における市況や相場の把握が必要
- 市では居住を誘致する取り組みがおこなわれている
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、那須塩原市の不動産売却における市況や相場を把握した上で、信頼できる不動産会社をみつけることが必要不可欠です。
那須塩原市での不動産売却をお考えの方は、地域の特性をしっかり分析しながら、パートナーとなる不動産会社探しをおこないましょう。