- 毎年坪単価が下がり続けているが、エリアによっては魅力的な価格で売却できる
- 歴史や文化、自然に魅力のある地域なので、不動産情報と組み合わせてアピールしていくことが大切
- 多くの不動産会社があるエリアなので、しっかり比較する必要がある
足利市は、栃木県南西部にある地方拠点都市。商工業都市としても栄えており、全国各地に工業製品を出荷したり、小売店や飲食店が多く立ち並んでいたりするのが特徴です。足利フラワーパークは全国的に有名なランドマークとなっており、県内外から多くの人々が足利市の花を楽しみに足を運んでいます。豊かな山や川に囲まれており、サラリーマン世帯が働きながらゆったりと自然を満喫して暮らすにはうってつけの地域だといえます。
ここでは、足利市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法まで紹介していきます。
足利市の近年の変化
- 足利市は県内でも土地の価格が安め(今後さらに安くなる可能性も)
- 世帯数は増えているので、ターゲットを絞って販売戦略を練っていくことが大切
足利市は、栃木県の中でも土地の価格が安いエリア。栃木県全体で年々土地の価格が下がっているのと同時に、足利市の土地の価格も下がってきています。手頃な価格で不動産を手に入れたいと考えているサラリーマン世帯や、豊かな自然に囲まれて穏やかに過ごしたいと考える高齢世帯の人にとっては、魅力的な不動産となりうるため、売却が難しいエリアではないでしょう。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、今後の不動産価値に大きな影響を与える可能性も。短期間で大きく相場が動く可能性もあるため、不動産価格の変化に気をつけて観察し、売却するタイミングを逃さないようにしておくことが重要です。
人口の面では、全国的な少子高齢化・人口減に伴い、足利市の人口も徐々に少なくなってきています。世帯数自体は増えてきているため、どのような層が不動産を取得しようと考えているのか、社会の動向や不動産ニーズを踏まえたうえで販売戦略を練っていくようにしましょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
足利市の相場を知ろう
- 土地や一戸建ての購入ニーズは下がっており、マンションの購入ニーズが高まっている
- 築年数25年前後のマンションが人気を集めている
- 駅から徒歩圏内のエリアでは一軒家や不動産も高額で売買できる可能性が高い
まずは足利市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
足利市の地価・不動産相場の推移
足利市では、1㎡あたりの土地の価格が30,852円となっており、栃木県の中でも比較的リーズナブルに土地を手に入れられるエリアです。しかし、駅から徒歩圏内のエリアでは高額に売買されているケースもあるため、売りたい土地の場所によっては理想的な価格で土地が販売できる可能性があります。
手頃な価格で土地を手に入れたいと考える人が増えてきてはいますが、できるだけ高額で土地を売却したい場合は、駅からのアクセス面など不動産のリッチをしっかりアピールするように意識しておくと、買い手に土地の魅力が伝わりやすくなるでしょう。
2019年の不動産の売買動向をみてみると、前半期よりも一戸建てと土地の売買価格が大きく下がっています。特に一戸建ての売買価格は834万円と前半期よりも1,000万円近くも下落。取引件数が25件と前半期よりも10件少なくなっていることを考えると、一戸建ての購入ニーズが少なくなってきていると言えるでしょう。
土地に関しては、後半の売買価格が691万円と前半期の約半分の売買価格になっています。取引件数も23件と、前半期よりも37件も少なくなっており、新たに土地を手に入れようと考える人も少なくなっているようです。
一方、マンションに関しては、売却価格が1,045万円と前半期よりも700万円近く上昇。一戸建て・土地に対し、マンションの売買価格が上がっていることから、不動産へのニーズがマンションに向いている流れになっていることがわかります。
売買されたマンションの築年数は前半期よりも11年ほど新しくなっています。築年数の浅いマンションを手に入れたいと考える人は今後も増えていくかもしれません。
足利市の売却動向や売却相場の動き
足利市では、土地の価格が下がってきているだけでなく、土地の売買件数も年々少なくなっています。このことから、足利市で土地を手に入れようと考えている人が毎年少なくなっていると言えるでしょう。
エリアによっては高額で売買されている土地もありますが、売買されている土地のほとんどは2,000万円以内の金額となっており、価格を抑えて土地を手に入れたいという人が増えている印象を受けます。そのため、手頃な価格で質を手に入れたいと考える人にターゲットを絞って、売却戦略を練るようにすると、買い手が見つかりやすくなるでしょう。
一戸建てに関しても、土地と同様に売買価格が下がり続けています。220㎡以上の広さで一軒家を手に入れている人が多いことから、築年数やエリアだけでなく、一軒家の広さが一定以上であれば魅力的な価格で売却できることでしょう。
マンションに関しては、2018年よりも2019年の方が売買価格が大きく上昇しています。特に人気となっているのが51~60㎡の物件。一戸建てと同様に、売却しようとしているマンションの広さによっては、スムーズに買い手を見つけられるようになり、納得いく価格でマンションを手放しやすくなるでしょう。
参考)足利市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩10分以内 | – | – | – | – | – | – | – |
駅徒歩10分以上 | – | – | – | – | – | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
| 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩15分以内 | – | 300万円 | 530万円 | – | 1,600万円 | 2,400万円 | 2,300万円 |
駅徒歩15分以上 | 590万円 | – | 400万円 | 660万円 | 1,300万円 | 660万円 | 2,300万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 栃木県全体の路線価は下げ止まってきている
- 新型コロナウイルスの影響で不動産価格に大きな影響を及ぼすことも
足利市では、路線に面している区域の土地の価格である「路線価」が年々下がっていることが話題になっています。しかし、関東信越国税局によると、栃木県全体の路線価は下げ止まってきているとのことなので、土地の価格が全体的に下がってきている足利市においても、今後は地価が下げ止まってくる可能性があるでしょう。
しかし、新型コロナウイルスによる社会情勢の変化が不動産価格に大きな影響を与える危険性も否定できません。引き続き時代の動向を注視しながら不動産を売却するタイミングを見計らっていきましょう。
参照:国税庁HP
【売却のコツ】足利市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 交通アクセスだけでなく歴史や文化を感じられるところが魅力
- エリアごとの魅力を不動産の魅力と交えて買い手にアピールすると良い
- 人気のエリアでは魅力的な価格で不動産を売却しやすい
地域特性を知るメリットとは?
足利市は、昔からの歴史や自然が残っているエリアです。時代を感じさせる雰囲気に囲まれながら、先人達の歩みに思いを馳せながら生活することができます。JR両毛線や東武鉄道が通っていることや、東北自動車道佐野ICや関東自動車道足利ICにより車での移動もスムーズにできるアクセスの良さは大きな魅力です。地元民だけでなく県内外からも足を運びやすい地域と言えるでしょう。
このような地域特性を理解しておけば、あなたが売却しようと考えている不動産と紐付けて買い手に不動産の魅力をアピールできるようになるでしょう。買い手の心を惹きつけるポイントを理解すれば、希望に近い価格で不動産を売却できる可能性はぐっと上がります。
足利市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
奈良時代より織物業で栄えてきた足利市は、大正から昭和初期にかけて、絹を素材とした先染めの平織物である「足利銘仙」が人気を集め、日本中に知れ渡るようになりました。そのブームが発端となり町が次々と発展していき、橋や駅の整備、水道・消防設備の強化によってより住みやすい町へと変化していったのです。
戦後は柔軟な伸縮性がある生地である「トリコット」の生産が日本一になり、現在ではアルミや機械金属、プラスチック工業において全国的にシェアの高い町で魅力の多い町と言えます。
足利市の人口推移
足利市によると、足利市の人口は、2020年6月の時点では14万3,878人と毎年減少を続けています。それに対して、世帯数は6万2,098世帯と毎年増え続けており、核家族化が進んでいることが原因だと考えられます。今後は高齢夫婦世帯が増えてくることも予想されているため、不動産を販売する戦略を練る時は、ターゲットを絞ってアピールできるようにしておくと、スムーズに売却できるようになるでしょう。
参照:足利市HP
足利市で人気のエリアは?
足利市では、足利市駅周辺が特に人気のエリアとなっています。このエリアは交通の便が良くスーパーやコンビニなどが近いこともあり、生活に不便を感じにくいからです。また、渡良瀬川など豊かな自然を感じられるスポットがたくさんあるため、落ち着いた環境で暮らしたいという人や子育て世代の人たちから人気を集めています。
足利市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 空家率が毎年増え続けているため、一軒家家土地が売れにくい状況にある
- 不動産会社が多いエリアなので相性の合う担当者を見つけることが大切
ポイント・注意点1
足利市で不動産を売却する上で注意しておきたいポイントとして、足利市の空家率が年々増加していることがあります。政府の統計によると、2018年の空家率は19.91%となっており、5年前よりも1.41%増加しているのです。
2003年までは栃木県全体よりも空家率の低い地域ではありましたが、人口の減少や郊外の過疎化が進んでいることから、栃木県の中で空家率の高い地域になったと考えられます。マンションの売買価格や取引件数が増加していることを考えると、今後は一軒家よりもマンションを手に入れたいと考える人が増えてくるでしょう。
ポイント・注意点2
足利市は、他の地域と比べて不動産の数が比較的多いエリアとなっています。たくさんの不動産会社の中からあなたに適した会社を見つけるためには、複数の不動産会社を比較することが大切。足利市の情報についてどれだけ詳しいか、あなたが求めている情報をすぐに集めて提示してくれるのかといった点に気をつけながら、相性の合う担当者を見つけましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、足利市での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、街の特徴などを紹介しました。
- 不動産周辺の地域特性をよく理解しておくことが大切
- 買い手が魅力を感じるようなアピール方法を考える
- 地域情報に精通した不動産会社を見つけた方が良い
ここで説明した内容を参考にして、足利市の地域特性を理解した上で買い手にとって不動産が魅力に感じるようなアピールができるよう、画像を準備したり魅力的なキャッチコピーを考えたりするなど、早めに準備を進めていきましょう。