- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 福岡市西区は交通の利便性が高く都市部にアクセスしやすい
- 福岡市西区ではファミリー世帯向けの戸建てが人気
- 福岡市西区での不動産売却はプロとの相談が重要
福岡市西区は、福岡市の西に位置し、優れた都市機能を持ちながらも、豊かな自然環境を残し、耕地面積も福岡市全体の半分以上を占めている都市です。屈指の人気スポットも数多く存在するこの地区では交通網の発達により、住居としての人気も上昇しています。流通物件も豊富で価格水準も県内平均と比較すると高い水準で推移中です。
大学の移転や人気エリアのさらなる開発などにより、学生から子育て世帯、高齢者まで幅広い世代にとって暮らしやすいエリアであり、一戸建てを購入してながく住もうと考えるファミリー世帯も増えています。
そんな福岡市西区エリアにおいて不動産売却を検討する際、どのような対策と準備が必要なのでしょうか。この記事では、西区ならではの不動産動向について、地域特性や不動産を売却するときのおすすめの方法などをあわせて紹介します。
福岡市西区の不動産動向
- 福岡市西区のマンションは広めの3LDKを中心に幅広く流通している
- 中古一戸建ては安定して取り引きされ価格は上昇傾向
- 土地は価格は福岡県内平均の2倍近い水準
福岡市西区における、戸建て、マンション、土地それぞれの売却動向と相場についてみてみましょう。西区で成約に至ったマンション物件の専有面積を調べてると、最も売却件数が多かったマンションの専有面積は71〜80m²でした。
また、この面積で最も高かった売却金額は3,300万円で、最も安かった売却金額は1,300万円となっています。最も多かった間取りは3LDKで、この間取りで最も高かった売却金額は5,200万円、最も安かった売却金額は550万円という成約状況です。
次は西区の中古一戸建てに関する売却動向です。西区は新築一戸建て物件が増加傾向にあります。さらに比較的安価な中古一戸建て取引件数も増加している状況です。2015年の中古一戸建て住宅の平均価格は、2014年と比べて大きく上がっています。
築30年以上の物件の取引件数が増えるとともに、築3年未満の築浅物件の取引件数も急増したため取引物件の平均築年数が下がり、その結果価格が上昇しました。福岡県内で比較すると西区の中古物件はかなり幅の広い価格帯で取引されているため、ファミリーから夫婦2人だけの住まいまで、買い手のニーズに柔軟に対応できる地域だといえます。
土地売却相場についてもみてみましょう。2019年の取引実績で、平均売却額は4,864万円、平均土地面積は421㎡でした。この1㎡あたり約12万円という土地売却相場は、県内平均価格の約2倍と高めの価格となっています。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
福岡市西区の相場を知ろう
- 西区の坪単価は上昇している
- 周辺は不動産の需要が比較的安定している
- 福岡全体と比べても地価は高いエリア
まずは西区の売却動向を簡単につかんでいきましょう!
福岡市西区の地価・不動産相場の推移
西区の地価は、2018年と2019年で比べると4.28%高くなっています。2019年時点では116,785円/㎡です。そこから5年前にあたる2014年と比較すると、19.25%の上昇率とかなり高くなっています。
また、福岡県全体では2019年時点で94,516円/㎡ という価格であることから、県全体と比較しても地価は高いエリアであるといえます。福岡市西区の不動産相場は2012年より比較的穏やかに上昇しています。
福岡市西区の売却動向や売却相場の動き
西区の地価は2012年ほどを境にゆるやかな上昇中です。近年ではマンションや一戸建て、さらに土地の取引価格についても上昇している状況です。保有している不動産がマンションや一戸建ての場合は、販売タイミングや販売戦略に注意し、不動産動向をしっかりと見極める必要があります。
参考)福岡市西区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 2,400万円 | 2,100万円 |
75㎡ | 2,700万円 | 2,200万円 |
80㎡ | 3,000万円 | 2,000万円 |
85㎡ | 3,000万円 | 2,900万円 |
90㎡ | – | 2,700万円 |
95㎡ | 2,400万円 | 2,350万円 |
100㎡ | – | 2,300万円 |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,575万円 | 1,000万円 |
85㎡ | 2,500万円 | 1,775万円 |
90㎡ | 3,300万円 | 3,200万円 |
95㎡ | 3,750万円 | 3,200万円 |
100㎡ | 3,400万円 | 3,200万円 |
105㎡ | 3,700万円 | 3,300万円 |
110㎡ | 4,000万円 | 3,600万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 九州大学の新キャンパス誕生による新街区の形成で人口増加傾向
- 天神ビッグバン構想や地下鉄七隈線延伸事業が周辺エリアにも影響
平成30年9月に、九州大学の伊都キャンパス(元岡・桑原地区)への移転が完了しました。これにより、JR九大学研都市駅を中心に新しい市街地が形成され、人口は右肩上がりの伸びを保ち続けています。
また、福岡市では、地価アップが期待される開発案件が進んでいます。天神地区では、2024年までに30棟のビルを建て替える「天神ビッグバン」という構想があり、天神交差点から半径500メートル以内に10万人近い雇用を生み出すプランです。
福岡市内から天神近辺に転入する人が増えるだけでなく、長期的には福岡市外や県外から人を呼び込む可能性も考えられ、地価のアップにつながる可能性があります。さらに、地下鉄七隈線延伸事業では、天神南駅・薬院駅から博多駅に直行できるようになるため、福岡市中心部の魅力はさらに高まる見込みです。
このような開発の動向は、主要駅へアクセスがしやすい福岡県福岡市南区のエリアにとってもプラス要因となるため、売却を検討する際は状況を確認して最適なタイミングを図るようにしましょう。
【売却のコツ】福岡市西区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 不動産売却には物件の地域特性をしっかりと把握することが大切
- 柔軟かつ緻密な作戦を不動産会社と共に協業していく必要がある
- 西区の地域特性は通勤に便利で緩やかな人口動態の都市
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際の戦略は、不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、売主となる不動産所有者も一緒になって考えることで売却成功により近づきます。地域特性を把握し、それに沿った緻密な戦略を立てることが、より早く高く売れる近道なのです。不動産を売却する時に、ただ待っているだけでは売れません。
所有する不動産を買ってくれそうなターゲットはどんな層なのか、どのような手段(ポータル、チラシ、文言、特徴など)のPRが響く相手なのかなど、戦略性を持つ必要があります。たとえば、福岡市西区で2019年に最も売却件数が多かったマンションの専有面積は71〜80m²でしたが、このような物件を購入している層がどのような層なのかなど、緻密な下調べが重要になるのです。
他の魅力的な物件を出し抜いて買ってもらう為にも、売主の希望を叶えるためにも、物件のターゲットや条件にマッチした緻密な販売戦略が必要となります。エリアの特徴から、買いたい人がどんな特徴か考えてみましょう。ただし絶対的な答えは無いので、詳しくは地元に詳しい専門家である不動産会社の人と相談することをおすすめします。
福岡市西区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
西区は、豊かな自然を今も残す能古島や、おしゃれなカフェやショップが点在する西浦海岸などを含む糸島エリアなど、県内でも屈指の人気スポットを含む地区です。文化的にみても、飯盛神社の流鏑馬や今津人形芝居など、無形民俗文化財に指定された民俗行事も多いのもこの地域の特徴となっています。
また区内には、吉武高木遺跡や元寇防塁など史跡も多く残存している地区です。福岡市内の西側に位置する西区は、その地形にも特徴があります。小呂島、能古島、玄界島を抱いているような地形をかたどっていることが特徴的です。豊かな自然環境に恵まれ、西区の耕地面積は福岡市全体のじつに半分以上の割合を占めています。
続いて、交通面での利便性をみてみましょう。道路交通網としては、区内を横断する形で福岡都市高速1号線と西九州自動車道が通っています。主要道路の拡幅整備により、各方面を結ぶ区内の道路は利便性もさらに向上しつつある状況です。
また、区内には、市営地下鉄空港線の姪浜駅と七隈線の橋本駅の2つの駅があり、各沿線の市街化が進行しています。海域での特徴としては、博多湾の大半を有していることから、福岡市全体の重要な漁業拠点となっている点が挙げられます。
参照:福岡市HP
福岡市西区の人口推移
西区の人口は、2015年には206,868人、2013年時点では193,280人で、 比較すると13,588人の増加となっています。1980年代後半から比較的ゆるやかに増加している傾向です。
参照:福岡市HP
西区で人気のエリアは?
姪浜駅は医療施設や日常生活に便利なス―パーなどが充実していることから人気が高いエリアです。また、橋本駅周辺は賑やかなショッピングモールなど多くの買い物客の往来がある地域で安定した人気を保つエリアです。
このほか、教育機関や小児科などが充実していることから子供の教育環境が良いと人気の周船寺駅エリアや、駅前の商業施設の充実度や天神エリアへのアクセスの良さから今宿駅周辺エリアも人気の高い地域です。
福岡市西区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 売却タイミングにより物件のアピールポイントは柔軟に考えよう
- 不動産売却を成功するには優秀な不動産会社を見つけることが重要
ポイント・注意点1
2019年末頃から始まった新型コロナウイルスの影響により、行政が推進するリモートワークを取り入れる企業が増つつある状況です。従来、毎朝のオフィスに通っていたサラリーマンにとって、通勤する機会そのものが減り、替わりに自宅で過ごす時間が増えてきている傾向にあります。
このような状況から、今後の世の中の動向やさらなる働き方の変化によっては、家を購入する際に、住宅に求める要素も変化していく状況です。たとえば「快適に仕事ができる環境」が住宅に対しても求められる可能性もあります。こうした時代の変化に合わせて、常に不動産のアピールポイントを柔軟に見つめ直し、ニーズにマッチする新たな付加価値を見つけ出す工夫も大切です。
ポイント・注意点2
他エリアに比べて、福岡市西区には不動産会社が多く存在するため、良い不動産会社を選ぶ難易度は高め。多くの不動産会社の中から自分が「ここなら任せられる」と思える会社を選び抜く必要があります。
不動産売却を成功させるためには、さまざまな販売戦略を親身になって一緒に考えてくれる、この地域での取引実績が豊富な不動産会社を見つけることが重要なポイントです。しっかりと情報収集をおこない、安心して任せられる不動産会社を見つけてください。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、福岡市西区での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、街の特徴などを紹介しました。
- 福岡市西区の坪単価はゆるやかに推移している
- ファミリー世帯に住みやすく戸建て物件が豊富なエリア
- 不動産売却には、地域の特性を把握することが大切
- 不動産売却を成功するには、実績があり、かつ信頼できる不動産会社をみつけることが重要
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握したうえで、綿密な戦略と、信頼できる不動産会社との協業体制が不可欠です。福岡市西区での不動産売却をお考えの方は、より高く売るために自信をもって的確なアドバイスをしてくれる、頼れるパートナーとなるしっかりとした不動産会社を選びましょう。