- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 福岡市中央区の不動産価格は上昇傾向
- 人口上昇率は市内トップクラスで今後の不動産需要も期待
- 交通利便性・生活利便性・豊かな自然が魅力の街
福岡市中央区は、西日本における中枢拠点として発展を遂げています。繁華街やオフィス街で賑わう天神地区では、2024年までにビルを30棟建て替え予定。道路の整備、新たな交通システムの導入など、街をあげた大規模再開発になると期待されています。
そんな福岡市中央区における不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときの注意点やポイントなどを紹介していきます。
福岡市中央区のトピック
- 天神エリアでは大規模再開発がおこなわれている
- 新たな交通網の運行やビル建て替えが計画され、雇用も増える見込み
福岡市中央区の天神地区では、「天神ビッグバン」と呼ばれる大規模再開発が進んでいます。「天神ビッグバン」とは、天神地区をアジアの拠点都市とするために、付加価値の高いビルへの建て替えや道路整備をおこなう計画のことです。
2024年までに30棟のビル建て替えが計画されています。これにより、周辺エリアの不動産ニーズも上昇すると考えられます。また、都心循環BRTというバスと鉄道をスムーズにつなぐ新たな交通網も計画中のため、天神エリアはさらに便利になるでしょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
福岡市中央区の相場を知ろう
- 福岡市中央区の不動産価格は1年間で上昇傾向
福岡市中央区の地価・不動産相場推移
福岡市中央区の地価は、1年前と比較して11.1%上昇しており、2019年現在は49万7,659円/㎡です。福岡市全体の地価を平均すると、2019年は19万2,728円/㎡なので、中央区は福岡市全体の中でも地価は高いエリアと言えるでしょう。
1年前と比較して、2019年1年間における福岡市中央区の土地・一戸建て・中古マンションは、すべて平均総取引価格が上昇しています。全体としては26.3%の上昇率で、なかでも土地の価格上昇が著しい結果となりました。
福岡市内の平均総取引価格を見ると、中央区の上昇率は西区に続いて2番目です。福岡市中央区の不動産の売却を検討している方は、早めに売却することをおすすめします。
福岡市中央区の売却動向や売却相場の動き
福岡市中央区の1年間の不動産取引件数は、1年前の718件と比較すると578件と140件ほど減少しています。一方で、大濠公園駅周辺や天神駅周辺のエリアでは、民間ビル建て替えなどの再開発にともない、不動産取引が活発になっています。
また、福岡市中央区の不動産取引価格は平均約6,923万円。1年前と比較すると、26.3%上昇しています。福岡市内で見てみると、中央区は博多区に続き2番目に取引価格が高い区です。なお、博多区の不動産取引価格相場は約7,757万円と、かなり高額です。
博多区に負けず劣らず、交通の便や商業施設などが充実している中央区のほうが、1,000万円近く安く購入することができるので、博多区から流入するケースも考えられるでしょう。
参考)福岡市中央区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩10分以内 | 3,200万円 | 3,700万円 | 3,900万円 | 4,550万円 | 4,700万円 | 4,700万円 | 4,300万円 |
駅徒歩10分以上 | 3,150万円 | 2,500万円 | 3,100万円 | 3,400万円 | 4,700万円 | 3,500万円 | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩15分以内 | – | – | – | – | – | – | 8,800万円 |
駅徒歩15分以上 | – | 3,200万円 | 3,600万円 | 3,100万円 | 3,950万円 | – | 4,700万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 唐人町駅周辺は再開発がおこなわれた
- タワーマンションや大型商業施設が完成し、新たな賑わいが生まれた
地下鉄空港線唐人町駅の周辺でも再開発がおこなわれています。唐人町駅周辺といえば、緑豊かな大濠公園や福岡ドームがありるエリア。繁華街ほどの賑わいはありませんが、落ち着いた住宅街として人気の街です。
そのような唐人町駅近くに、商業と住宅の複合再開発がおこなわれました。商業施設の2018年11月に開業した「MARK IS 福岡ももち」は、天神以西では市内最大規模の商業施設です。
隣接した敷地には28階建て・総戸数584戸のタワーマンション「ザ・パークハウス 福岡タワーズ」が建築中。2020年12月に全棟完成予定です。総敷地面積は九州最大級の5万4,000㎡におよび、唐人町駅周辺の賑わいが増しています。
落ち着いた環境の中に便利な大型商業施設が誕生し、住みやすさが向上した唐人町駅。一方で、新築分譲マンションは高額なため、中古マンションなどの不動産への流入も期待できます。唐人町駅周辺は、今後も不動産取引が活発になると考えられるでしょう。
【売却のコツ】福岡市中央区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 福岡市中央区は大濠公園などの豊かな自然も魅力
- 人口は過去10年で増えており、福岡市内でもトップクラスの上昇率
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売るときには、販売戦略を練ることが必要です。不動産売却において大切なことのひとつは、その戦略を、仲介を依頼する不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、売主も一緒に考えること。
なぜならば、実際に所有していた売主であるあなたは、不動産や地域特性をよく知っている可能性が高いからです。とはいえ、長く住んでいたエリアであっても、街の環境は日々変化してきます。そこで大切なのは、地域特性を改めて知っておくこと。
地域の特性やどんなエリアが人気があるのかという知見は、購入ターゲットを探し出したり、どんな手段(ポータル、チラシ、文言、特徴など)で伝えていくかという販売戦略に繋がります。これが、早く・高く不動産を売却するための近道です。
特に福岡市中央区の場合、天神エリアを中心に大規模な再開発が進む人気エリアなので、不動産を売却する環境は競争的であるとも考えられます。他のライバル物件よりも優位に立ち、購入してもらうためにも、販売戦略は重要です。
地域の特性から、購入したい人はどんな人か考えてみましょう。ただし、絶対的な答えはありません。詳しくは地元に詳しいプロである不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
福岡市中央区の地域特性や魅力
街の歴史や魅力
福岡市中央区は、7世紀後半から11世紀にかけて、大陸から訪れる人々を招く迎賓館の役割を担っていました。その名残が「鴻朧館(こうろうかん)」です。その後、徳川幕府の成立にともない黒田長政が「福岡城」を築城。
以来270年間、藩置県が廃止されるまで福岡藩の城下町として発展を遂げていきました。明治22年に福岡市が発足。天神エリアは「九州一の商業地域」として発展することとなり、今では西日本における行政・経済・文化の中枢拠点となっていったのです。
天神エリアの繁華街のイメージがある福岡市中央区ですが、自然が多いことも人気の理由です。なかでも有名なのは大濠公園。福岡城の外堀を改良してつくられた大濠公園は、豊かな水と緑が溢れる都会のオアシスです。
また、桜の名所である西公園も人気です。西公園は福岡県内で「日本さくらの名所100選」に唯一選ばれた公園で、春には約1,300本の桜が咲きます。園内には3箇所の展望台があり、天気が良い日には博多湾や志賀島、能古島を望むことができます。
他にも、整備された海浜が魅力の地行兵の海兵公園や、那珂川・樋井川など、水の自然にも溢れています。のびのびと暮らしたい人にとって、交通や買い物の利便性だけでなく、自然も享受できることは魅力のひとつと言えるでしょう。
福岡市中央区の人口推移
福岡市中央区の人口は、2019年には20万1,440人、 10年前は17万6,356人でしたので、 比較すると2万5,084人の大幅増で、上昇率は14.2%です。2019年の福岡市全域の人口は14万467人で、10年前よりも9.7%ほど上昇しました。
人口が増えている福岡市の中でも、福岡市中央区は博多区に続く2番目の上昇率です。世帯数は12万3,845世帯で、 10年前の10万5,012世帯と比較すると、1万8,833世帯の増加で、増加率は17.9%です。
福岡市中央区は、福岡市の中でも人口増加が急速なうえ、天神駅を中心に雇用を増やしていく予定のため、今後も住宅需要増加が期待できると言えるでしょう。
参照:福岡市HP
福岡市中央区の人気エリアは?
大東建託株式会社賃貸未来研究所が2019年におこなった調査「街のすみここちランキング」では、福岡県の中で上位5位が福岡市中央区の駅周辺地区でした。
第1位に輝いたのは六本松駅。緑豊かな大濠公園やオフィス街の赤坂も近く、2017年には「六本松421」がオープンしました。第2位は大濠公園駅、第3位は赤坂駅が続きました。交通利便性・落ち着いた環境・生活利便性を満たすエリアが人気です。
参照:いい部屋ネット
福岡市中央区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 福岡市中央区はエリアによってターゲットが異なる
- 新築分譲マンションもライバルになるのでリサーチが必要
ポイント・注意点1
福岡市中央区で取引されている土地と一戸建ては、平均面積が広めという傾向があります。2019年の福岡市中央区で取引された土地は平均325.1㎡、一戸建ては245.2㎡という結果になりました。
一方で、中古マンションは平均46.0㎡とコンパクトサイズ。一人暮らしからカップル向けのサイズです。中古マンションの平均面積を駅ごとに見てみると、天神・天神南・渡辺通・薬院などのエリアでは30㎡前後の単身向けが多いことがわかりました。
桜坂・狭山・別府などのエリアは60㎡~70㎡のファミリー向けマンションが多く取引されています。福岡市中央区は、同じ行政区でもエリアによって購入してくれるターゲットが異なるため、不動産会社としっかりリサーチをする必要があるでしょう。
ポイント・注意点2
福岡市中央区は、常に開発がおこなわれており、一定数の新築マンションが流通しています。2020年7月時点では、中央区で37件の新築分譲マンションが販売されていました。
所有の中古マンションを売却するときには、新築分譲マンションを含めてライバル物件をリサーチし、優位に立てるようにしましょう。不動産売却を成功させるためには、綿密に情報収集をおこない、相談できる不動産会社を見つけておきましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、福岡市中央区での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 福岡市中央区の不動産価格は上昇傾向
- 人口上昇率は市内トップクラスで今後の不動産需要も期待できる
- 天神地区ではビルの建て替えや新交通網を含む街づくりをおこなう大規模再開発が進行中
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。
福岡市中央区での不動産売却をお考えの方は、福岡市中央区の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。