- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 福岡市南区の土地価格は2013年くらいから年々上昇している
- ファミリー層にますます人気のエリアとなる要素あり
- 複数の再開発エリアを含むため売却タイミングはプロに相談が必要
福岡市南区は、西鉄福岡(天神)駅にアクセスしやすい利便性の高い人気の駅を含み、不動産価格においても福岡県内で比較的高い水準の坪単価を保つ人気エリアです。再開発予定地を多く含み、近隣の主要都市部である天神地区の開発構想などの影響も予想されます。
このような背景から、今後さらに不動産取引の活性化が期待できる地区のひとつです。そんな福岡市南区での不動産売却を検討する際には、今後の周辺状況に応じた相場の変動などもしっかりと考慮して最適な取引のタイミングを図る必要性があります。
ここでは、福岡市南区の過去から現在までの不動産動向を紹介します。さらに、福岡市南区ならではの地域特性や発展性についても触れ、このエリアで不動産を売却する際の最良の方法を模索していきましょう。
福岡市南区の近年の変化
- 福岡市南区の空き家率は福岡県内よりも低く人気のエリアといえる
- 取引の多いレンジは専有面積で40~80㎡、価格で1,000万円〜3,000万円
- 西鉄天神大牟田線の大橋駅、井尻駅最寄りの物件取引が比較的多い
福岡県全体の空き家率は、2013年からほぼ横ばいで2018年時点で12.73%です。一方、福岡市南区の空き家率は2018年時点で9.88%で、前回調査のあった5年前の2013年の12.93%と比較すると3.05%の減少傾向にあります。
2018年の福岡市南区の空き家は約1万3,690戸に上り、これは福岡県内で確認されている空き家数のおよそ4.17%を占める割合です。
近年の取引物件の特徴は、専有面積 40㎡から80㎡をレンジとした物件の取引が比較的多く、取引金額は1,000万円前後から3,000万円までと幅広く取引されています。
最寄り駅は、主要ターミナル駅である西鉄福岡(天神)駅から5つめと、ほど近い大橋や6つめの駅である井尻駅を最寄りとした物件の取引数が多い傾向です。とくに大橋駅は西鉄天神大牟田線の特急停車駅であることから人気が安定して高い傾向にあります。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
福岡市南区の相場を知ろう
- 福岡市南区の坪単価はわずかに上昇している
- 福岡市南区の周辺は不動産の需要が比較的安定している
- 福岡市南区は福岡県全体と比べても地価は高いエリア
まずは福岡市南区の売却動向を簡単につかんでいきましょう!
福岡市南区の地価・不動産相場の推移
福岡市南区の不動産価格は緩やかに上昇してきましたが、近年は一戸建てや土地の取引価格に一部下落が生じているのが実情です。保有している不動産が一戸建てか土地の場合は、再度上がるタイミングを待つか、早めに売却することをおすすめします。
福岡市南区の地価は、1年前と比較して9.28%増加しており、2019年現在は19万2,492円/㎡です。5年前と比較すると32.8%増加しています。福岡市南区のある福岡県全体と比較すると、地価は高いエリアです。
福岡市南区の坪単価
福岡市南区の坪単価は、2019年で63万6,337円となっています。これは、福岡県全体平均の31万2,450円と比較しても倍ほどの金額であり、福岡県の中でも土地の価格はかなり高い水準です。福岡市南区は、人気の高いエリアだといえるでしょう。
福岡市南区の売却動向や売却相場の動き
基本的に不動産価格は土地・戸建・マンションともに2012年頃からゆるやかな上昇傾向にありますが、土地は2018年から、一戸建ては2017年からそれぞれ若干の下落がみられているため今後の動向には注意が必要です。
南区内の清水、大橋、野間、野田、市崎、大楠、長住、柏原、中尾などのエリアは再開発予定地となっているため、今後の都市開発状況に応じて地価が上がると予測されます。物流や人の動きが活性化されることで、不動産取引が活発になる見込みです。
また、福岡市全体でも地価アップが期待される開発案件が進んでいます。天神地区では、2024年までに30棟のビルを建て替える「天神ビッグバン」という構想があり、天神交差点から半径500メートル以内に10万人近い雇用を生み出すプランです。
福岡市内から天神近辺に転入する人が増えるだけでなく、長期的には福岡市外や県外から人を呼び込む可能性も考えられ、地価のアップにつながる可能性があります。さらに、地下鉄七隈線延伸事業では、天神南駅・薬院駅から博多駅に直行できるようになるため、福岡市中心部の魅力はさらに高まる見込みです。
このような開発の動向は、主要駅へアクセスがしやすい福岡市南区のエリアにとってもプラス要因となるため、売却を検討する際は状況を確認して最適なタイミングを図るようにしましょう。
参考)福岡市南区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
| 専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩10分以内 | 2,800万円 | 3,150万円 | 3,150万円 | – | – | 3,400万円 | 3,400万円 | 3,100万円 |
駅徒歩10分以上 | 1,800万円 | 1,550万円 | 2,800万円 | 2,900万円 | – | 1,800万円 | – | 3,900万円 |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
| 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩15分以内 | – | – | – | 3,700万円 | 5,300万円 | 4600万円 | 2,300万円 |
駅徒歩15分以上 | 1,500万円 | 1,540万円 | 2,500万円 | 2,400万円 | 3,400万円 | 3,000万円 | 3,800万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 文教地区的要素や子育て世帯への支援などがファミリー層へ好影響
- 医療面や防犯・治安維持の取り組みも不動産価値にはプラス要素
福岡市南区は大学・短期大学や県立・市立・私立高等学校の数が多く、名門校もある文教地区のひとつです。そのため予備校や塾が集まり、各教室が切磋琢磨してより良い学習環境が整えられています。
行政では子育て世帯を支援する施策が活発です。区が主体となって、医療機関や子育てサロン、公園などの情報をまとめた「南区子育て情報マップ」を作成し、マタニティスクールや新米ママのためのセミナー、離乳食教室などを積極的に開催しています。
安心して子育てができる区を目指して、さまざまな取り組みをおこなっていることが、ファミリー層にとっての大きな魅力です。
さらに、国立病院やがんセンター、赤十字病院など、専門的医療を受けられる病院が複数点在していることも特徴です。区民にとって病院へ出向く負担が比較的軽いため、医療面でも安心して暮らせる区域といえるでしょう。
また、防犯・環境整備面においても、「大橋安全・安心まちづくり応援団」を結成し、地域住民や企業、警察、学校などと区役所が一丸となって防犯パトロールや環境美化運動を行っています。
こうした治安の維持へ向けた取り組みは、不動産購入を検討するファミリー世帯にとってはプラス要素となり、福岡県の中でも住みやすい区として選ばれている理由のひとつです。
【売却のコツ】福岡市南区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 人気の福岡市南区で不動産を売るには、緻密な販売戦略が必要
- 福岡市南区は緩やかに人口増加中
- 西鉄福岡(天神)駅にアクセスしやすい駅近エリアが人気
地域特性を知るメリットとは?
不動産会社を売る際の戦略を不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、売主側も一緒になって考えることで、より満足のいく売却取引に近づきます。地域特性を把握し、販売戦略を念入りに立てて実践することが、早く高く売れる近道です。
不動産を売却する時に、ただ待っているだけでは売れません。お持ちの不動産を買ってくれそうな相手は誰か、どんな手段(ポータル、チラシ、文言、特徴など)なら買ってくれそうかなど、柔軟かつ緻密な戦略性を持つ必要があります。
特に福岡市南区の場合、福岡県内でも比較的人気のエリアとなっているため、家を売る環境としては競合が多いです。他の魅力的な売り出し中の物件に勝る魅力をアピールして買主の検討候補に入れてもらうためにも、販売戦略は特に重要になります。
エリアや物件が持つ特徴から、買いたい人がどんな特徴か考えてみましょう。また、緻密な販売戦略を立てるためには、地元での不動産取引経験が豊富な専門家である不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
福岡市南区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
福岡市南区は、1972年に福岡市が政令指定都市となった際に行政区として発足しました。歴史的にみると、大和時代に朝廷の出先機関である筑紫官家(つくしのみやけ)が区内にあったとされています。
油山や鴻巣山、那珂川やため池などの自然環境に恵まれたエリアで、福岡市内にある7区のうち2番目に人口が多い区です。
参照:福岡市南区HP
福岡市南区の人口推移
福岡市南区の人口は、2015年には25万5,797人、 前回調査のあった5年前では24万7,096人で、 比較すると8,701人の増加です。 福岡県の中では72市区町村中、 5番目となります。 また、人口比では3.52%の増加割合です。これは72市区町村中、 12番目となります。
同様に、世帯数は11万9,637世帯で、 前回調査のあった5年前の11万2,423世帯と比較すると、7,214世帯増で、6.42%の増加割合です。このように、 福岡市南区は穏やかな人口増加エリアといえるでしょう。
参照:福岡市南区HP
福岡市南区で人気のエリアは?
ファミリー層にも単身層にも人気なエリアが大橋駅周辺エリアです。大橋は福岡駅から4駅目にあたり、急行電車で西鉄福岡(天神)駅から約5分と都市部へのアクセスが大変便利な地域となっています。
近年は特急も停車する駅となり、さらに人気があがっているエリアです。駅前には西鉄ストア、マックスバリュー、ダイキューバリューなど主要なスーパーが複数あることから、毎日の買い物に不便を感じることはありません。
また、駅周辺に大学が2校あるため、単身者向けの賃貸物件が多く、学生や独身のビジネスマンなど若い世代も多く住んでいます。駅から少し離れると閑静な住宅街となり、家賃も比較的安くファミリー層にも住みやすいエリアです。
周辺にはスーパー、薬局、病院、コンビニ、飲食店などあるため、小さいお子様がいる家庭でも安心して日常を過ごすことができます。このようにあらゆる層に魅力的な要素が多い大橋駅周辺エリアは今後も比較的安定した人気を保つエリアといえるでしょう。
もうひとつ注目したい人気エリアとして高宮があげられます。高宮駅は天神まで電車で1本。博多駅までもバス便が豊富で、利便性が良いことで人気です。高宮エリアは周辺の買い物環境が充実しており、ファミリー層から高い支持を受けています。
高宮駅にはホールや図書室のある公共施設アミカスが駅に隣接し、西鉄ストアとボンラパスなど2つのスーパーも隣接していることから日常の買い物にも便利です。個性が光る飲食店やショップが多く、洗練された穏やかな雰囲気が漂う街並みとなっています。
生活面では福岡赤十字病院が近く、大小の病院も点在しているのも特徴です。そのため、シルバー層やファミリー層からも生活面での安心度が高いとの評判で人気を保つつエリアとなっています。
福岡市南区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 売却タイミングにより物件のアピールポイントは柔軟に考えよう
- 不動産売却を成功するには優秀な不動産会社をみつけることが重要
ポイント・注意点1
福岡市南区に居住する方は、近隣主要駅のオフィス街へと通勤する層が多いですが、新型コロナウイルスの影響により、自宅で過ごす時間が増えたという人が多くなっています。
今後の世の中の動向や働き方の変化によっては、自宅でも快適に仕事ができる不動産環境が求められる可能性も低くはありません。時代の変化に合わせて不動産のアピールポイントを柔軟に考え直していくことで、新たな付加価値を見出すことが可能です。
ポイント・注意点2
福岡市南区の世帯数は2015年に12万4,345世帯でした。また、2014年時点での不動産会社の店舗(事業所)数は162店舗となっており、1万世帯あたりの不動産会社の店舗数は約13店舗です。
この地域は不動産会社が多く、いい不動産会社を選ぶのが大変なエリアといえます。不動産売却に成功するには、実績豊富で能力が高く、優秀な不動産会社を見さだめることが重要です。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、福岡市南区での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 福岡市南区の不動産価値は福岡県内でも比較的高く安定している
- 大橋、井尻、高宮などが人気エリア
- 不動産ニーズは福岡市中心部周辺の開発状況により増加する見込み
- 福岡市南区での不動産売却を行うためには、プロからのアドバイスや注意点を聞きながら緻密な販売戦略を立てることが重要
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。福岡市南区での不動産売却をお考えの方は、不動産売却の市況をリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。