- 不動産を高く売却するには相場の把握が必要不可欠
- 2013年から2018年までに流山市の地価は、緩やかに上昇している
- 2013年から5年間で総人口が、1.9万人増加
「都心から一番近い森のまち」をキャッチフレーズに進化を続ける流山市。
人口減少や緑減少など不動産売却にとっては不利な状況が続いていましたが、共働きの子育て世代を取り込む都市計画により人口増加率は6年連続で第1位。都心からの転入者も安定的に増加しており、流山市は今後も注目が高まるエリアだと言えるでしょう。
そこで今回は、流山市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法まで紹介していきます。
流山市の近年の変化
- 3つのマーケティング戦略で都市計画を図っている
- 共働きの子育て世代をターゲットにした街づくりに注力
流山市は、「人口減少」と「緑の減少」という大きな課題を抱えていました。そんな課題を解決するために、2003年に日本で初めて役所内にマーケティング課が設置。流山市の再生化を図る3つの軸でマーケティング戦略が練られました。
1つ目が、「都心から一番近い森のまち」のキャッチコピーを具体化する施策です。2005年に開業したつくばエクスプレスにより、宅地開発が相次ぎ緑地が失われつつあった流山市周辺で緑を回復するために、「流山グリーンチェーン認定制度」が設けられました。
この制度は緑の豊富な物件を作るように働きかける運動で、独自の条件をクリアした物件のみ認定を受けられます。
ほかにも、認定された物件を購入する際は、金融機関から住宅ローンの金利が優遇されるなど買い手に嬉しいメリットも。また、東京大学の調査によれば、認定を受けた物件は不認可のものより約494万円も高く売れる傾向にあることが判明しました。
2つ目の戦略は、人口が減少する中で定住する人口を増やすということです。定住者を増やすために共働きの子育て世代にターゲットを絞り、快適に暮らせる環境づくりに力を入れています。
3つ目は、市民と連携して集客力のあるイベントの実施。本物のジャズを楽しめる「流山ジャズフェスティバル」や森の駅前広場でおこなわれる「森のナイトカフェ」など、家族世帯が楽しめるさまざまなイベントが定期的に開催されています。
近年では、マーケティングを駆使した都市計画に注目が集まり、メディアからの取材も増えている流山市。10年先を見据えた都市計画により、今後定住人口が増えていくことが予測されています。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得いく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きをおこない、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買をおこなうためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
流山市の相場を知ろう
- 2013年から2018年まで地価は緩やかに上昇している
- マンションより戸建ての物件に人気が集中している
まずは流山市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
流山市の地価・不動産相場の推移
流山市の地価は、2018年時点で12.3万円/㎡。5年前の2013年の12.1万円/㎡と比べると、若干ですが上昇しています。ちなみに、2018年時点の流山市の取引価格は21.4万円/㎡~51.9万円/㎡と、大きな差があるので、不動産価格は慎重に決めましょう。
流山市の売却動向や売却相場の動き
中古マンションは駅から徒歩10分以内の物件に人気が集中しており、10分を超えると一気に需要が軽減。物件の面積は、70〜85㎡の広さが好まれていることがわかります。
一方、中古の戸建ては駅近に関係なく全体的に需要がありますが、物件の面積は100〜110㎡の広さに人気が集中。ファミリー層からの関心が高まっていることがわかります。
参考)流山市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 2,600万円 | 1,180万円 |
75㎡ | 1,750万円 | 1,800万円 |
80㎡ | 2,500万円 | 1,500万円 |
85㎡ | 2,250万円 | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
中古戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,085万円 | 2,800万円 |
85㎡ | 550万円 | 1,200万円 |
90㎡ | 2,700万円 | – |
95㎡ | 3,800万円 | 3,450万円 |
100㎡ | 3,700万円 | 2,350万円 |
105㎡ | 4,500万円 | 2,950万円 |
110㎡ | 4,100万円 | 4,100万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 2010年から2020年で認可保育園数は4.5倍増加
- 共働きの子育て世代の転入や定住者が増加する可能性が高い
ターゲット層になる子育て世代が快適に暮らせる街づくりを目指す流山市は、子育て支援への取り組みの一貫として、認可保育園などの新設や増設があります。2010年から2020年で認可保育園の数は4.5倍まで増加。
共働き世代で子どもがいる場合、認可保育園の数を気にする人も少なくありません。共働き夫婦でも住みやすい環境を整えられていると言えます。
さらに、親が迎えにいくまで一時的に預かってくれる駅前送迎保育ステーションを流山おおたかの森駅と南流山駅に設置。共働き夫婦の時間的負担を軽減させることに成功しています。
子育て支援に力を入れることで、共働きの子育て世代の転入や定住を考える人が増加する可能性が高まります。
【売却のコツ】流山市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 2013年から2018年で総人口は1.9万人増加
- 共働きの子育て世代の転入も著しく増加
地域特性を知るメリットとは?
地域の特性は、物件をよく知る売り主に直接聞きたいと考える買い手も少なくありません。特に、共働きで子どもがいる家庭は育児しやすい街であるかも重要な判断基準になります。その不安を解消させるために、自分でもしっかり情報を集めておくことが大切です。
流山市は、子育て世帯が快適に過ごせる街づくりに注力するエリアになります。買い手のライフスタイルに合わせて、魅力的なキャッチコピーをつくったりアピールポイントを考えたりすることで購入への後押しをすることができるでしょう。
初めて物件売却をおこなう人は、わからないことだらけで不動産会社の担当者に丸投げする方も多いです。ただ、物件の魅力を一番知っているのは売り主であることは間違いありません。
経験や知識が豊富な担当者と協力して、売却活動をおこないましょう。そうすれば、より高値で物件が売れる可能性も高まります。
流山市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
千葉県の北西部に位置する流山市は、白みりんの発祥の地として有名な街です。1814年には、長年酒造りを営んでいた当主により白みりんが誕生しました。現在は、「飲めるみりん」の製作に注力。国産もち米100%の「古式作り流山極上本みりん」が誕生し、流山ブランドとして全国に広げようとしています。
1868年には、流山町が県庁所在地に選出。そんな流山市は1960年代前後から宅地開発が始まり、1973年には武蔵野線が開業。その後、約20分で秋葉原へ行ける南流山駅が開設されました。
2005年には、市を横断するつくばエクスプレスが開通して、南流山駅・流山セントラルパーク駅・流山おおたかの森駅が新しく開設。都市へのアクセスもさらに良好になりました。
JR武蔵野線を利用すれば、さいたま新都心や幕張などへのアクセスも良く、常磐道流山インターチェンジを使えば羽田空港まで1時間程度で移動できるようになっています。
流山市の人口推移
2018年4月時点の総人口は、18.6万人。人口の内訳は男性が9.2万人、女性が9.4万人になります。2013年4月時点の総人口が、16.7万人なのでここ5年間で1.9万人も増加。
また、2013年4月時点では転出数が転入数を上回っており全体では人口が21人減る結果に。一方で2018年4月時点では、転入数が約2,200人、転出数が約1,200人。総人口は、992人も増加することとなりました。
人口が増加した理由としては、2005年のつくばエクスプレス開業と子育て支援の施策強化が挙げられます。その結果、流山市の子育て世代の人口割合が一気に増加。また、出生率も2017年時点で1.63%も増加し、千葉県内で第2位に高い出生率となりました。
総務省の労働力調査によると、女性の社会進出が著しく、2018年以降は共働き世代が年々増加していることが判明。ただ、育児と仕事を両立する働くママは心身ともに負担が大きいので、物件を購入するうえで子育て支援の内容も重要な判断ポイントになります。
流山市が子育て支援に注力する限り今後も共働き世代の転入が増えることが予測できるので、働くママへのアピールポイントを考えておくことは必要不可欠だと言えるでしょう。
流山市で人気のエリアは?
都心から近いベッドタウンとして宅地開発が盛んにおこなわれている流山市。そんな流山市の中でも近年特に人気を集めるエリアが、流山おおたかの森駅の周辺になります。
人気の理由は、利便性の高さ。つくばエクスプレスを使用すれば秋葉原へ約25分で行けて、北千住駅から東京メトロ千代田線に、新御徒町駅から都営地下鉄大江戸線に乗り換えることも可能です。
また、駅周辺には複合施設「流山おおたかの森S・C」があり、ロフトや食品館イトーヨーカドーなど日常で必要なものは何でも揃えられます。わざわざ遠くのスーパーまで買い出しに行く必要もなく、時間に追われる働くママには最適です。
また、複合施設の向かいには、内科や外科はもちろん皮膚科や小児科が入居する「流山おおたかの森メディカルモール」があるので、子どもが体調を崩したときにも安心。
駅周辺は住宅開発も進んでいるので、不動産購入の需要が高まる可能性は高いです。売り主にとって売りやすいタイミングだと言えます。
流山市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 子育て世代に刺さるアピールポイントを考える
- リフォームしてキレイな状態で売り出す
ポイント・注意点1
流山市は共働きの子育て世帯の転入・定住を目的とした取り組みをおこなっていることから、今後子どもを持つ家庭の不動産購入の需要が高まることが予測されます。
そのため、子どもを持つ家庭や共働き夫婦に刺さるアピールポイントを考えておくことが大切です。都心へのアクセスの良さや市が取り組む子育て支援の内容など、子育て世代が流山市に不動産を購入することでのメリットをまとめましょう。
もし買い手が都心からの転入を考えている場合は、生活費がどのくらい異なるのか調べておくのもおすすめです。子どもを育てるためにはお金がかかるので金銭面に不安を抱くママも少なくありません。
不安が解消されれば購入に一歩近づけるので、都心から少し離れた場所に定住することへのプラス面をたくさん伝えて買い手の購買意欲を掻き立てましょう。
ポイント・注意点2
近年は、物件を安く購入して自分でリフォームする人も増えているため、売りたい物件をあえてリフォームせずに売り出すこともあります。ターゲット層が若い世代であれば効果的に働きますが、共働きで子どものいる世帯の場合は購入してからリフォームを考える余裕はありません。
そのため、リフォームしてキレイな状態で売り出すのがおすすめです。内見も実際に生活後のイメージを膨らませやすいですし、荷物だけ運べばすぐに生活できる空間は魅力的に映ります。
物件のターゲット層で売り出し方にも違いが出るので、闇雲に売るのではなくターゲット層を明確にしてから販売戦略を立てていきましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、流山市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 2013年から2018年までに流山市の地価は緩やかに上昇
- 2013年から5年間で総人口が1.9万人増加している
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
流山市が取り組む都市化計画や子育て支援により、総人口は増加。また、都心へのアクセスも良いことから順調に転入数も増加しており今後もさらに増えていくことが考えられます。
不動産売却においてはプラスに働く環境が整っているので、ターゲット層を明確にして準備をしっかり整えれば高く売れる可能性も高いです。まずは、地元に詳しい経験豊富な不動産会社のスタッフを探して、販売戦略を立てましょう。