- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 「名古屋の北の玄関口」と称される交通アクセスの良い名古屋市北区。
- 近隣主要駅の再開発への期待もあり地価は上昇傾向
- 子育て環境が充実した黒川エリアがファミリー層に人気
名古屋市北区は「名古屋の北の玄関口」と呼ばれ、主要道路や鉄道網が充実し名古屋市内中心部にも近隣都市にも移動が便利なエリアです。一方で、区の中央を横切るように庄内川と矢田川が流れ、名城公園や志賀公園といった大きな公園もあります。さらには商店街も豊富で、幅広い年代層から注目を集めています。
名古屋市北区の最近の様子
- 名古屋市北区は、同じ区内でもエリアによって雰囲気に違いがある
- 不動産取引件数は減少しているが、価格はわずかに上昇
名古屋市北区は、かつては工場が多い地域でしたが、撤退した跡地に大規模な公営住宅やマンションが建てられました。区の北部は北名古屋市や春日井市に隣接し、南部は中区と東区に隣接し、同じ区内でもエリアによって雰囲気や住み心地も大きく異なります。
取引件数は1500件前後となっていますが、不動産取引はやや減少していますが公示価格は少しずつ上昇しています。
近年の取引物件の特徴は戸建て住宅だと100㎡を超える物件も多く、マンションでは3LDKの物件が中心となっています。戸建ては駅から徒歩10分ほどの標準的な物件数が大きく増加し、マンションでは駅から徒歩3分未満の駅近物件数が大きく増加している傾向があります。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
名古屋市北区の相場を知ろう
- 地価は上昇しているが、名古屋市の中では控え目なエリア
- 土地相場が高く人気なのは大曽根エリア
- 名古屋市の他のエリアより、戸建て住宅の方が好調
まずは名古屋市北区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
名古屋市北区の地価・不動産相場の推移
名古屋市北区の最新公示地価は平均19万1290㎡(2020年[令和2年])、前年からの変動率は+1.80%です。この5年ほど年々わずかながら上昇しています。愛知県の中でも好調な名古屋市ですが、その名古屋市の中では地価の上昇は控え目です。
2019年度後半期と比較すると、名古屋市内の一戸建ての価格相場はわずかながら上昇、中古マンションは堅調に上昇しています。お持ちの不動産が土地や戸建て住宅の場合は、売却の時期をじっくり考えてプロに相談されるのがおすすめです。
名古屋市北区の売却動向や売却相場の動き
名古屋市北区の不動産需要は上昇傾向にあり、それに伴い値段も上昇傾向です。名古屋市内の他のエリアに比べてマンションの価格は上げ止まり傾向にあり、戸建て住宅はゆるやかに上昇しています。名古屋市全体ではマンション需要が年々上昇し、中古住宅土地相場は横ばい〜下降傾向ですが、北区ではマンションよりも戸建て住宅の価格の方が下がりにくくなっています。
名古屋市北区はJRや名鉄、地下鉄名城線などの鉄道が走り、国道19号や名古屋第二環状自動車道といった高速道路も走る交通アクセスのいいエリアです。名古屋駅へのアクセスより栄駅や金山駅へのアクセスがいいので、首都圏や近隣地方からの人口流入というよりも県内や近隣に住んでいる方の買い替えがメインだと考えられます。
参考)名古屋市北区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
| 専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩10分以内 | 2,500万円 | 2,750万円 | 3,200万円 | 2,150万円 | 1,900万円 | – | – |
駅徒歩10分以上 | 2,200万円 | 900万円 | 1,450万円 | 2,100万円 | – | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
| 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩15分以内 | 3,500万円 | 3,800万円 | 3,400万円 | 4,000万円 | 3,650万円 | 4,200万円 | 4,450万円 |
駅徒歩15分以上 | – | – | 2,300万円 | 3,000万円 | 3,300万円 | 3,400万円 | 4,100万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 名古屋市北区は商店街や公園も多く、住みやすい地域
- アクセスもよく、静かな住宅地である黒川エリアが最近は人気
首都圏や関西エリアほどで顕著ではありませんが、東海エリアでも都心回帰の傾向が見られます。名古屋市中区や東区は利便性が高くブランド力もあり、名古屋市内ではタワーマンションの建設も進んでいます。名古屋市北区は名古屋の中心部からそれほど離れていないにも関わらず、緑も多く歴史を感じさせる商店街や公園も多いエリアです。
名古屋市北区の中で特に伸びているのが黒川エリア。地下鉄名城線で栄にも1本で行けますし、車で都心や郊外へのアクセスも便利な場所です。また、場所にもよりますが自転車で30分程度で栄まで行くことができるので、最近見直されている自転車通勤も可能です。都心に近いだけでなく、志賀公園など大きな公園もあり静かな住宅環境です。ただ、区内の細かいエリアによっては需要の違いもありますので、事前にしっかりとした調査が必要です。
【売却のコツ】名古屋市北区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 名古屋市北区には名古屋城とその城址公園がある
- 名古屋市全体で人口は増えているが、北区は減少している
- 近隣に大型のドラッグストアやスーパーがある場所が人気
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際には、戦略を不動産会社に一任するのではなく売主も一緒に考えることが売却成功のコツです。地域特性に沿って戦略を立てることが、売りたい時期に高額での売却へとつながります。待っていても売れる不動産はほぼありません。どのような相手に、どのような手段を取れば興味を持ってもらえるか等、しっかりとした戦略を持って臨む必要があります。
名古屋市北区は市内の中でも価格の上昇が緩やかなので、今後も引き続き一定数の需要が見込めるでしょう。しかし、同じような立地や価格帯である場合、所有している不動産の強みを知っておかないと、いつまでたっても売れ残ってしまうということも考えられます。どのような人に求められている物件なのか、その特徴をしっかり掴むことが売却の第一歩です。絶対的な答えはありませんので、詳しくはそのエリアに詳しい専門家である不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
名古屋市北区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
名古屋を代表する歴史的建造物の一つ、名古屋城。城を中心にした北側に広がる名城公園は、今でも名古屋市民に愛され親しまれている城址公園です。園内には愛知県スポーツ会館や庭球場、野球場、プールなどのスポーツ施設も併設しています。園内にはオランダ風車やフラワーパークがあり、花や緑をとともに名古屋城の景観を楽しめます。
名城公園にも近い場所にある柳原通商店街は、商店街振興組合法成立とほぼ同時に設立された愛知県下では初、全国でも2番目に設置された商店街と言われています。名城公園駅から徒歩5分、南北600mの商店街では毎年8月には夏祭り、12月には柳原元気まつりが開催されてきました。
弥生時代、九州の弥生人の定住によってはじまり、名古屋の北の玄関として発展した名古屋市北区。その貴重な史跡や文化財が数多く残され、今でもその史跡を散策して楽しむことができます。
名古屋市北区の人口推移
名古屋市北区は2010年には165,889人でしたが、2020年には163,391人とこの10年で約2,400人ほど人口が減少し約2%の減少となっています。名古屋市全体では総人口は増えていますが、北区では人口を減らしています。約10年で最も人口が減ったのは南区で約5,200人、次いで港区の約5,000人の人口減となっています。北区の世帯数を見ると、2020年1月には79,446世帯で、74,803世帯だった2010年の1月と比べると+4643世帯で6.2%増加しています。
名古屋市北区で人気のエリアは?
ファミリー層に人気が高いエリアは志賀本通駅周辺です。場所によっては地下鉄だけでなく名鉄など複数路線使用でき、幼稚園や保育園も多いです。近くに子育てセンターや徒歩圏内に公園も近く、子育て環境の良さが魅力です。近隣にスーパーやホームセンター、ドラッグストアなど買い物できる場所も豊富で、買い物には困りません。また、複数路線使用でき、大型ショッピングセンターが近い大曽根駅周辺もファミリー層には人気のエリアとなっています。
名古屋市北区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 2027年開業予定のリニア中央新幹線の影響を考えておく
- 自分と相性の良い不動産会社選びを心がける
ポイント・注意点1
名古屋市北区で土地やマンションの売却を考える場合、2027年に開業予定のリニア中央新幹線の影響についても考えておくことが必要です。東京(品川)~名古屋間を約40分で結ぶリニア中央新幹線ですが、北区から名古屋駅までのアクセスはいいとは言えません。
リニア中央新幹線のビジネス利用を考えているなら、あえて北区の物件を候補に入れる理由はありません。しかし、名古屋市周辺では2027年の開業に向けて再開発が行われるなど、2027年が一つのポイントになっています。
例えば北区からのアクセスがいい金山総合駅は、JRと名古屋鉄道、市営地下鉄の3路線が乗り入れるターミナル駅で、現在周辺の再開発が進められています。金山総合駅は名古屋駅、中部国際空港、熱田神宮へのアクセスもよく、2027年のリニア中央新幹線の影響を大きく受けるエリアです。金山はこの数年+10%近く坪単価を上げ続けていますので、今後の金山駅の価格動向が北区にも大きな影響を及ぼすと考えていいでしょう。
ポイント・注意点2
不動産の売却を検討し始めたら、平均価格や動向を調べるのと同時に不動産会社の情報も収集しなくてはなりません。名古屋市内には不動産会社の数も多く、最初は何を基準に選べばいいのか分からない状態でしょう。満足のいく不動産売却のためには、自分と相性のいい不動産会社を見つけなくてはなりません。インターネットによる情報収集と併せ、友人や知人からの情報収集も欠かせません。不動産会社に目星を付けたら、直接出向いたり、電話やメールなど自分の希望の方法でコンタクトを取ってみましょう。その上で不動産会社の能力や雰囲気を実際に見極め、信頼できる不動産会社を見つけるしかありません。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、名古屋市北区での不動産売却に役立つマンション・戸建て・土地の相場情報や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 名古屋市北区は不動産相場は比較的安定している
- 同じ北区の中でも交通のアクセスの違いによりかなり価格差がある
- マンションより戸建ての物件が人気
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握し、しっかりとした戦略と信頼できる不動産会社の協力が欠かせません。名古屋市北区での不動産売却をお考えなら、市況の細かいリサーチと同時に、パートナーとなる不動産会社探しを始めてみましょう。