- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 中野区は若い世代が多く活気のあるエリア
- 中野駅周辺の大規模再開発で地価が大幅に上昇している
- 新型コロナウィルスの影響による土地売却件数の増加に注意
中野区は、東京都の中で豊島区や新宿区、渋谷区、練馬区、杉並区といった多くの区と隣接しているエリアです。区の中心である中野駅はJR総武線、中央線、東京メトロ東西線が乗り入れ、さらに南方面には東京メトロ丸ノ内線、西エリアには都営大江戸線、北エリアには西武新宿線が通り、隣の練馬区を走る西武池袋線も利用可能です。
中野区の面積は約15.59 km²、人口30万人強で、20代~40代の若い世代が50%を占める大変活気のある区です。中野駅や中野坂上周辺などの中間部は、オフィス街や学生街としてもにぎわっており、西武線沿線や南方面は夜間人口の多い住宅地です。
ここでは、中野区の不動産事情や地域特性、不動産を売るときに注意すべき点やポイントなどを紹介していきます。
中野区の最近の様子

- 中野区にはサブカルチャーの聖地「中野ブロードウェイ」がある
- 中野駅を中心とした新しいまちづくりが進行している
中野区と言えば、学生や若者が多く集まるサブカルチャーの街というイメージがあります。サブカルチャーの聖地である中野ブロードウェイや、若者向けのアパレルショップ、流行のスイーツショップが並ぶサンモール商店街は健在で、アニメ好きの日本人のみならず、外国人観光客をも多く集め、賑わっています。
近年では駅前に新しいオフィスビルやタワーマンションが次々と建設され、街の風景は少しずつ変化してきています。中野区では、中野駅を中心に東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点としていくためのまちづくりに取り組んでいます。
現在2か所ある駅前広場の改修工事も進行しており、中野駅周辺の景色は、今後もリニューアルされていくことでしょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に1歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
中野区の相場を知ろう

- 中野区の地価は大幅に上昇している
- 再開発が続いている中野駅北口周辺は地価、上昇率ともに一番高い
- 戸建てよりもマンションの取引が多い
- 中野駅や東中野駅周辺はファミリー向けの物件割合が高い
- 中野坂上や中野新橋、新中野は単身向けのマンションが多い
まずは中野区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
中野区の地価・不動産相場の推移
中野区の地価平均は、昨年に比べ6.21%と大幅に上がり876,905円/㎡ です。 特に、大規模再開発が続いている中野駅北口周辺は、地価、上昇率ともに中野区でもっとも高く、注目が集まっています。
続いて上昇率が高いのは、中野駅徒歩圏内の新中野駅周辺、地価が高いのはビジネスビルやタワーマンションが立ち並ぶ中野坂上~西新宿です。西武新宿線・池袋線方面は、他所に比べて大きな動きはありませんが、それでも昨年比3%台の上昇を見せています。
中野区の売却動向や売却相場の動き
昨年1年間中野区で取引された中古物件は、戸建てよりマンションの方が若干多いようです。JR線、丸ノ内線沿線では特にマンションの比率が高くなっています。
中野駅や東中野駅周辺は、単身者に加えファミリー層にも人気があり、1Kマンション、2LDK以上のマンション共によく動いています。丸ノ内線の中野坂上や中野新橋、新中野は単身者向けマンションの取引が多く見られます。
中野区の北側は、第一種低層住居専用地域に指定されている土地が多いこともあり、戸建てが多く、マンションの取引は多くありません。西武新宿線沿線は昔ながらの街並みが多く、2世帯などの共同住宅や、100㎡以内の小さめの物件の取引が多いようです。
参考)中野区での直近の取引価格情報
中古マンション(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 6,150万円 | 1,700万円 |
75㎡ | 5,700万円 | 5,000万円 |
80㎡ | 9,400万円 | 1,600万円 |
85㎡ | 5,300万円 | – |
90㎡ | 7,300万円 | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 5,200万円 | – |
85㎡ | 5,500万円 | 5,900万円 |
90㎡ | 6,000万円 | – |
95㎡ | 5,800万円 | – |
100㎡ | 6,200万円 | – |
105㎡ | 6,750万円 | 5,400万円 |
110㎡ | 6,600万円 | – |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 中野駅北口は大学の誘致や大規模オフィスビルの建設が目白押し
- 南口にも大型複合施設が完成予定
- 2019年7月に丸ノ内線の新宿駅~方南町直通運転がはじまった
中野区の中で開発計画が大きく動いているのは、やはり中野駅周辺です。特に中野駅北口は、2012年の四季の森公園オープンを皮切りに、明治大学や帝京平成大学のキャンパス誘致、早稲田大学エクステンションセンターのオープン、東京警察病院の移転、大規模オフィスビルの建設など、大きく発展を続けています。
今後も中野サンプラザのリニューアルや中野区役所の建て替えなど、再開発は続く予定です。 2024年には中野駅南口にも賃貸マンションやオフィスビル、商業ビルが集まった大型複合施設が完成します。それに伴い、高級マンションやタワーマンションが続々と建つ予定なので、人口増加やさらなる地価の高騰が予想されます。
これまで、丸ノ内線で新宿駅から方南町駅に向かうには、中野坂上で支線に乗り換える必要がありました。しかし2019年7月より、新宿駅~方南町の直通運転が始まり、都心とのアクセスは格段にアップ。この影響を受け、この路線が通る中野区の南台エリアの人気のさらなる上昇も今後は期待できるでしょう。
【売却のコツ】中野区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう

- 中野区は青梅街道沿いに中野宿があり、物資の集荷地だった
- 人口・世帯数共に増加している
- 人気のエリアは中野・中野坂上・上鷺宮
地域特性を知るメリットとは?
東京都の中でも中野区は新宿や東京へのアクセスが非常に便利なエリアで、物件も比較的多く動いています。中野区で自分の不動産を購入してもらうためにも、販売戦略はとても重要です。まずは中野区の歴史や地域の特性をしっかり理解しましょう。
中野区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
東京都中野区に走る青梅街道沿いには中野宿があり、物資の集荷地としてにぎわいました。物が集まり、原料が豊かだったことから地場産業が生まれ、大豆からは味噌や醤油の生産をおこなう醸造業、麦や蕎麦からは製粉業が生まれ、江戸町民の食料消費を支えていました。
また、江戸に近いことから代々の将軍達が鷹狩りに訪れる場所でもありました。5代綱吉の時代に「生類憐みの令」が出され、お犬様を養育するための小屋が中野に設けられたエピソードは有名です。
明治時代に入ると、沢庵づくりと製茶、浅田ビールなどが発展しましたが、関東大震災後の急激な都市化や高度成長期を契機に衰退。昭和40年代までに農地はほぼ姿を消し、住宅地へと変貌を遂げ、人口は急速に増加していきました。
中野区の人口推移
国勢調査の結果、2015年の時点での総人口は328,215人。5年前の調査よりも13,465人と大きく増加していることがわかりました。世帯数においても196,132世帯と、5年前の調査よりも11.865世帯増えています。
中野区で人気のエリアは?
中野駅周辺では、新施設やマンションの開発ラッシュが続いており、それに伴って人口も増加し続けています。広大な公園や高層ビルに加え、西友やライフなどのスーパー、昔ながらの商店街や飲食店街も健在で、オフィス街としてだけではなく住宅街としても人気があります。
東京メトロ丸ノ内線と都営大江戸線が利用可能な中野坂上は、オフィスビルや高層マンションが並び、交通の便が良いことなどから単身者に人気のあるエリアです。 再開発が進み、近代的な景色の広がる中野区中心部に対し、西武線沿線北部や南台などの南部には昔ながらの街並みも残っています。この地域では中心部に比べると物件価格はリーズナブルで、2世帯住宅や家族向けの物件を探している方からの需要が高いです。
中野区最北端の上鷺宮エリアは、高所得者が多く住む高級住宅街です。圧倒的に戸建てが多く、1軒毎の土地面積が広いのが特徴で、ゆったりとした空間で暮らしたいというファミリー層に支持されています。
中野区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点

- 中野区の不動産相場は上昇機運だが、新型コロナウイルスの影響が不安材料
- ファミリー向けから単身向けまでニーズが幅広い
- 売却のパートナーとなる不動産会社選びは慎重に
ポイント・注意点1
中野駅の大規模再開発や低金利政策の影響で、ここ数年中野区の地価は上昇を続けています。今後数年間は、さらなるマンションや複合施設の建設で注目を集め、住宅への需要も高水準を維持していくと思われます。
しかし、新型コロナウィルスの影響は計り知れず、個人商店の多い西武新宿線沿線の地域や、若い世代人口が高い中野区中心部の土地売却件数が増えていく可能性があります。今後の動向は注視する必要があるでしょう。
ポイント・注意点2
中野区は、ワンルームマンションやファミリー向けマンション、一般的な戸建て住宅や2世帯住宅用の大きい物件、個人商店の店舗、学生向けアパートなど、豊富な種類の物件がそろっています。
不動産会社の過去の実績などを参考に、売却したい物件と相性のいい不動産会社を見極めることで、より好条件での販売が見込めます。売却完了まで担当者の方とは長い付き合いになりますので、信頼できる会社や担当者を見つけることはとても重要です。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、中野区での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 中野区は中野駅を中心に大型再開発が続いている
- ここ数年大幅な価格上昇を続けている
- 新型コロナウィルスの影響による土地売却件数の増加に注意
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。中野区での不動産売却をお考えの方は、中野区の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。