- 不動産を高く売却するには相場の把握が必要不可欠
- 2019年7月に日野市がSDGs未来都市に選定されている
- 2013年から2018年まで日野市の地価は緩やかに上昇
東京のほぼ中央に位置する日野市は農業中心の宿場町として栄えてきましたが、近年は水と緑に恵まれた住宅都市として発展しています。そんな日野市においては緩やかに人口が増加。新宿など主要な都市にも30分以内に行けるアクセスの良さから、不動産売却において注目を集めています。
そこで今回は、日野市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法まで紹介していきます。
日野市の近年の変化
- 2019年7月に日野市がSDGs未来都市に選定
- 待機児童ゼロを目指す子育て支援計画を実施
2019年7月、日野市は東京で初となる「SDGs未来都市」に選定されました。SDGsとは、未来に向けてより良い環境を整えていくことを目指す取り組みで、SDGs未来都市に選定されると国からサポートを受けられます。
これによりSDGs未来都市に選ばれた都市は、独自の地域経済や社会の活性化を図り、住民が安心して暮らし続けられる街づくりを進めることになりますが、日野市では高校生を中心とした活動「ひのミラ」がスタート。
日野市に移住者を増やす取り組みや地域コミュニティの活性化、環境に配慮したオーガニックコットンの栽培など、社会・環境・経済の3つのキーワードを軸にした活動が積極的におこなわれています。
また、政府が推奨する働き方改革の影響により女性の社会進出も著しく、現在は仕事と育児を両立する働くママも増加傾向に。そんな共働き夫婦の負担を軽くするために、日野市の子ども・子育て支援事業計画「新!ひのっ子すくすくプラン」が2015年に策定されました。
これにより、待機児童ゼロや子育てしやすい街を目指すべく、保育園・保育所の拡充はもちろん、子どもの年齢に応じた情報を無料で発信する「ぽけっとなび」や、育児を手助けしてくれる「ファミリー・サポート・センター」、放課後に子ども教室が開催される「ひのっち」など、育児の支援をするサービスが展開されています。
このように日野市では住みやすい街づくりや子育てしやすい環境が整えられているため、共働きで子育てする世代の移住者が増える可能性が高いです。また、住み心地が良ければ定住を考える人も増えるので、不動産売却において有利に働くことが考えられるでしょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きをおこない、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買をおこなうためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
日野市の相場を知ろう
- 2013年から2018年まで日野市の地価は緩やかに上昇
- マンションより戸建てに人気が集中
まずは日野市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
日野市の地価・不動産相場の推移
日野市の地価は、2018年時点で18.8万円/㎡。5年前は17.1万円/㎡のため、緩やかに上昇していることがわかります。一方で、東京都全体の平均地価は、57.2万円/㎡。東京都全体と比べると日野市は地価が低いエリアです。
ちなみに、2018年時点の日野市での物件取引価格は10.3万円/㎡から25.5万円/㎡となっています。上位価格と下位価格に大きな差があるので、不動産価格は慎重に決めましょう。
日野市の売却動向や売却相場の動き
日野市の中古マンションは、駅から徒歩10分以内で70㎡の物件に人気が集中。駅から徒歩10分以内の物件に比べて価格は下がりますが、駅から10分を超えても70〜75㎡の広さがある物件の場合には需要があることもわかります。
戸建てに関しては駅から15分以内の物件が好まれており、100〜105㎡の広さの需要が高まっているようです。駅から15分離れた物件に需要があるということは、車を保有するファミリー層が多いことがわかります。
参考)日野市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 4,200万円 | 2,900万円 |
75㎡ | – | 2,200万円 |
80㎡ | – | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 3,900万円 | 3,000万円 |
85㎡ | 3,600万円 | 1,850万円 |
90㎡ | 3,800万円 | 3,350万円 |
95㎡ | 3,500万円 | 3,650万円 |
100㎡ | 4,300万円 | 3,800万円 |
105㎡ | 4,300万円 | 3,400万円 |
110㎡ | 3,400万円 | 1,975万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 2025年に開業を想定した新駅の事業を断念
- 交通アクセスが良く新宿まで約30分で移動可能
日野市は、中央線の豊田から八王子間に新駅となる「西豊田駅」を2025年に開業する想定で事業を進めていましたが、2019年11月に断念することを発表しました。
日野市の住民からは新駅の開業を強く願う人もいましたが、ミニバスの再編や大型バスの一般路線化など公共交通の充実を図ることで住民の理解を得られました。都心へのアクセスは日野駅、豊田駅から、JR中央線の特別快速を利用すれば新宿まで約30分で移動することができます。
JR中央線以外にも多摩都市モノレールや京王線の駅も点在しているため、都心へのアクセスは良好。ビジネスマンや学生の通勤通学にも困ることはありません。
【売却のコツ】日野市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 2015年から2019年まで総人口は緩やかに増加
- 2040年の高齢化率が2010年から1.5倍増加する予測
地域特性を知るメリットとは?
日野市はSDGs未来都市に選定されたことにより、住みやすい街づくりの都市計画に注力。ただ、過去5年にわたり人口は増加しているものの、今後少子化や高齢化が進むことは間違いありません。
そんな将来を見据えて、共働きで子育てする世代を取り込む施策も数多くおこなわれています。取り組みの結果、子育て世代の不動産売却が活発になる可能性が高いです。
不動産を少しでも高く売りたいなら、この流れに合わせたセールスポイントが必要になります。特に初めて不動産売却をする方は、専門的な知識や経験豊富な不動産会社のスタッフに頼ることもひとつの方法です。
ただ、スタッフに任せっきりにするのではなく、売り主が自分で魅力的なキャッチコピーをつくったりアピールポイントを考えたりすることで、買い手と密なコミュニケーションを取れます。
売却につながる可能性も高いので、まずは自分でリサーチしてみることがおすすめです。そして、不動産会社の担当者と協力して販売戦略を練り、高く売れる売却活動をおこないましょう。
日野市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
東京都心から35km離れた日野市。市内の北部には多摩川、中央部には浅川が流れ、緑豊かな丘陵と自然に湧き出る湧水の台地が広がる、起伏に富んだ変化の多い地形が大きな特徴です。
日野市は、1970年代からベッドタウン化で住宅開発が進み人口が急激に増加し、工業団地が多く建設されました。ただ一方で、「多摩の米蔵」 と言われるなど農業中心の宿場町でしたが、住宅開発の影響により緑地が減少。
1970年代半ばからは自然環境を守る市民活動が活発化し、自然環境の実態調査をおこなったり市民団体間のネットワーク組織を結成したりするなど、活動の幅を拡充する動きが広がりました。
1992年には、さまざまな市民活動家が集まり独自で「市民版 日野・まちづくりマスタープラン 〜市民がつくったまちづくり基本計画」 を提言。市民活動の高まりを受けて市も連携を図るようになり、1994年に「日野市市民参加の推進に関す る要綱」が制定されました。
市民活動を中心にさまざまな取り組みがおこなわれてきた日野市。自然環境に関する取り組みはもちろん、自然体で子育て世代を支援する街づくりにも注力しているので今後は都心からの移住者が増えることが予測されます。
日野市の人口推移
日野市における総人口は年々緩やかに増加。2015年時点で18.1万人だった人口は、2019年時点では18.5万人にまで増える結果になりました。ただ、人口構成をみると、0歳から14歳は1,100人減っているのに対して65歳以上の人口は、2,800人も増加しており、着実に少子高齢化が進んでいるのがわかります。
少子高齢化が進む中で、人口推計によると2040年の高齢化率は2010年の1.5倍増えることが判明。労働人口である15歳から65歳未満の人口は2割も半減することが予測されています。転入数・転出数の推移はともに減少傾向ですが、2013年以降は転入者が増加。八王子市からの転入が多く、30代の転入が多くなっています。
日野市で人気のエリアは?
都心へのアクセスも良く、通勤通学に便利な日野市。市内のバスを利用すれば隣町の立川にも移動できるため、車を所有しない人にも快適な環境が整っている街です。日野市の中でも、買い物にも便利な豊田駅周辺は需要が高めです。駅近くには、イオンモールやスーパー、ドラッグストアなど生活に欠かせないアイテムが何でも揃うため、買い物で困ることはありません。
また、ほどよい自然に恵まれているため子どもがいる家庭にも最適。季節に合わせた自然の遊びを満喫することができます。近隣の立川や八王子市に比べて犯罪率も低いため、小さな子どもがいても安心して生活することが可能です。
日野市が取り組む子育て支援により、育児を手伝うファミリー・サポートや一時預かりのサービスもあるので、共働きの子育て世帯も安心して仕事と育児を両立することができます。
日野市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 日野市のターゲット層は「30代・子育て世帯」
- 日野市の生活費を伝えて実際に住んだときのイメージを想像させる
ポイント・注意点1
日野市の総人口は2015年以降緩やかに増加し続けており、県外からの転入者数も増加。特に、転入する人は30代が多いため、将来を見据えて定住を検討する人が多いことも予測されます。
また、日野市で子育て支援制度に注力するなど、専業主婦世帯はもちろん共働き夫婦でも子育てしやすい街づくりを目指す取り組みも活性化しているため、子どもを持つ世帯の転入も将来的に増える可能性も高いです。
こうした日野市の流れを踏まえて、ターゲット層や販売価格など販売戦略を立てることがポイントです。ターゲット層に合わせて物件の魅力を伝えられるように準備しておきましょう。
ポイント・注意点2
近年は、場所を選ばず働けるリモートワークを取り入れる企業も増えているので、生活費を抑えられる地方移住への関心も高まっています。
特に、日野市は県外からの移住者も増えているため、物件売却においてリモートワーク普及の風潮はプラスに働くことは間違いありません。自宅でも働きやすい環境が手に入ることを伝えられると買い手側の売却意欲が刺激されるはずです。
また、リモートワークで働く人は、自宅だけでなく、カフェなどで環境を変えて働きたい人も少なくありません。物件周辺で、Wi-Fi環境があるカフェなども事前に調べておくと良いでしょう。
さらに、生活コストを抑えるために地方移住を考える人も少なくありません。都心の生活費と日野市での生活費のおおよその差額を伝えられると、実際に住んだときのイメージができて購入につながる可能性が高まります。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、日野市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 2019年7月に日野市がSDGs未来都市に選定されている
- 2013年から2018年まで日野市の地価は緩やかに上昇
- 不動産売却を成功させるには、地元に詳しく取引実績の多い不動産会社を見つけることが大事
新宿まで約30分で移動できるアクセスの良さで人気の高い日野市。総人口は緩やかに増加しており転入者数も順調に増えていることから、不動産売却に有利な状況が整っているといえます。
ただ、物件は売りに出せば簡単に売却できるものではないため、しっかり販売戦略を練ることが大切です。不動産売却を検討しているなら、まずは知識と経験豊富な不動産会社を探しましょう。
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※一括査定はあくまで査定額を出すのみで、実際に売れる価格とは違います。どこの不動産会社を利用したとしても、売り出し価格は売主様が決めるものなので、査定額で不動産会社を決めることに大きな意味はありません。