- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 茨木市では複数箇所で大規模再開発がおこなわれている
- 土地と中古マンションの取引価格は上昇、一戸建ては下落
- 茨木市は不動産取引件数が多くファミリー層にも人気のエリア
茨木市といえば、大阪府のベッドタウンというイメージを持つ人が多いでしょう。茨木市は、大阪府の北部にあります。大阪市と京都市の間に位置し、交通利便性と豊かな自然を兼ね備えた魅力あふれる街です。
土地の6割は樹林地や農地が広がっています。場所によっては採れたての野菜を売っている直売所や古民家カフェが立ち並び、昔懐かしいような環境で暮らすことも可能です。
一方では新駅であるJR総持寺駅も開設され、周辺では大規模再開発も進行中。住戸、公園、医療・福祉、学校などがすべて一体となった再開発により茨木市には新たな賑わいが生まれることが期待されています。
そんな茨木市における不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときのポイント・注意点までを紹介していきます。
茨木市のトピック
- 茨木市は6割以上が樹林地や農地の緑あふれる街
- 新設のJR総持寺駅周辺では大規模再開発が進行中
市全体の6割以上が樹林地や農地である茨木市ですが、再開発も進んでいます。2018年にはJR東海道本線のJR総持寺駅が新設されました。JR総持寺駅前には約18.5haの大規模複合再開発が進行中。
2021年には駅前に「イオンタウン茨木太田」が開業予定です。隣接する「茨木ICO CITY」は、総戸数475戸の住戸、大規模な公園、医療・福祉ゾーン、追手門学院大学の文京ゾーンが集結します。再開発による利便性の向上は、街の将来に対する期待値を上げていくことでしょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
茨木市の相場を知ろう
- 取引価格は土地と中古マンションは上昇、一戸建ては下落
- 茨木市の地価は微増で大阪府でも高い傾向
まずは茨木市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
茨木市の地価・不動産相場の推移
2019年の茨木市の地価は、1年前と比較して6.97%上昇しており、2019年現在は69万4,495円/㎡です。大阪市を除外したエリアと比較すると、茨木市は3番目に地価が高いエリアといえます。
2019年の土地と中古マンションの取引価格は上昇、一戸建ては下落しました。保有している不動産が土地か中古マンションの場合は、価格が上がっているうちに売却することをおすすめします。一戸建ての場合は、再度価格が上がるまで待つのもよいでしょう。
茨木市の売却動向や売却相場の動き
2019年の茨木市の土地・中古マンションの相場は、1年前から微増で、大きな変化はありません。一方、中古一戸建ては19%ほど価格が下がっています。土地の相場が最も高額なのは茨木駅周辺で、中古マンションの相場が最も高額なのは彩都西駅周辺でした。
茨木市の不動産取引件数をみてみると、土地・一戸建てが微減し、中古マンションは微増しました。茨木市の不動産取引件数は、全種別を合わせると微減ですが、大阪府72市区町村中10番目の数です。一定して不動産取引が活発なエリアと言えるでしょう。
今後はJR総持寺駅周辺の再開発などが予定されており、さらに注目されることが期待されます。
参考)茨木市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最寄り駅徒歩10分以内 | 2,200万円 | 3,700万円 | 3,600万円 | 3,500万円 | 2,850万円 | 2,100万円 | 1,800万円 |
最寄り駅徒歩10分以上 | 2,000万円 | 1,800万円 | 3,000万円 | 2,900万円 | – | 3,000万円 | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最寄り駅徒歩15分以内 | 3,100万円 | 3,300万円 | 2,650万円 | 3,700万円 | 4,600万円 | 3,550万円 | 5,000万円 |
最寄り駅徒歩15分以上 | 1,800万円 | 2,300万円 | 3,300万円 | 3,150万円 | 3,400万円 | 3,250万円 | 4,100万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 阪急茨木市駅西口は30年におよぶ再開発がおこなわれる予定
- 今後も茨木駅周辺の不動産取引は活発になると考えられる
茨木市にある阪急茨木市駅西口では、大規模な再開発が計画されています。約30年をかけて、10年ごとに再開発を進めていく計画です。
10年後には西口を整備し、東口には医療機関を導入。20年後には、東口を再整備し、交通広場機能の拡充や、中央大通の一方通行化に取り組みます。完成となる30年後には、すべての交通広場機能を駅の東口に集約し、駅の西口は歩行者の空間にする予定です。
長期間にわたる再開発が予定されている阪急茨木市駅周辺は、2019年時点で146もの不動産取引がされており、これは茨木市で最も多い数です。阪急茨木駅周辺は今後も成長が期待される街であり、不動産取引も活発になるでしょう。
【売却のコツ】茨木市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 茨木市は電車も車もアクセスしやすい環境
- なかでも茨木駅は大型商業施設がありファミリーに人気
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売却するときには、地域特性に合った販売戦略が必要です。販売戦略とは、例えば、どんなターゲットに、どんな手段(ポータルサイト、チラシに掲載するなど)で、どんな文言で物件の魅力を伝えて購入してもらうかを考えることです。
販売戦略は、仲介を依頼する不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、地域特性や不動産の他にはない魅力をアピールするために、売主も一緒に考えることをおすすめします。
どんなに住み慣れた地域であっても、街は日々変化しています。そのため、地域特性は改めて知っておく必要があるでしょう。これが、早く・高く不動産を売却するための近道です。
特に茨木市の場合、再開発が進んでいたり、新駅が誕生したりと将来性が期待できる人気エリアなので、不動産を売るのも競争になると考えられます。所有の不動産を購入してもらうためにも、地域特性から販売戦略を練りましょう。
絶対的な答えはありません。詳しくは地元に詳しいプロである不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
茨木市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
江戸時代、茨木市はキリスト教禁止の時期に密かにキリスト教を信仰してい「隠れキリシタン」が集まっていました。今でも、茨木市の北部山間部に「隠れキリシタンの里」が残されています。
茨木市は大阪府の三島地域に位置しており、特例市に指定された市です。そのため、教育・交通・街づくりなどに力を入れていることも魅力といえるでしょう。市内には多数の大学があり、文教地区としても人気です。
また、茨木市には4路線(JR東海道本線、阪急京都本線、大阪高速鉄道大阪モノレール線、大阪高速鉄道大阪モノレール彩都線)が乗り入れており、都心部へのアクセスも良好です。
JR茨木駅から新大阪駅までは約10分で、新幹線を使うビジネスパーソンにも便利な駅です。京都方面へもアクセスが良く、JR茨木駅から京都駅までは直通で約22分なので、出勤だけでなく週末のお出かけにも便利な環境といえるでしょう。
ほかにも、茨木市内には名阪高速道路茨木インターチェンジがあります。近畿自動車道、中国自動車道などへのアクセスもスムーズにおこなえるだけでなく、京都・神戸にも行きやすく、自動車ユーザーも満足できる環境と考えてよいでしょう。
茨木市の人口推移
茨木市の人口は、2019年には28万2,824人です。2014年から2018年まで年々人口は増加しており、2018年で高止まりしました。2014年と比較すると、3,556人増加しています。年々人口が増えていることから、住宅需要も増えていると考えられます。
参照:大阪府HP
茨木市で人気のエリアは?
ファミリー層にとって、買い物環境が充実していて、交通利便性がよい街は人気です。茨木市では、「イオンモール茨木」のある茨木駅周辺は需要が高めです。
茨木駅から徒歩7分に位置する「イオンモール茨木」は、4階建ての大型商業施設。アパレルショップや雑貨店、専門店だけでなく、子どもも一緒に楽しめるフードコートや映画館「イオンシネマ茨木」も入っています。
JR東海道本線が乗り入れている茨木駅は、大阪駅まで約14分、新大阪駅までは約9分、京都駅までは約22分という好アクセス。車を持たなくてもさまざまな方面への移動がスムーズな茨木駅は、ファミリー層だけでなく幅広い層からのニーズが見込めます。
参照:茨木三昧!
茨木市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 茨木市で取引されている不動産は駅近物件が多い傾向
- 茨木市は農地や水辺など豊かな環境も魅力の街
ポイント・注意点1
茨木市で取引されている不動産は、比較的駅から近い物件が多い傾向があります。最寄り駅からの平均徒歩分数は、土地は13.0分、一戸建ては14.4分、中古マンションは9.1分です。
また、平均面積も土地は222.8㎡、一戸建ては150.4㎡、中古マンションは70.6㎡と、大阪市内よりも広い傾向があります。
緑が豊かで教育環境が良いことから、ファミリー層が多いため、コンパクトサイズよりも広い物件のほうがニーズがあるのです。反対に、コンパクトサイズの物件や駅から遠い物件は、売却価格などでアドバンテージをつける必要があるでしょう。
ポイント・注意点2
茨木市で取引されている不動産は、比較的駅から近い物件が多い傾向がありますが、駅から遠い物件にもメリットは多くあります。茨木市にある「元茨木川緑地」は、「大阪府緑の百選」にも選ばれる水辺の名所です。
全長5㎞にもおよぶ緑地帯では、春には市民さくらまつりが開催される豊かな自然のスポットとして知られています。茨木市北部には緑豊かな田園風景が広がり、自然の中で暮らしたいという方から一定の人気がある街だと考えられます。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、茨木市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 茨木市ではJR総持寺駅などで大規模再開発がおこなわれている
- 不動産取引価格は、土地・中古マンションは上昇、一戸建ては下落傾向
- 茨木市はファミリータイプ・駅近物件が多い傾向
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社の協力が必要不可欠です。茨木市での不動産売却をお考えの方は、市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。