- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 左京区は歴史文化財だけでなく豊かな自然や文教地区としての魅力もある
- 不動産相場は土地は下落、中古マンションは微減、一戸建ては上昇
- 京都市では建築をおこなう際の景観上のルールが細かく定めてある
京都府京都市左京区といえば、銀閣寺や下鴨神社など、世界遺産に登録された重要文化財がある歴史情緒溢れる街です。京都府京都市左京区には、京都大学をはじめとする多数の大学がある文教エリアとしての一面や、京都府下で最も標高が高い皆子山などの豊かな自然という一面もあります。
人気エリアだけに、不動産取引も活発で、2019年における不動産取引件数は、京都市11区内3番目でした。世帯数もわずかに上昇しており、歴史ある街を守りつつ発展していくことが期待できるでしょう。
そんな京都府京都市左京区エリアにおける不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときのおすすめの方法までをご紹介していきます。
京都府京都市左京区のトピック
- 京都府京都市左京区は、「SUUMO 住みたい街ランキング2020 関西」において京都市内で第3位にラインクインした人気の街
- 左京区は歴史文化財だけでなく豊かな自然や文教地区としての魅力もある
京都府京都市左京区は、「SUUMO 住みたい街ランキング2020 関西」(株式会社リクルートカンパニー調べ)おいて、22位にランクインしました。京都市でランクに入ったのは、京都市中京区と北区、そして左京市のみです。京都府京都市左京区の不動産における人気ぶりがわかります。
京都府京都市左京区の魅力は、歴史文化財が多いことはもちろん、豊かな自然があること、文教地区としても名高いことが挙げられるでしょう。京都市の北東部に位置する左京区。街としてさまざまな顔を持ち、都市市街地として人気の南部・市街地と農村部が混じり合う閑静な住宅街である中部・農村地である北部に分かれます。南部の市街地にあるのは、名門・京都大学です。
周辺エリアは交通利便性もよく、学生だけでなくビジネスパーソンからも人気があります。中部の住宅街では、京都造形大学がある一条駅駅周辺の2019年における不動産取引件数が1年前と比較すると倍以上増加しました。駅から近い物件が取引されている傾向があり、投資目的やビジネス需要で取引されている可能性も考えられます。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買をおこなうためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
京都府京都市左京区の相場を知ろう
- 2019年における京都市左京区の地価は1年間で下落した
- 中古マンションは微減、一戸建ての取引相場は上昇した
まずは京都府京都市左京区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
京都府京都市左京区の地価・不動産相場推移
京都府京都市左京区の地価は、1年前と比較して-13.4%下落しており、2019年現在は255,720円/㎡です。京都市全体と比較すると、左京区の地価は11区中6番目で、ほぼ真ん中くらいの値といえます。
京都府京都市左京区2018年1月~2019年12月までの地価を見てみると、土地は下落、中古マンションは微減、一戸建ては上昇となりました。保有している不動産が土地か中古マンションの場合は、再度上がるタイミングを待つか、逆に早めに売却することをおすすめします。一戸建ては大幅に上昇しているので、早めに売却することも検討してよいでしょう。
京都府京都市左京区の売却動向や売却相場の動き
京都府京都市左京区2018年1月~2019年12月までの不動産平均総取引額を見てみると、土地は-21.6%と大幅下落し、中古マンションは-7.1%と微減、一戸建ては+24.8%と大幅に上昇しました。
不動産取引件数は、京都府京都市左京区全体で見ると、合計350件から335件とほぼ横ばいの傾向が見られます。取引件数が増えたのは、一乗寺駅(+14件)、松ヶ崎駅(+8件)などで、反対に減少したのは国際会館駅(-10件)、八幡前駅(-8件)などです。2019年の1年間で左京区内で最も取引件数が多かったのは、出町柳(63件)で、人気の市街地エリアがトップになりました。
参考)京都府京都市左京区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 3,400万円 | 3,500万円 |
75㎡ | 4,900万円 | 5,200万円 |
80㎡ | 5,200万円 | – |
85㎡ | 6,400万円 | – |
90㎡ | 5,900万円 | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 2,700万円 | – |
85㎡ | 2,900万円 | 3,950万円 |
90㎡ | 3,300万円 | 1,600万円 |
95㎡ | 3,750万円 | 4,000万円 |
100㎡ | 4,750万円 | 3,450万円 |
105㎡ | 4,400万円 | 1,500万円 |
110㎡ | 6,300万円 | 4,500万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 「松ヶ崎駅」近くに総戸数109戸の新築分譲マンションが建築中
- 厳しい京都の建築規制の中でおこなわれる開発に注目が集まっている
- 新築分譲マンションからの検討者流入の可能性が考えられる
建築規制が厳しく、大規模な再開発はおこなわれにくい京都市。そのようななか、京都府京都市左京区の京都市営地下鉄烏丸線の松ヶ崎駅と叡山電鉄叡山本線の修学院駅の間に、総戸数109戸の新築分譲マンション「Brillia(ブリリア)京都松ヶ崎」が建築されています。完成は2021年12月予定です。
市街地は学生や外国人観光客で混雑することも多いのですが、松ヶ崎エリア周辺は閑静な住宅街。一方で、この地は景観や自然を守るために定められた地域、風致地区に指定されていることから、さまざまな建築の制限の中おこなわれる開発ということで注目を集めています。厳しい制限の中で建てられるため、周囲の環境と調和する低層マンションで、京都府京都市左京区にとって新たなチャレンジとなるでしょう。
松ヶ崎駅周辺の2019年における不動産取引総額の平均を見てみると、土地は約7,036万円、一戸建ては6,053万円、中古マンションは5,080万円でした。今後は、新築分譲マンションを検討した人が流入してくる可能性が考えられるでしょう。
【売却のコツ】京都府京都市左京区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 京都市左京区は歴史的文化財が多く残っている
- 京都市左京区の人口は微減、世帯数は増加傾向
- ファミリーに人気なのは神宮丸太町
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売るときには、地域特性に合った販売戦略が必要です。その戦略を立てる際には、不動産会社にすべて任せるのではなく、売主も一緒に考えることをおすすめします。なぜならば、実際に所有していた売主であるあなたは、他にない不動産の魅力や地域特性をよく知っている可能性が高いからです。
不動産がある地域の特性に関する知見は、購入ターゲットを探し出したり、どんな手段(ポータル、チラシ、文言、特徴など)で伝えていったりするのかに繋がります。しかし、街は日々変化していくため、たとえ長く住み慣れた地域であっても、地域特性は改めて知っておく必要があるでしょう。
京都市左京区は、歴史的文化遺産が多く風情あふれる街並みが人気です。多くの不動産が流通しているため、不動産を売る環境は競争的であるとも考えられます。他の魅力的な不動産よりも優位に立ち、購入してもらうためにも、販売戦略は重要です。
地域の特徴から、購入したい人はどんな人か考えてみましょう。ただし、絶対的な答えはありません。詳しくは地元に詳しいプロである不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
京都府京都市左京区の歴史・人口の推移や人気エリア
街の歴史と魅力
京都府京都市左京区は、1889年に市制が執行され、以降周囲の地区を編入・分区を繰り返し、1957年に現在の左京区の区域になりました。京都府京都市左京区には、歴史的文化財が多く残されています。中でも代表的なのは、銀閣寺(慈照寺)。正式名称は東山慈照寺ですが、江戸時代に金閣寺に対して銀閣寺と呼ばれるようになったといわれています。
室町幕府八代将軍の足利義政は、わずか15歳で将軍職を継承しました。義政は非常に美意識が高く、自らの生涯をかけて東山文化の真髄たる一大山荘を作り上げます。これが銀閣寺です。その周辺にある大文字山と呼ばれる如意ヶ岳は、お盆の夜におこなわれる送り火で知られています。
戦災を逃れたこともあり、左京区には他にも、京都府京都市左京区城や大名庭園である兼六園など歴史的な建造物が多数残っているのです。
京都府京都市左京区の人口推移
京都府京都市左京区の人口は、2015年には168,266人、 前回調査のあった5年前では168,802人で、 比較すると+536人となっています。 これは、京都市の中では1区中、伏見区・右京区に続いて3番目です。 また、人口比では-0.3%とわずかに減少しています。これは19市区町村中、6番目です。
同様に、世帯数は83,423世帯で、 前回調査のあった5年前の82,067世帯と比較すると、+1,356世帯で、1.7%増加しています。 人口はほぼ横ばいで、世帯数が増えていることから、京都府京都市左京区は住宅需要も増加しているといえるでしょう。
参照:京都市統計ポータル
京都府京都市左京区で人気のエリアは?
ファミリー層には、子育てや通勤がしやすく、落ち着いた暮らしができる地域が人気。京都府京都市左京区における人気エリアの1つは、神宮丸太町です。
神宮丸太町は、左京区の南部にあり、駅は京阪本線の神宮丸太町駅が利用できます。近くに大学があり、市街地であるとから繁華街も近くですが、落ち着いた雰囲気の住宅街が魅力です。京都大学が近いことからか、書店やおしゃれな飲食店も充実しています。鴨川沿いをお散歩する人の姿も多く見られ、のんびりと落ち着いた暮らしができます。
京都府京都市左京区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 京都市は建築をおこなう際の景観上のルールが細かく定めてある
- エリア特性や独自ルールを熟知した不動産会社に依頼をする
ポイント・注意点
京都市内で不動産を売却する時には、京都市独特の建築ルールを知っておく必要があります。京都市は、豊かな自然や歴史と調和した景観を守って未来に繋いでいくために、都市計画や条例で、建築をおこなう際の景観上の決まりなどを細かく定めているのです。
このルールは、京都市で決められているものと、エリアごとに追加で決められているものがあり、内容は異なります。例えば、左京区の中部に位置する下鴨下川原町は、建築協定区域内の建築物のうち、共同住宅および寄宿舎については、2階以下でなくてはいけません。
また、建築物の高さが地盤面から7.5m以内でなくてはいけないという決まりがあります。この場合、3階以上のマンションを建てようとしている人はターゲットにはなりません。また、銀閣寺がある銀閣寺前町の場合、協定区域内の建築物は一戸建てでなくてはいけないなど、外観にも規制があります。建築物の外観は東山文化の発祥地としてふさわしい洗練された繊細なものとし、周辺の景観と調和するようにしなければいけません。
エリアごとの建築ルールを把握していないと、誤ったターゲットを集客してしまったり、トラブルに発展したりする可能性があります。京都府京都市左京区のエリア特性や独自の規則を熟知した不動産会社に依頼をするのがおすすめです。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、京都府京都市左京区での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 左京区は歴史文化財だけでなく豊かな自然や文教地区としての魅力もある
- 左京区の不動産相場は土地は下落、中古マンションは微減、一戸建ては上昇
- 京都市は建築をおこなう際の景観上のルールが細かく定めてある
- 左京区のエリア特性や独自ルールを熟知した不動産会社に依頼をする
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。京都府京都市左京区での不動産売却をお考えの方は、京都府京都市左京区の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。