- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 横浜市磯子区は地価が低めで、居住地として人気がある
- 観光施設、ショッピング施設が充実していて、ファミリー層が住みやすい
- 地価は上昇傾向にある
横浜市磯子区といえば、神奈川最大の都市横浜市の中心部に近く、東京へ乗り換えなしで行ける魅力的な立地です。横浜市で多くの区(中区、南区、金沢区、港南区、栄区)に面していながら、海に面している土地も多く、都市部でありながら、自然あふれる立地が魅力です。
磯子区には「はまぎん こども宇宙科学館」や「横浜市電保存館」など子どもが楽しめる施設や、ショッピング施設なども充実しているためファミリー層にも人気。また、全国でも地価が高い神奈川県の中心地である横浜市に位置しているものの、比較的地価が低く住みやすいのも魅力です。
ただし、最近は地価の上昇が始まっています。東京や横浜市内へのアクセスの良さから、今後も地価が上昇し続ける可能性も。そんな横浜市磯子区における不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときのおすすめの方法までを紹介していきます。
横浜市磯子区のトピック

- 2019年に横浜都市計画マスタープランが策定
- 「根岸駅」「新杉田駅」周辺の地価動向に注目
- 2020年の磯子区平均の地価は、前年よりわずかに上昇
横浜市磯子区では、横浜都市計画マスタープラン磯子プラン「磯子区まちづくり方針」を2019年に策定。これから約20年間での街づくりの方向性について定めたもので、磯子区の地理的な特徴である海や川、山の緑を未来へ継承する『水と緑に抱かれた 人にやさしい快適なまち』を目標にしています。
水と緑の拠点として掘割川河口、新杉田臨海部などの海に面した地域・円海山周辺の山に面した地域、生活拠点として根岸駅・磯子駅・新杉田駅周辺などを挙げています。中でも堀割川と根岸駅、新杉田臨海部と新杉田駅は隣接していることから、注目度が高くなるでしょう。
不動産売却の流れを把握しましょう

まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
横浜市磯子区の相場を知ろう

- 2020年の横浜市磯子区の地価はやや上昇
- 神奈川県平均よりも、地価は低め
- マンション、一戸建て、土地ともに取引数が減少している
まずは横浜市磯子区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
横浜市磯子区の地価・不動産相場の推移
横浜市磯子区の住宅地の地価は、2020年時点では、18万6,800円/㎡。そこから5年前にあたる2015年は18万5,200円/㎡だったので、比較すると約1.0%と小幅ながら上昇しています。しかし、神奈川県全体の平均値よりは地価は低めです。
2019年下半期(7月~12月)時点の不動産価格を、上半期(1月~6月)と比較すると、横浜市磯子区では土地の価格は上昇しました。一方、同じように一戸建てとマンションの売却価格を下半期と上半期で比較すると、一戸建ては上昇、マンションは下落傾向です。
ただし、一戸建てでも下半期に売却された物件の平均専有面積が広い傾向があるので、その影響で平均売却価格が上がった可能性も考えられます。
このことから、保有している不動産が一戸建ての場合は専有面積と売却価格の動向の確認は必須です。また、マンションの場合は、再度上がるタイミングを待つか、逆に早めに売却するなどの戦略を取りましょう。
横浜市磯子区の売却動向や売却相場の動き
横浜市磯子区の不動産の売却数を2018年と2019年で比較してみると、マンション、一戸建て、土地ともに減少傾向。特にマンションの売却が減少幅が大きい結果となっています。戸建ては前年と同様に専有面積にかかわらず取引数が安定しており、一戸建ての売却が成立しやすいと言えるでしょう。
不動産の売却相場の動きを2018年と2019年で比較すると、マンションは専有面積85㎡以下で相場が上昇、一戸建てはほぼ全ての専有面積で相場が下落しています。また、駅から近い物件に限らず相場が上昇、下落していることで、駅以外の交通手段としてマイカーやバスを使用することを前提としている購入者が多い可能性も。
横浜市磯子区は高齢化が進んでいることから、移動が便利な地域への居住が注目されています。このことから、今後は駅から近い物件の需要が高まると言えるでしょう。
参考)横浜市磯子区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 3,200万円 | 2,300万円 |
75㎡ | 3,300万円 | – |
80㎡ | 3,700万円 | 3,100万円 |
85㎡ | – | 3,150万円 |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | 2,000万円 |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,100万円 | 2,500万円 |
85㎡ | 3,200万円 | 2,600万円 |
90㎡ | 3,000万円 | 3,150万円 |
95㎡ | 4,000万円 | 3,500万円 |
100㎡ | 4,350万円 | 3,400万円 |
105㎡ | 4,400万円 | 4,700万円 |
110㎡ | 3,550万円 | 3,000万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事

- 2030年、横浜市営地下鉄「あざみ野~新百合ヶ丘」が開通
- 根岸、磯子駅周辺の地価が安定している傾向
横浜市営地下鉄は「あざみ野~新百合ヶ丘」区間を延伸し、2030年には開通予定です。この「あざみ野駅」は横浜市青葉区、「新百合ヶ丘駅」は川崎市麻生区に位置していて、横浜市への交通の利便性が高まることが期待されます。
川崎市は神奈川県で一番地価が高い地域なので、地価が比較的安い横浜市内に住みたいと考える人が増える可能性も。磯子区に隣接する中区の、横浜市営地下鉄「上大岡駅」では、磯子区方面のへの乗り換えができるため、現在比較的地価の安い磯子区内の駅周辺で不動産を購入する人が増えるのではないでしょうか。
横浜市磯子区では、根岸、磯子駅周辺の地価が安定している傾向ですが、この横浜市営地下鉄延伸や、先述の「横浜都市計画マスタープラン」で、新たに注目される街が生まれ、地価が変動する可能性があります。情報を集めて、不動産価格の上昇の予測を立て、早めに売却戦略を練っておくことが重要です。
【売却のコツ】横浜市磯子区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう

- 購買者のニーズに合わせた販売戦略が販売価格を上げるコツ
- 海に面していて、自然が多く、ファミリー層にからの需要が高い
- 人口は減少傾向にあるが、世帯数は増加している
地域特性を知るメリットとは?
不動産を高く売るときに、地域特性を知っておくことはメリットとなります。不動産会社にまかせておくだけではなく、自分でリサーチをして戦略を練っておくことが、不動産の売却価格を上げることにつながるといっても過言ではありません。
不動産会社も不動産を売る専門家としてのノウハウはありますが、その売却戦略の方向性が合っているかを売主として確認できることが大切です。
たとえば、売却したい不動産を買いたいと考える購入者はどんな層なのか、その層に届ける手段としてはどんな広告方法があるかなど、自分で戦略をもって不動産会社へ提案できるくらいのリサーチをしておくと良いでしょう。
不動産会社の担当者だけでなく、売り主自ら、魅力的なキャッチコピーをつくったり、写真を撮影したり、アピールポイントを考えたりして、不動産会社の担当者と協力して、売却活動を行うことでより高く売れやすくなるのです。また、視野を広く持ち複数の不動産会社に見積もりを取るなど、常にアンテナを張っておくことも重要です。
地域特性を知り、取引情報を集めることで、不動産が高く売れる確率が上がるというメリットがあります。もちろん、戦略をもとに担当の不動産会社に客観的な意見をもらうことで、戦略の精度が上がるため、主体性のある戦略を考えながらも、不動産会社に相談の上での不動産の売却をしていきましょう。
横浜市磯子区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
横浜市磯子区は、1927年に横浜市の区制施行により誕生した横浜市で最も古い区の一つです。同時に、鶴見区、神奈川区、中区、保土ケ谷区が誕生しました。2017年には磯子区制90周年を迎えるなど歴史は深く、同じ横浜市内の青葉区、都筑区が1994年に誕生しているので、その歴史には約67年もの差があります。
1948年には磯子区の一部が分区し、金沢区が独立。1991年に人口のピークは迎えたものの、微減が続いていて大幅な人口減少がない区です。
現在の横浜市磯子区には、観光施設として「はまぎん こども宇宙科学館」や「横浜市電保存館」などがあります。また、海に面している立地や、東京などの都市部への通勤しやすさなどから、子育て世代のファミリー層にも魅力の多い地域と言えるでしょう。
また、磯子区は横浜市内へ通勤している人が最も多い区で、2015年の調査では、磯子区から横浜市内に通勤・通学する人の割合は、65.8%と非常に高い結果となっています。このことから、横浜市内のベットタウンとしての需要があるとも考えられるのです。
横浜市磯子区の人口推移
横浜市磯子区の2020年8月時点の人口は16万6,498人で、2019年8月より66人減少。磯子区は、毎年わずかに減少傾向にありますが、今のところ大きな減少がない区です。横浜市の18区の中で、磯子区は13番目に人口が多い地域なので、横浜市内の区の中では人口は多くありません。
世帯数は増加傾向で、2020年は7万7,664世帯。2019年の世帯数は7万7,007世帯だったので、657世帯増加しました。人口が減少していて、世帯数が増加しているため、世帯人数の減少が深刻です。減少割合も、社会減(転出)よりも自然減(死亡)の減少幅が大きく、高齢化が進んでいます地域であると言えます。
横浜市磯子区で人気のエリアは?
横浜市磯子区では根岸・磯子駅周辺が人気です。特に根岸は、隣接する中区と近いため、中区方面への通勤通学の利便性が良いことが人気の理由だと考えられます。
また、次いで「新杉田駅」周辺も地価が上昇傾向です。この「根岸」「磯子駅」「新杉田駅」の共通点は、先述の「横浜都市計画マスタープラン」の生活拠点として設定されている点にあります。このことから、今後も需要は高まっていく可能性があります。
特に子育て世代のファミリー層にとって、臨海部の自然あふれる土地柄は注目に値するはずです。また不動産の売却動向からも、駅からの距離にかかわらずマイカーやバスでの移動の利便性があれば、売却のチャンスがあります。
横浜市磯子区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点

- 2021年オリンピックによる都市部のマンション価格上昇の影響
- 横浜市のマンション開発規制による中古マンション市場の活発化
ポイント・注意点1
横浜市磯子区の住宅も、2021年の東京オリンピックの影響を受けることが考えられます。施設を建設するために人件費や建設費用が高騰し、その影響で、都心のマンションの値段が上昇傾向にあります。
横浜市は都心に近く、新築マンションの人気が高いことから、影響を受けやすい地域だと考えられます。新築マンションの価格が上がると、中古マンションの価格が上がり、さらには土地や一戸建ての価格にも影響を与えるという予測も。2021年の東京オリンピック前後の不動産動向をこまめに確認し、後悔のない不動産売却をおこないましょう。
ポイント・注意点2
横浜市では、新築マンションの人気は高いものの、中古マンションの市場が活発という特徴があります。その理由は、横浜市のマンション開発の規制です。
横浜市では、事業者の計画が具体化する前に「土地利用総合調整会議」を開くことで、地域への影響や問題を調整しています。特に大規模なマンションができることで、子どもが増えて保育園や学校などへの影響が懸念されるなどの問題を未然に防いでいます。
このように、横浜市内での中古マンション市場の取引数が安定しているのには理由があります。その理由を理解した上で、所有している不動産の立地エリアの動向を注視して、不動産売却を進めるようにしましょう。
まとめ

本記事では、不動産売却の基本的な流れと、横浜市磯子区での不動産売却に役立つ相場情報や街の魅力や人気エリア、地価推移や今後の不動産売却のポイントについて紹介しました。
- 横浜市磯子区は地価が低めで、居住地として人気のエリア
- 観光施設、ショッピング施設が充実していて、ファミリー層が住みやすい
- 地価は上昇傾向にある
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産をより高く売るためには、事前に自分でリサーチすることが大切です。そのエリアでは、どんなニーズがあり、どんな購入者がいるのかを自分でも確認してみましょう。さらに、地域特性や相場を把握しておく必要があるのですが、その部分では不動産会社のサポートを受けることをおすすめします。
横浜市磯子区で不動産売却をお考えの方は、信頼できる不動産会社へ依頼できるように、まずは該当エリアに強い不動産会社を探しましょう。
いい不動産では、地元で評価の高い不動産会社1社のみをご紹介しております。一括査定サイトのように、複数の不動産会社から営業の電話が来ることはありません。
※一括査定はあくまで査定額を出すのみで、実際に売れる価格とは違います。どこの不動産会社を利用したとしても、売り出し価格は売主様が決めるものなので、査定額で不動産会社を決めることに大きな意味はありません。