- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 川崎市幸区は生活している住民の満足度が高い
- 人口はピークを迎えているが、社会増が多く引き続き住宅ニーズに期待
- 川崎駅や新川崎駅周辺で開発計画が進んでおり、周辺エリアの地価上昇に期待
川崎市幸区は川崎市の中央部に位置しており、人口や面積は市内で最も小さい区ですが、人口密度は中原区に次いで2番目に高い地域です。かつては工場が集積していましたが、工場移転によって工場跡地に大規模なマンションが建設されました。
人口が増加している住宅地で、住民の定住意向が川崎市内で最も高く、住民の満足度が高い区です。人口・世帯数はほぼ横ばいながら、社会増が多いため今後も引き続き住宅ニーズが見込めます。今回は川崎市幸区の不動産事情や地域特性、不動産を売却するための方法について解説していきましょう。
川崎市幸区の近年の変化

- 川崎市幸区の相場は神奈川県平均6割ほど高い水準で推移
- マンションがほぼ流通しておらず、戸建と土地の流通が活発
2020年の川崎市幸区における平均公示価格は31.51万円/㎡で、神奈川県平均の19.15万円/㎡より6割ほど高い水準で推移しています。川崎市幸区の相場変化は上昇傾向で、2014年以降は毎年2%前後の割合で相場が上昇している状況です。
川崎市幸区はマンションが戸建より2倍ほど多く流通しています。売却にあたってはエリアや物件ごとに地域特性や相場を把握しておきましょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
川崎市幸区の相場を知ろう

- 川崎市幸区の平均公示価格は31.51万円/㎡で約8%の上昇
- 坪単価は神奈川県の平均相場と比べて6割ほど高い
- 人気エリアはJR東海道本線の川崎駅周辺やJR横須賀線の新川崎駅周辺
まずは川崎市幸区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
川崎市幸区の地価・不動産相場の推移
川崎市幸区の公示価格は、2020年と2019年で比べると2.3%低くなっています。2020年時点では31.51万円/㎡です。そこから5年前にあたる2015年と比較すると、8%高くなっています。神奈川県平均の19.15万円/㎡と比較すると、地価は6割ほど高いエリアといえるでしょう。
川崎市幸区はバブル崩壊以降の相場下落が2013年に止まり、少しずつ相場が上昇してきました。神奈川県の相場も2013年より上昇傾向なので、連動して川崎市幸区の相場も上昇していくことが期待されます。
一方で、 駅から徒歩10分未満の、比較的駅から近い物件も上昇傾向。2020年の取引価格を確認をすると、川崎市幸区の中で土地相場が最も高かった場所は幸町の坪単価 440万(130万円/㎡)でした。一方、土地相場が最も低かった場所は中幸町の坪単価28万円(8.5万円/㎡)です。
川崎市幸区の売却動向や売却相場の動き
川崎市幸区の売却動向は、マンションが戸建の2倍ほど多く流通しているのが特徴です。マンションの売却動向は、築年数20年以上の物件が全体の4割程度を占めますが、築5年〜10年、築10年〜15年、築15年〜20年の物件も2割ずつを占めています。専有面積67㎡の2DK〜2LDKの物件が中心です。
一方、戸建の売却動向は築年数5年以内の物件が流通数の半数を占め、その次に築20年以上の物件が多く流通しており、築浅の物件が多く流通しているのが特徴でしょう。川崎市幸区の人気エリアはJR東海道本線の川崎駅周辺やJR横須賀線の新川崎駅周辺のエリアです。
参考)川崎市幸区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 4,850万円 | 3,800万円 |
75㎡ | 5,600万円 | – |
80㎡ | 4,400万円 | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 4,600万円 | – |
85㎡ | 1,600万円 | 2,000万円 |
90㎡ | 5,200万円 | – |
95㎡ | – | 4,100万円 |
100㎡ | 5,600万円 | 5,300万円 |
105㎡ | – | – |
110㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事

- 川崎駅西口に大規模複合施設「KAWASAKI DELTA(カワサキデルタ)」が完成。2021年に全館オープン予定
- 新川崎駅周辺で開発が進み、街の様相が一変している
JR東日本が「川崎駅西口大宮町地区計画」に基づいて進めている大規模複合施設を建設。街区を「KAWASAKI DELTA(カワサキデルタ)」と名付け、2021年4月に全体完成を予定しています。
KAWASAKI DELTAには29階建の「JR 川崎タワー オフィス棟・商業棟」と16階建ての「ホテルメトロポリタン 川崎」が建設され、ホテルメトロポリタン川崎は2020年5月から先行営業をスタートしました。
街区全体が完成すると1万人規模の新たなビジネス拠点が誕生するため、KAWASAKI DELTAの完成による地価上昇たけでなく、新たな人の流れが創出されることで周辺地域への新規出店や人口増加による波及効果も期待できます。
また、JR横須賀線新川崎駅に隣接する一帯は東洋一の規模を誇った新鶴見操車場の跡地でしたが、約42ヘクタールが遊休地のまま20年以上活用されていませんでした。しかし土地を所有していた独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構による土地の売却が決定したことから、操車場跡地の土地利用がスタート。
周辺には企業の生産・研究開発機能が多く立地しており、この都市機能を活かした地域づくりを進めるための再開発計画が進んでいます。
現在、新川崎駅周辺は「新川崎開発地区」として学校建設や大学の誘致、マンション建設や大型商業施設のオープンなど、新たな街づくりが急速に進展しています。今後も大規模な開発が進むため、このエリアの地価上昇が期待できるでしょう。
【売却のコツ】川崎市幸区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう

- 人口・面積は小さいものの、住みやすい街として住民から高評価
- 川崎駅や新川崎駅前で大規模な開発が進んでいる
- 人気エリアはJR東海道本線の川崎駅周辺とJR南武線の鹿島田駅周辺に集中
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際は、地域の事情に詳しい不動産会社の専門家に任せたいという人も多いでしょう。売却を成功させるためには任せきりにせず、自分も一緒に考えることが大切です。
不動産はただ待っているだけで売れるものではありません。買い手になりそうな人の特徴を分析し、どのような手段を講じれば高く買ってもらえるかなど、不動産会社とともに戦略を立てることが重要です。地域特性を把握しながらそれに基づいた戦略を立てることが、より早く、高い価格での売却を成功させるポイントになります。
川崎市幸区は川崎市の中で最も人口と面積が小さいものの、住民の定住意向は川崎市内で最も高く、76%の住人が「これからも住み続けたい」と考えている住みやすい街です。
川崎市幸区で不動産の購入を検討している人に自分の物件を選んでもらうためにも、物件を魅力的に見せる販売戦略が欠かせません。まずは地元に詳しく不動産売買の専門家である、不動産会社のスタッフと相談して考えることをおすすめします。
川崎市幸区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
幸区は川崎市の中央に位置し、北部は多摩川を挟んで東京都大田区と隣接しており、南部は横浜市と隣接しています。明治天皇が区内に御幸したことに由来し、1972年の政令指定都市に移行する際に「幸区」と名づけられました。
面積は10㎢で川崎市最小。多摩川・鶴見川・矢上川に挟まれた平坦な地形で区内のほぼ全域が市街地ですが、区の南西部にある加瀬山を頂点とする一帯は多摩丘陵の南端にある丘陵地です。幸区内にはJR東海道本線・横須賀線・南武線が乗り入れており、また区の中心部を国道1号線が縦断しています。
幸区は旧石器時代の古墳や貝塚が出土しており、2000年近くもの間、人が住んでいる地域です。明治時代から大正時代にかけて工場の建設が進み、食品メーカーや製鉄会社、機械メーカーなどが工場を構える工業地区として成長していきました。
高度経済成長期に企業が次々と郊外や海外に工場を移転すると、工場跡地には大規模な住宅団地や商業施設が建設され、今日の住宅地としての幸区の形が作られてきました。
幸区内では時代の流れとともに各地で再開発が進み住宅地だけではなく、ビジネス拠点や研究開発拠点として成長すべく、川崎駅前と新川崎駅前で大規模な開発計画が進んでいます。幸区は、今後も時代の流れに合わせた都市の変化を期待される街です。
川崎市幸区の人口推移
幸区の人口は2010年に154,212人、2015年は160,890人、2020年には171,373人(2020年7月末日現在)と人口も世帯数も順調に増加しており、今後も住宅ニーズの増加が期待できます。
川崎市幸区で人気のエリアは?
川崎市幸区内にはJR東海道本線・JR横須賀線・JR南武線が乗り入れており、人気のエリアはJR東海道本線の川崎駅やJR南武線の鹿島田駅周辺に集中しています。土地の売買では新川崎駅周辺も人気が高いため、今後は新川崎駅周辺にある物件の売買が活発になる可能性があるでしょう。
川崎市幸区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点

- 区内各地で開発事業が進んでおり、周辺の地価上昇が期待できる
- 住民の満足度が高いポイントをセールスポイントにしていく
ポイント・注意点1
幸区は区域が狭いものの、エリアによって地価の変動が大きいのが特徴です。不動産の売却を進めるためには、売却予定の不動産の相場把握や、適切な売り出し価格の設定が成否を左右します。相場よりも価格が高すぎて売れない場合や、相場より安すぎてかえって損をしてしまう可能性があるため、売り出し価格の設定には注意が必要です。
川崎駅や新川崎駅周辺で開発事業が進んでおり、これらの地域の不動産は人気を集め、高い価格で売買されています。開発区域やその周辺は、開発後に地価が上昇する可能性が高いため、開発予定の地域が周辺にないか調べておくことがポイントでしょう。
また、早めの売却を検討している場合でも、将来性があるエリアであれば、地価上昇の期待をアピールポイントにして価格交渉が可能です。売却予定の不動産や周辺地域の動向を把握し、より高値で不動産が売却できるように工夫しましょう。
より高く不動産を売却するためにも、しっかりと地域相場や不動産のタイプごとの売却傾向・価格などを把握し適切な価格設定を心がける必要があります。
ポイント・注意点2
川崎市幸区の場合は住民の定住意向が高く、住んで満足できる地域といえます。住民アンケートなどを参考に、住民が住みやすいと感じているポイントをアピールポイントに加えていくと、購入希望者にとっても納得感のある説明ができるでしょう。川崎市幸区では、「交通利便性の高さ」と「日常生活の便利さ」が特に満足度の高い項目です。ぜひ参考にしてみてください。
不動産相場を把握し、地域や物件のPRポイントを把握して物件の魅力伝えることで、競合物件よりも高い金額で売却できるように工夫していきましょう。
まとめ

本記事では、不動産売却の基本的な流れと、川崎市幸区での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、街の特徴などを紹介しました。
- 川崎市幸区は生活している住民の満足度が高い
- 人口はピークを迎えているが、社会増が多く引き続き住宅ニーズに期待
- 川崎駅や新川崎駅周辺で開発計画が進んでおり、周辺エリアの地価上昇に期待
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、エリアに対してどんな購入層が考えられるのか、地域特性と相場を把握し戦略を練る必要があります。その際、信頼できる不動産会社からのサポートは欠かせません。川崎市幸区で不動産売却をお考えの方は、該当エリアの不動産売却状況をリサーチした上で、あなたの希望に寄り添ってくれる不動産会社探しを始めましょう。
いい不動産では、地元で評価の高い不動産会社1社のみをご紹介しております。一括査定サイトのように、複数の不動産会社から営業の電話が来ることはありません。
※一括査定はあくまで査定額を出すのみで、実際に売れる価格とは違います。どこの不動産会社を利用したとしても、売り出し価格は売主様が決めるものなので、査定額で不動産会社を決めることに大きな意味はありません。