- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 秦野市は自然が豊かで子育て世帯には理想の住環境
- 地価は年々下落しており、不動産価格は県内でも安い
- 小田原線沿線のエリアが住むのには便利である
秦野市は、神奈川県の西部に位置し、北方には丹沢山塊が連なり、南方には渋沢丘陵が東西に走り、県下で唯一の典型的な盆地を形成しています。
「みどり豊かな暮らしよい都市」を目指し、首都圏の中核都市として発展しつつあります。 市域の半分ほどが山林で、市内には緑豊かなハイキングコースがいくつも開設されています。また、観光農園が開業されているため自然を身近に感じられます。
交通は、秦野中井インターチェンジが設けられている東名高速道路、国道246号線、小田急小田原線が南部地域を横断しており、都心部や横浜に出やすくなっています。ここでは、秦野市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときに注意すべき点やポイントなどを紹介していきます。
秦野市の近年の変化
- 秦野市を通る鉄道は小田急電鉄小田原線のみ
- 都心に出やすいエリアではないので、人口減少・少子高齢化が進んでいる
- 新東名高速道路が開通する計画があり、街の活性化への効果が期待できる
秦野市は四方を山に囲まれた地形であり、市内を通る鉄道は小田急電鉄小田原線のみになります。小田原線で新宿までは1時間程度ですが、本数もあまり多くないため、交通面の整備が進んでいるとは言えない状況です。
総務省統計局が出した「将来推計人口(2018年)」によると、秦野市の今後の人口は減少し、平均年齢は上昇していく見込みとなっています。秦野市では、人口減少・少子高齢化の進展による課題に対応しつつ、市民が安心して暮らし続けられるような施策を講じることが求められています。
また、秦野市内には新東名高速道路の開通が予定されており、都心をはじめ関東各地へのアクセスが可能となります。一般道とのアクセスが可能となるスマートインターチェンジの設置も計画されており、これを活かした産業生活の活性化や、防災・救急体制の強化、周辺観光施設等へのアクセスなど、地域の活性化が見込まれます。
また、効率性・利便性の向上を目指し、バス路線網の再構築に取り組んでいます。 地域資源を生かした地域づくりも行われています。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に一歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
秦野市の相場を知ろう
- 秦野市の地価は10年間で大きく下落している
- 秦野市内では秦野駅・東海大前駅周辺の地価が最も高い
- 中古の戸建て・マンションともに1,000万円〜2,000万円が相場
まずは秦野市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
秦野市の地価・不動産相場の推移
秦野市の地価は、1年前と比較して1.64%下落しており、2020年現在は8万9,470円/㎡です。10年前と現在を比較すると、大きく下落しています。
秦野市内では秦野駅と東海大前駅周辺の地価が高価格になっています。東海大前駅周辺は小田急小田原線がとおり、東名高速道路や国道246号線へのアクセスもよく、住宅団地が多く存在しています。
秦野市の売却動向や売却相場の動き
丹羽山系の麓に位置する大自然に囲まれた秦野市は、登山やキャンプなどのアウトドアが好きな方、自然の中でゆったり子育てしたいファミリーには最適な地域です。都心で働きながらも、広々とした一戸建てで大自然を満喫して暮らすことができます。
不動産価格は神奈川県内で見ても安く、土地付き住宅を購入しても自分好みのプランでこだわりの注文住宅も十分可能です。
実際の不動産取引をみてみると、東海大前駅、秦野駅、鶴巻温泉駅、渋沢駅周辺の物件の取引が盛んです。土地のみの取引価格が多いのは1,000万円~2,000万円前後、土地と建物は1,100万円~2,100万円前後、中古マンションは1,000万円を下回る物件も多くあります。
参考)秦野市での直近の取引価格情報
中古マンション(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 1,200万円 | – |
75㎡ | 650万円 | – |
80㎡ | 940万円 | 715万円 |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | 1,200万円 | – |
100㎡ | – | 1,700万円 |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | – | 1,300万円 |
85㎡ | 1,750万円 | 1,100万円 |
90㎡ | – | 1,250万円 |
95㎡ | 1,900万円 | 1,250万円 |
100㎡ | 1,800万円 | 1,700万円 |
105㎡ | 2,600万円 | 2,150万円 |
110㎡ | 2,490万円 | 3,500万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 新東名高速道路の「秦野サービスエリア(仮称)」が開業予定
- ETCを搭載した車両が24時間通行可能のスマートインターチェンジになる
- 地域防災の強化や地域活性化が見込まれている
2021年度の開通を目標に、新東名高速道路の「秦野サービスエリア(仮称)」にスマートインターチェンジを設置するために整備が進められています。
建設されるのは、秦野市の横野・戸川地区です。スマートインターチェンジは、ETCを搭載した車両が24時間通行可能で、全長12m以下の全車両が対象です。また、上りは市道144号線、くだりは市道146号線にそれぞれ連結されます。
これにより、工業団地へのアクセス向上による産業基盤の強化、観光資源を活用した地域活性化、地域防災の強化、東海大が良く附属病院までの搬送時間短縮による救急・救命サービスの向上などが期待できます。
開通すれば都心や県外へのアクセスの利便性も高まり、今後の秦野市の不動産価格に影響を与えそうです。
【売却のコツ】秦野市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 秦野市は江戸時代からたばこの生産で有名だった
- 人口は減少しており、少子高齢化が進んでいる
- 秦野市では小田急小田原線沿線のエリアが人気
地域特性を知るメリットとは?
秦野市は長年地価の下落も続いており、自分の不動産をなるべく高く購入してもらうためにも販売戦略はとても重要です。秦野市のエリアの特徴から、買いたい人がどのような層か考えてみましょう。自分だけで悩まずに、地元の情報に詳しい不動産会社の人と相談することをおすすめします。
秦野市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
秦野市は江戸時代に江戸から足柄を過ぎた先にある静岡へ向かう矢倉沢往還と東海道から北上して大山へ向かう秦野道が交わる場所として栄えました。
江戸時代からたばこ栽培が行われていましたが、明治初期には全国的に有数の産地となり、1887年ごろから、水力たばこきざみ機械を使った工場が秦野市周辺にいくつもできました。1896年の「葉煙草生産上位14県」によると、神奈川県は全国で6番目の収穫高で、たばこの質も鹿児島、熊本に次ぐ2等級の上質だったそうです。
秦野市でのたばこ栽培は1984年に終了しましたが、現在でもたばこ耕作者を労うために始まった「たばこ祭」など、街のいたるところにその名残を目にすることができます。
現在では新源泉「つるまき千の湯」など新たな観光資源を活用、遊休農地を利用した草花の栽培や桜の育樹など花のある観光地づくり、首都近郊の地理を活かした体験型農業を拡充するなど観光農業の促進に取り組んでいます。
参照:秦野市ホームページ
秦野市の人口推移
2015年の国勢調査の結果、2015年の時点での総人口は16万8,732人と5年前の調査よりも1,413人減少していることがわかりました。また、世帯数においては7万1,741世帯と、5年前の調査よりも2,368世帯大きく増加しており、人口減少・少子高齢化が進んでいます。
秦野市で人気のエリアは?
自然豊かな秦野市は山林が多く、住宅地に適した土地は少ないですが、小田急小田原線沿線の「鶴巻温泉駅」「東海大学前駅」「秦野駅」「渋沢駅」周辺は住エリアとして人気があります。
小田原線を利用すれば都内への通勤も比較的便利です。小田原駅まで車で出て、新幹線通勤をする人も多いようです。また、秦野駅にはイオン秦野店や秦野ショッピングセンターなどの商業施設が複数あるため、生活しやすい地域と言えます。
秦野市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 東海大学駅前の不動産は、学生にとって住みやすい物件かどうかが重要
- 秦野市に移住する人は利便性よりも豊かな自然や物件の広さを重視する
- 古い物件ならリノベーションしてから売り出すのも良い
ポイント・注意点1
東海大学駅前は、東海大学湘南キャンパスが近くにあるため学生の行き来や一人暮らしが多く見られます。しかし起伏のある坂道が多いため、徒歩や自転車移動は苦労するようです。必然的に車やバイクで通う人は多いようですが、道があまり広くないため不便な面もあるようです。
東海大学駅近くの物件を売却したい場合は、車の渋滞を回避しやすい地域かどうか、日常の買い物に行きやすい店があるかどうかなど、事前に確認しておきましょう。
ポイント・注意点2
物件の築年数が古く、売却にあたり見栄えが良くない場合には、事前に工夫が必要です。秦野市に住みたいと感じる人は、利便性よりも豊かな自然や物件の広さ、生活の快適さを重視する傾向にあります。
古い物件なら、内装をリノベーションしたり、デザイナーズ家具付きのおしゃれな家にすることで、物件の価値は上昇します。また、インターネットで物件を探す人が多いので、サイトの宣伝写真にもこだわって、プロのカメラマンに撮影してもらうのもよいでしょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、秦野市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 秦野市は人口減少・少子高齢化が進んでいる
- 新東名高速道路が開通する計画があり、街の活性化への効果が期待できる
- 東海大学駅前は学生の賃貸需要が高い
- 移住する人は利便性よりも豊かな自然や物件の広さを重視する
- 中古の戸建て・マンションともに1,000万円〜2,000万円が相場
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。秦野市での不動産売却をお考えの方は、秦野市の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。