- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 我孫子市は自然あふれるベッドタウン
- 地価は下落傾向、取引件数は中古戸建てが多い
- 近隣の柏市や流山市に比べて、人気度は低い
千葉県北西部に位置する我孫子市は、JR柏駅から2駅、東京から30㎞圏内のベッドタウンです。ラグビーチームのNECグリーンロケッツの本拠地やJリーグ柏レイソルの活動場所でもあります。
下総台地の北側にあり、利根川と手賀沼に挟まれた低地地形です。我孫子駅から南に1kmほどの場所に自然豊かな手賀沼公園があり、手賀沼マラソンや花火大会も有名。 お米や野菜などの農業も盛んで、野鳥飛来地としても知られています。
路線としてはJR常磐線、JR上野東京ライン、JR成田線が走っており、国道国道6号と国道356号が通っています。 我孫子市は東京まで電車で約40~45分、車で約60分。都内への通勤・通学にも対応できる距離感です。
ここでは、我孫子市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときに注意すべき点やポイントなどを紹介していきます。
我孫子市の最近の様子

- 我孫子市は千葉県と茨城県の県境に位置している
- 2015年上野東京ラインが開業し、東京までの直通運転が実現
- 最近では東京への通勤者も増え、新しいマンションも建設されている
我孫子市は千葉県と茨城県の県境に位置しており、我孫子駅から5kmも先をいけば、茨城県に入ります。都心のベッドタウンというにはやや遠かったため、都内への通勤者・通学者の数はそれほど多くはありませんでした。
しかし、2015年年3月に常磐・宇都宮・高崎の3線と東海道線を結ぶJR東日本・上野東京ラインが開業してからは、我孫子駅⇔東京・新橋・品川は直通になり、最短で東京まで約40分での移動が可能になりました。
上野東京ラインができたことで我孫子市の利便性が向上し、我孫子市から都心へ電車通勤する人は増えました。それに伴って我孫子駅北口エリアも再開発が進み、分譲マンションが多数建設されています。
2018年4月にはあびこショッピングプラザがリニューアルオープン。イトーヨーカドーをはじめとする50店舗以上のテナントが入り、市民プラザ併設の複合商業施設として生まれ変わりました。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に1歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
我孫子市の相場を知ろう

- 我孫子市の地価はここ10年間で大きく下落している
- 我孫子地区・天王台地区は比較的人気が安定している
- 我孫子市東部は地価の下落が激しい
- マンションよりも戸建ての取引の方が多い
まずは我孫子市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
我孫子市の地価・不動産相場の推移
ここ10年間で我孫子市の地価は大きく下落しています。我孫子市の最新公示地価は平均9万1,782円/m2。1年前の2019年と比較しても約1.36%下落している状況です。
我孫子市は、西から東へ5つの地区(我孫子地区・天王台地区・湖北地区・新木地区・布佐地区)に分けられています。人口は我孫子地区・天王台地区がある西部に集中しており、地価も西部の方が比較的高めです。
駅から近く平坦な土地は人気が高く、駅から離れた国道6号線付近の窪地などは物件価格がやや低めです。
我孫子市の売却動向や売却相場の動き
我孫子市の土地の取引件数は年間約1,250~1,450件前後。物件では我孫子地区と天王台地区、湖北台地区での取引がさかんのようです。取引件数が多い範囲は土地で1,000~2,000万円前後、戸建は1,000~3,000万円前後、中古マンションは1,200~2,800万円前後の価格帯でした。
我孫子市ではマンションよりも戸建ての取引の方が取引されており、特に100㎡以上ある広めの戸建てはファミリー層に人気のようです。
参考)我孫子市での直近の取引価格情報
中古マンション(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 1,900万円 | 600万円 |
75㎡ | 2,650万円 | 665万円 |
80㎡ | 3,450万円 | 1,000万円 |
85㎡ | 2,200万円 | 500万円 |
90㎡ | 3,050万円 | – |
95㎡ | 3,100万円 | – |
100㎡ | 3,200万円 | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,135万円 | 550万円 |
85㎡ | 360万円 | 1,300万円 |
90㎡ | 1,200万円 | 840万円 |
95㎡ | 2,150万円 | 1,500万円 |
100㎡ | 2,300万円 | 2,100万円 |
105㎡ | 2,250万円 | 2,500万円 |
110㎡ | 400万円 | 2,600万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 我孫子市は人口減少を止めるための施策を数多く打ち出している
- 34年連続で待機児童ゼロを維持している
- 子育て世代向けの施策も多い
我孫子市は人口減少に歯止めをかけるべく、数々の施策を打ち出しています。都市計画については都市計画マスタープランを制定し、都市計画道路の整備を急ピッチで進めています。商業活性化施策の一つである「我孫子市商業活性化ビジョン」は現在第6期目に入ったところです。
34年連続で待機児童ゼロを維持している我孫子市では、子育て世代に優しいまちづくり施策が支持を集めています。その施策では、我孫子市への移住をPRする情報紙「住み替えあびこナビ」を発行・配布したり、「若い世代の住宅取得補助金」「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型」などの取り組みをおこなっています。
子育て施策への評価次第で、今後の若い世代の不動産需要や県内流入も期待できるでしょう。新型コロナウイルスの影響によってリモートワークが浸透すれば、我孫子市を含めた郊外の地域の再評価が進むことも期待できます。
新型コロナウイルス感染拡大の防止にむけて、我孫子市は児童扶養手当受給世帯・就学支援制度利用世帯の子ども1人あたり1万円の食事券の配布を決定しました。これは、市内のこども食堂の営業自粛を受けての判断です。
ほかにも、新型コロナウィルスの影響で内定取り消しとなった学生を対象に非常勤職員の採用を5人ほどおこなったり、クラウドファンディングを活用した市内飲食店支援「プレミアム付き市内飲食共通券(あびチケ)」事業をおこなうなど、積極的に新型コロナウイルス関連の救済対策を行っています。
【売却のコツ】我孫子市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう

- 我孫子市は水戸街道沿いの我孫子宿から発展した土地
- 少子高齢化・都心回帰の影響から人口が減少している
- JR常磐線天王台駅付近が一番人気
地域特性を知るメリットとは?
我孫子市にある不動産の売却を検討しているなら、販売戦略はとても重要です。まずは我孫子市に住みたいと思っている人がどのような人たちなのか、ペルソナ設計をしてみるのもよいでしょう。自分だけで考えるのは限界があるので、わからないことは我孫子市の情報に詳しい不動産会社の人に相談することをおすすめします。
我孫子市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
千葉県我孫子市は江戸時代に利根川の水運が発展し、水戸街道沿いには大規模な宿場町・我孫子宿が作られ、交通の要衝として栄えました。
明治時代に入ると嘉納治五郎が別荘を構え、大正時代には甥・柳宗悦が移住してきます。柳宗悦に誘われた志賀直哉も移住し、この地で「城の崎にて」などいくつもの作品を執筆しました。明治後期〜大正時代にかけ、武者小路実篤など多くの文化人が移り住んだことで知られています。
1970年代以降は都心のベッドタウンとして発展。手賀沼を中心に農業が盛んにおこなわれ、昭和30年頃まではうなぎも漁獲されていました。現在、手賀沼ではコイやフナなどが漁獲されているほか、スワンボートなどの行楽も楽しめる市民の憩いの場となっています。花火大会やトライアスロンなども人気のレジャーです。
我孫子市の人口推移
国勢調査によると我孫子市の2015年の人口は13.1万人でした。5年前の2010年の調査では13.4万人だったので、5年間で3千人ほど減少したことになります。ちなみに2020年3月時点での推定人口は132,011人。若干の増加傾向と考えることができます。
少子高齢化や都心回帰の影響をうけて、2011年以来、人口は減少に転じています。特に湖北地区、布佐地区における人口減は深刻な状況です。
我孫子市で人気のエリアは?
我孫子市の中で、JR常磐線天王台駅付近(天王台地区)が最も人気があります。天王台駅は我孫子駅から1駅、車で約3㎞の距離です。JR常磐線の快速電車や東京メトロ千代田線直通電車の始発駅のため、都内やJR柏駅への通勤に便利です。国道6号線や旧水戸街道も近くを走っています。
天王台地区は犯罪発生率も少なく、治安の良いエリアと言われています。 駅から徒歩圏内にスーパー、銀行、コンビニエンスストア、イトーヨーカドー、公共施設があり、天王台消化器病院や我孫子聖仁会病院、川村学園女子大学やNECの我孫子事業場もあります。
我孫子市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点

- 我孫子市は住民向けサービスが充実している
- 我孫子市の住みやすさを積極的にアピールすることが大事
- 物件の売却を急いでいるときは買取についても検討する
ポイント・注意点1
我孫子市は積極的に都市開発を進める近隣の柏市や流山市と比べると、やや目立たない印象です。しかし、子育て世代向けの補助が充実していたり、新型コロナウイルスに対する補償を早期に設定していたりと、市民むけの住民サービスは満足できるものばかりです。市民向けの施策の充実度を不動産のセールスポイントの一つとして検討してみるのもいいでしょう。
ポイント・注意点2
売却を急いでいる場合は、一部の不動産会社や買取業者が対応している買取サービスも選択肢の一つに入れてみましょう。特に、一般の方向けには広すぎる土地などは、分筆することで建売住宅エリアとして販売することができます。
買取の場合は、一般販売するよりも多少、売却価格が下がることが多いですが、査定から売却完了まで一ヶ月程度で終わらせることができます。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、我孫子市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 我孫子市は都内への通勤・通学が便利なベッドタウン
- 2015年上野東京ラインが開業し、東京までの直通運転が実現
- 我孫子市では少子高齢化・都心回帰の影響から人口が減少している
- 我孫子、天王台、湖北エリアの物件が人気がある
- 物件の売却を急いでいるときは買取についても検討する
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。我孫子市での不動産売却をお考えの方は、不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。