- 地価相場やマンション・一戸建ての売買相場を知ることが大事
- リニア新幹線開業を控え、不動産需要も地価は上昇傾向
- 大曽根エリア、白壁エリアがファミリー層に人気
大企業のビルが立ち並ぶ、日本経済の中心地の一つでもある名古屋市。中でも東区は、名古屋市に16ある行政区の中でも最も小さい区です。
しかし、区の南部はビジネス街にもほど近く、徒歩圏内で通勤できるエリアも存在します。また区の東部には尾張徳川家との縁が深い土地も多く、街並みや地名に歴史の名残が感じられるなど、さまざまな顔を併せ持ったエリアです。
ここでは、名古屋市東区の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにおすすめの方法までをご紹介していきます。
名古屋市東区の近年の変化
- 名古屋市東区はビジネス街に近く、人気のエリア
- 白壁・主税・橦木など高級住宅地もある
- 不動産価格は年々上昇している
名古屋市東区は栄や丸の内といったビジネス街に近いだけでなく、白壁・主税・橦木エリアといった高級住宅街も抱える人気エリア。名古屋市内でも取引件数が多い方で、1,600件を超える取引件数となっています。
2027年にはリニア中央新幹線が開業予定ということもあり、名古屋市全体の人気が高まっています。名古屋市東区も取引件数や公示価格は年々上昇し、安定傾向にあります。
近年の取引物件の特徴は、 駅から10分以内の 60〜80 ㎡で2〜3LDKのファミリータイプの物件が主流となっています。一方で、駅から徒歩 5 分以内の単身者向けの物件数も増加しています。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の基本の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「地価相場やマンション・一戸建ての売買相場はどれくらいなのか」という相場感を把握することです。
自分が所有している不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定すると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
名古屋市東区の相場を知ろう
- 名古屋市東区の地価は年々上昇している
- 取引価格も上がっているが、戸建は横ばいもしくはやや下落気味
- 地下鉄東山線沿線のエリアが人気
まずは名古屋市東区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
名古屋市東区の地価・不動産相場の推移
名古屋市東区の最新公示地価は平均66万1,111円/㎡(2020年)、坪単価では平均218万5,491円/坪で、前年からの変動率は+8.67%です。1年前の公示地価は平均59万4,962円/㎡(2019年)、坪単価では平均196万6,819円/坪で前年からの変動率は+10.27%でした。
2019年度後半期と比較すると、名古屋市内では一戸建ては下落、中古マンションでは築20年までの物件は上昇しています。大きな下落ではないので、時期をみながらじっくりプロに相談することをおすすめします。
毎年差はあるものの、この数年は上昇を続けています。愛知県の中でも好調な名古屋市ですが、その名古屋市の中でも東区は地価の高いエリアといえます。
名古屋市東区の売却動向や売却相場の動き
名古屋市東区の不動産需要は上昇しており、それに伴い値段も上昇傾向にあります。マンションは上昇を続ける一方で、戸建てはほぼ横ばいからやや下降傾向にあります。名古屋市全体と比較すると、地価は高いエリアといえます。
名古屋市内でも人気路線である地下鉄東山線沿線はもちろん、地下鉄桜通線やJR中央本線の線路に近いほど地価が高い傾向にあります。
名古屋市東区は新幹線が通っている名古屋駅にも好アクセスで、テレワークの増加によって首都圏からの移住者が増える可能性もあります。
東海エリア一の繁華街・栄エリアにも近いのに落ち着いた街並みを持つ名古屋市東区では、今後さらに不動産需要が増えていくと考えられます。
参考)名古屋市東区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
■中古マンション
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 2,800万円 | – |
75㎡ | 2,300万円 | – |
80㎡ | 3,550万円 | – |
85㎡ | 2,800万円 | – |
90㎡ | 2,600万円 | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | 6,000万円 | – |
戸建て(駅距離基準値:15)
■中古戸建て
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 2,800万円 | – |
85㎡ | 2,300万円 | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | 4,500万円 | – |
100㎡ | 5,000万円 | – |
105㎡ | 4,050万円 | – |
110㎡ | 4,700万円 | – |
※2019年取引価格中央値
国土交通省「土地総合情報システム」より
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- リニア中央新幹線の開通予定
- 再開発で名古屋市東区の地価が全体的に上がっている
今後、テレワークの推進が進めば首都圏からの流入が増加することが予想されます。特に名古屋市東区がある東海地方は、地元志向の高いと言われています。東海道新幹線を使えば東京は約1時間半、大阪には約50分で行けることもあり、名古屋駅へのアクセスがいい物件は売却件数も地価価格も上昇傾向です。
また、これまで戸建て志向が強いと言われてきた名古屋エリアでも、利便性を重視したマンション需要が増えています。名古屋市東区での北部に位置する大曽根駅周辺は、JR中央本線と地下鉄名城線、名鉄瀬戸線、ゆとりーとラインの4路線を利用でき、車でも都心部や郊外へのアクセスもいいエリアです。徒歩圏内に大型商業施設やナゴヤドーム、徳川園もあり、中古マンション相場は1年前に比べて 6.5 万円増(+21.0 %)と大幅に上昇しています。ただ同じ名古屋市東区内の物件でも、区内の細かいエリアによって需要の違いもありますから、事前にしっかりとした調査をする必要があります。
【売却のコツ】名古屋市東区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 購入層のイメージに合わせた販売戦略が大事
- 名古屋市東区は戦国武将ゆかりの地である
- 栄エリアなどで再開発が進んでいる
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際、戦略を不動産会社に一任するのではなく売主であるあなたも一緒に考えることが売却成功のコツです。住んできたからこそわかる地域特性に沿って戦略を立てれば、売りたい時期に高額での売却へとつながります。
不動産は、待っていても売れません。どのような相手に向けて、どのような手段を取れば響くのかなど、しっかりとした戦略を持って臨む必要があります。
名古屋市東区は人気エリアということもあり、需要も多い半面で売りたい方が多いのという面もあります。同じような立地や価格帯であった場合、所有している不動産の強みが何かを知っておかないと、いつまでたっても売れないということも考えられます。
どのような人に求められているのかその特徴をしっかり掴むことが売却の第一歩です。ただし絶対的な答えは無いので、詳しくは地元に詳しい専門家である不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
名古屋市東区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
織田信長や豊臣秀吉をはじめ、有名な武将の出身地でもあり数々の歴史の舞台となってきた名古屋市。徳川家康が築城した名古屋城は、名古屋の象徴というだけでなく、日本の三名城のひとつとしても知られています。
江戸時代には尾張徳川家の治める城下町として栄えた名古屋市。東区は武家屋敷の拠点だったこともあり、今でも歴史的な名所や旧跡を見ることができます。
尾張徳川家との縁が深い土地でもあることから、東区の中央部には「徳川美術館」があり、貴重な徳川家ゆかりの品々や古書が保存・展示されています。
名古屋城の東にあたる東区の西部には「白壁・主税・橦木町並み保存地区」があり、江戸時代以来の武家屋敷跡が残っています。屋敷景観と戦前の優れた近代洋風建築が建ち並ぶ美しい町並みは周辺は、県内屈指の高級住宅街としても知られています。
「徳川」や「葵」といった、徳川家にちなんだ地名も残され、交通アクセスの良さだけではない魅力あふれるエリアです。
名古屋市東区の人口推移
名古屋市東区は2010年には7万2,629人でしたが、2020年には8万2,231人とこの10年で約1万人以上、実に14.2%もの増加となっています。
名古屋市全体でも総人口は増えていますが、すべての区で人口が増えているわけではなく人口を減らしている区もあります。この10年で最も人口が増えたのは緑区で約2万人、次いで中区の約1万5,500人、そして守山区と東区が約1万人の人口増となっています。
東区の世帯数を見ると、2020年1月には4万3,610世帯で、3万7,452世帯だった2010年の1月と比べると+6158世帯で16.44%増加しています。
名古屋市東区で人気のエリアは?
ファミリー層に人気が高いのは、買い物のしやすさや公園の多さ、静かで落ち着いた住環境が揃ったエリアです。先ほどご紹介した大曽根駅や名古屋ドーム前矢田駅周辺は、図書館や公園、大型商業施設が近くにあり、小さな子どもがいるファミリーが住みやすいエリアです。
また、教育環境を重視したいファミリーに人気なのが、栄エリアにも近い白壁・主税・橦木町エリアです。特に富士中学校(山吹小・東白壁小・東桜小)の学区は人気が高く、繁華街に近いのに静かで落ち着いた環境であることも人気の理由になっています。
名古屋市東区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 名古屋市中区は愛知県内でも地価が高いエリア
- 世帯当たりの不動産会社が多い
ポイント・注意点1
名古屋市東区で土地やマンションの売却を考える場合、やはり2027年に開業予定のリニア中央新幹線と切り離して考えることはできません。
リニア中央新幹線が開業すれば、東京(品川)~名古屋間は約40分で結ばれることとなり、首都圏と中部地方との経済圏の一体化が期待されています。
特に栄エリアに近いエリアは注目を集めており、住宅環境のよい東区は不動産売却でマイナスになる点はありません。
また、名古屋市東区は新築マンションの供給戸数が中区に次いで2番目に多く、それに伴い中古マンションへの期待も高まっています。エリア別の中古マンションの平均売出価格を見ると、名古屋市内でも東区が最も高い価格となっています。
区内でもエリアによって差はあるでしょうが、売却を考えている方はチャンスと考えていいのではないでしょうか。
ポイント・注意点2
不動産の売却を検討し始めたら、不動産会社選びが重要になってきます。
名古屋市内には不動産会社の数も多く、情報も多いことから何を基準に選んだらいいのかわからないという方も多いでしょう。やはりいい不動産会社に出会うためには、自分に合った不動産会社を見つけなくてはなりません。
実際に不動産売却を行った方に不動産会社を紹介してもらうのも一つの方法でしょう。連絡を密に取ることを考えると、メール派の方はメールで連絡が取れる不動産会社を、電話でコミュニケーションが取りたいという方は電話がつながりやすい不動産会社を選ぶなど連絡ツールも重要です。
不動産会社についても情報収集を行い、数件に絞ったら実際に連絡を取り任せられる雰囲気なのか確認をしてみることも大切です。
まとめ
- 名古屋市中区の不動産価格はここ数年間上昇している
- 中でも、栄周辺の上昇が著しい
- エリアごとに合った販売戦略が大事
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、名古屋市東区での不動産売却に役立つマンション・戸建て・土地の相場情報や地価推移、坪単価、街の特徴や魅力について紹介しました。
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上でしっかりとした戦略と、信頼できる不動産会社の協力が欠かせません。
名古屋市東区での不動産売却をお考えの方は、名古屋市東区の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めてみましょう。