- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 大阪市鶴見区のマンション・戸建て・土地の価格は下がり気味
- 子育てしやすい街として今後も子育て世帯からの需要が見込める
大阪市鶴見区といえば、子どもが多い街として有名です。2010年度の国勢調査によると15歳未満の子どもの割合が16.4%。全国平均が13.1%、大阪市の平均が11.5%なので、とても子供が多いことがわかります。この結果からファミリー層に人気の街であり、子育てがしやすい街であることが想像できるでしょう。
区内にはアクティビティを要する鶴見緑地やアウトレット、ショッピングモール、昔ながらの商店街などが点在しており、まさに子育てに最適な環境といえます。人気なエリアにも関わらず地価は市内でも比較的安価です。そのため、集合住宅や新築戸建てなどの開発も進みさらに人口が増えることが予想されます。
そんな大阪市鶴見区エリアにおける不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときのおすすめの方法までを紹介していきます。
大阪市鶴見区の近年の変化
- ファミリー向け賃貸住宅が多い影響か土地の取引件数は少なめ
- 近年目立った再開発や区画整理もないため、地価は横ばいが予想される
大阪市鶴見区は大阪市の最東部にあり、市内にありながら自然豊かで子育てのしやすい環境のエリアです。地価は、市内でも比較的安価なため戸建てを考えるファミリー層に適しています。
近年では目立った再開発や区画整理は行われておらず、地価の動きが少ない安定した街といえるでしょう。ただ、現存する施設を利用して企画するイベントが活発で、放出みゆき通り商店街では昔ながらの商店街の活性化を目指して、ハロウィンやクリスマスなど、子どもが喜ぶイベントを企画考案しています。
鶴見区は大阪市24区の中でも保育園や幼稚園の数が多くあります。さらに各地域では公民館を利用して親子が集まり情報交換や育児相談ができる地域ぐるみの取り組みが盛んです。「鶴見区子ども・子育てプラザ」では、セミナーやイベントを多く開催。
絵本の読み聞かせや料理教室をはじめ、鶴見緑地を会場にして身体を使った遊びなどを定期的に企画しており、子供を持つ家庭には嬉しいイベントが目白押しです。しかし、子育て世帯向けの賃貸住宅が充実している影響か、2019年の土地取引件数は974件と決して高いとはいえません。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
大阪市鶴見区の相場を知ろう
- 大阪市鶴見区の地価はほぼ横ばい
- 大阪府全体でみると高いエリア
大阪市鶴見区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
大阪市鶴見区の地価・不動産相場の推移
大阪市鶴見区の地価は、2018年と2019年で比べると0.61%高くなっています。2019年時点では 228,384円/㎡です。2014年の5年前と比較すると、1.66%の下落。しかし、大阪府全体で見ると、地価は高いエリアと言えます。
大阪市鶴見区の売却動向や売却相場の動き
前半期と比較してもマンション・一戸建て・土地すべてにおいて売却価格が下がっているので、再度上がるタイミングを待つか早めの売却をおすすめです。マンションに関して、子育て向けの賃貸マンションが充実している中でも人気のある不動産だと言えます。ただ、数ある他のマンションとどう差をつけるのか、戦略が難しいと言えるでしょう。
土地や戸建てについても、子育て世代に需要があるので、今後取引価格が上がる可能性があります。区を上げて子育てしやすい地域づくりに取り組んでおり、さらに需要が伸びることが予想されるため、取引価格が上がるまで寝かせておくのも一つの手でしょう。
参考)大阪市鶴見区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 2,100万円 | – |
75㎡ | 2,000万円 | – |
80㎡ | – | – |
85㎡ | 4,100万円 | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | – | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | 3,000万円 | – |
100㎡ | 2,600万円 | – |
105㎡ | 3,250万円 | – |
110㎡ | 3,200万円 | – |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 鶴見緑地があり以前からファミリーに人気
- 空き家が増加傾向
大阪市鶴見区は子育てしやすい環境がそろい、住宅街が多く、ファミリー向けの賃貸も充実しています。区内にはゴルフや乗馬、イベントホールを有する鶴見緑地があり、施設内にはバラ園や鶴見新山、山エリアとアクティビティも充実しています。
都心近くにいながら自然とも触れ合える点で、子育て世代からの人気を博しています。平成17年度の国勢調査では15歳未満の人口の割合が大阪市内で1番多いという結果になっています。
また、区内にはショッピングモールやアウトレットがあるので、買い物のしやすさという点でもファミリー層に選ばれる要因になっているようです。大阪市内での坪単価が17番目と比較的安いことから戸建てを考えているファミリー層からの需要は今後も一定数あると考えられます。
さらにここ数年で空き家が増えています。平成30年に大阪市が発表した「住宅・土地統計調査結果(確報)」によると2013年3,170戸だった空き家が6,130戸と2倍近く増加。空き家率の推移は6.2%から11.7%と前回調査から5.5%も上昇しており、これは大阪市内でも最も上昇していることを示す値です。
親世代の空き家を壊して更地にして売り出す人が増加することも考えられますので、土地をお持ちの方は価格競争が始まる前に売りに出すのも手でしょう。
【売却のコツ】大阪市鶴見区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 購入層のイメージに合わせた販売戦略が大事
- 大阪市鶴見区は土器が出土する歴史に馴染みのある街
- 一人暮らしからファミリー層まで人気が高い
地域特性を知るメリットとは?
不動産売却をおこなう時には地域特性に沿った販売戦略を立てる必要があります。ほとんどの方がこの戦略を不動産会社に一任しますが、あなたが一緒になって戦略を立てた方がより高値でスピーディーに売却できるでしょう。
そのためにはエリアが持つ特徴を把握して、「ターゲットはどの世代か」「どんな言葉を入れれば響くのか」を熟考する必要があります。
特に大阪市鶴見区は、子育て世代に人気の高めです。その分売却を望んでいる人も多いのも事実。家族が増えて手狭になった賃貸を解約して、広めのマンションか戸建てを購入検討している人に自分の物件を選んでもらう必要があります。不動産購入は人生の中で最も大きな買い物です。購入者側もかなりシビアになってきます。
購入者の心を動かし、不動産を購入してもらうためにも、お持ちの物件を魅力的に見せる販売戦略がとても大事です。まずは地元に詳しく不動産売買の専門家である、不動産会社のスタッフと相談して考えることをおすすめします。
大阪市鶴見区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
鶴見区が誕生したのは1974年。もともとは城東区に属していましたが独立して現在の形となりました。縄文時代には海底にあったことが分かっており、諸口6丁目の城東配水場の地下4~5mでナガスクジラの下顎骨が出土。その他イルカ、サメ、エイなどの骨や奈良時代の土器も出土しており、歴史となじみ深い街です。
一方で水害リスクを抱えた水郷地帯の一部として現在までに数々の水害被害を受けています。特に1885年に起きた淀川大洪水では甚大な被害を受けたため、淀川の付け替え工事に着手。そのとき、活躍したのが鶴見区の放出(はなてん)出身である大橋房太郎です。
淀川洪水後に東京から舞い戻ってきた房太郎は政治家や住民たちの反対に10年以上も辛抱強く説得を続けた末に、洪水が起きにくい形状にした「新淀川」を完成させています。その後も六郷川・寝屋川の治水事業を成し遂げた偉大な人物です。
これらの功績を称え、放出大橋の近くにある放出東児童公園に記念碑を建立。放出には今でも大橋家が存在しており、江戸時代末期の姿をほぼそのままに継承されています。
1895年には片町と四条畷(しじょうなわて)を結ぶ浪速鉄道が開業。翌年には関西鉄道と合併して2年後には現在の京橋駅の北西に位置する網島から放出ー長尾ー木津-伊賀上野ー名古屋を結ぶ大動脈が誕生。その後も各地を結び交流が盛んになっていきました。
片町線が東西線と繋がった1997年に貨物基地がなくなり、駅南側に通路ができてからは人口が増加。鶴見区発足から約10年は人口の増減がほぼ横ばいでしたが、その後は増え続け平成10年には10万人を、平成20年には11万人を越したところで人口は落ち着いています。
参照:大阪市鶴見区HP
大阪市鶴見区の人口推移
大阪市鶴見区の2020年6月1日時点の人口は111,781人です。前回調査が行われたのは2015年で、111,528人。比較すると253人で、人口比では0.2%の増加です。前々回(2010年)の調査では111,182人だったので、かなり緩やかではありますが、人口は増加傾向にあります。
世帯数は48,552世帯で、前回調査では46,345世帯、前々回調査では45,264世帯です。前々回から前回では2.3%増。前回から今回の調査では4.7%増になり、人口・世帯数ともに増加傾向にあることが分かります。このことから大阪市鶴見区の不動産は今後もニーズが高まっていくことが予想されます。
参照:大阪市HP
大阪市鶴見区で人気のエリアは?
鶴見区での人気エリアは横堤駅周辺です。大阪市の東側のターミナル駅である京橋駅まで幹線道路が通っていたり、地下には長堀鶴見緑地線が通っており御堂筋線の心斎橋駅に直結。アクセスの良さが人気です。
また、横堤駅と今福鶴見駅の中間地点にはイオンモールもあり、買い物にも便利だと、一人暮らしはもちろん、特にファミリー層から人気があります。駅周辺には区役所や銀行などがあり、効率良く用事を済ませることができます。
便利で人気があるだけに地価はやはり高め。公共工事はおこなわれていないため大幅な上昇はないと予想されますが、今後は横ばいもしくは小幅な値上がりをしていくと予想されます。
大阪市鶴見区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 隣接する区や市での不動産取引が活発
- 空き家の数が増加傾向にある
- 戸建てよりも共同住宅
ポイント・注意点1
前述のとおり、大阪市鶴見区では子育てに力を入れており、ファミリー世帯向けの賃貸が充実しています。その影響か、不動産取引は昨年実績で994件と低空飛行。一方、隣接している東大阪市で4,889件、同じ市内の城東区でも2,281件と取引が活発です。さらに空き家の数も増加傾向にあるため、今後売却を望む人が増えることが予想されます。
しかし、緩やかではありますが人口は増加傾向にあり、世帯数も上昇傾向です。今後、不動産需要は増えることが予想されますが、購入者とのニーズのズレがないようしっかりと戦略を立てる必要があります。
ポイント・注意点2
大阪市が発表した「平成30年住宅・土地統計調査結果」によると、鶴見区にある住宅総数46,390戸に対して、戸建ては13,370戸で共同住宅は31,410戸という結果が出ています。比率にすると戸建てが28.8%、共同住宅が67.7%と7割弱が共同住宅です。
戸建ても需要がないわけではありませんが、やはり手ごろなマンションの方が人気なよう。お持ちの不動産が築年数の古い戸建ての場合は、家ではなく土地として売り出した方が需要があるかもしれません。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、大阪市鶴見区での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、街の特徴などを紹介しました。
- ファミリー世帯に人気がある
- 中でも、ファミリー向けの共同住宅需要が高い
- 地域特性を把握した戦略を立てることが大切
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、どのような購入層が考えられるのか、地域特性と相場を把握し戦略を練る必要があります。その際、信頼できる不動産会社からのサポートは欠かせません。大阪市鶴見区で不動産売却をお考えの方は、該当エリアの不動産売却状況をリサーチした上で、あなたの希望に寄り添ってくれる不動産会社探しを始めましょう。