- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 都島区の地価はわずかに下落傾向
- 都島区の不動産取引件数は増加傾向で不動産需要が高いと考えられる
大阪市都島区は、南部は京橋駅を中心とした繁華街、北部は高層マンションなどが立ち並ぶ住宅地という2つの顔を持つ区です。
交通利便性が高く、区内にはJR大阪環状線、JR東西線、JR京阪本線、JR片町線、大阪メトロ谷町線、大阪メトロ長堀鶴見緑地線、JRおおさか東線と7路線が乗り入れています。そのため、大阪都心部はもちろんのこと、奈良から和歌山方面まで幅広い地域にアクセスできるのが魅力です。
このような土地柄だけに、大阪市内と比べても地価は高いことでも知られています。発展を遂げてきた大阪市都島区ですが、今後も大型商業施設の開業などが予定されており、さらなる不動産需要も期待できるでしょう。
ここでは、大阪市都島区の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法までご紹介していきます。
大阪市都島区の近年の変化

- 大型商業施設「イオンモール京橋店」が2019年に閉店
- 商業施設とオフィスの併設型という新しい形の開発が予定されている
繁華街としても有名な京橋駅に直結した大型商業施設「イオンモール京橋店」が、2019年に惜しまれつつ閉店しました。
しかし、時期は未定ではあるものの、跡地では再開発の計画も。内容は、商業施設(イオンモール)だけでなく、オフィスが併設する予定で、働き方改革が商機になったそうです。約1万5,000平方メートルという広大な敷地に、新しい形の複合商業施設ができるということで、京橋駅周辺にさらなる活気が生まれると期待できます。
不動産売却の流れを把握しましょう

まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
大阪市都島区の相場を知ろう

- 大阪市都島区の地価はわずかに下落傾向
- 不動産取引総額は土地・一戸建ては減少、マンションは上昇
- 都島区の不動産取引件数は増加傾向で不動産需要が高いと考えられる
まずは大阪市都島区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
大阪市都島区の地価・不動産相場の推移
大阪市都島区の地価は、2018年と2019年で比べると4.6%低くなっています。2019年時点では34万3,056円/㎡です。大阪市全体の地価平均は、2019年時点では33万5,752円/㎡であるため、都島区は平均よりも地価は高めです。
大阪市都島区における2018年と2019年の不動産取引総額を比較すると、土地は19.5%減、一戸建ては13.3%減と減少傾向ですが、マンションは4.3%上昇しました。また、2019年における都島区の不動産取引件数を見ると、265件中マンションは176件と6割以上を占めます。
価格が下がっている土地・一戸建てを売却する場合は、再度上がるタイミングを待つか、逆に早く売却することをおすすめします。また、マンションの場合は、需要が高まっているので、早めに売却すると良いでしょう。
大阪市都島区の売却動向や売却相場の動き
大阪市全体の2019年における不動産取引件数は、合計5,863件でした。1年前の5,987件と比較すると、2.1%減とわずかに減少しています。
一方、大阪市都島区の不動産取引件数は、2018年は223件だったのに対し、2019年は265件と42件(18.8%)増加しました。2019年における不動産取引件数は、大阪市24区中6番目に多い数字です。大阪市都島区の不動産取引が活発であることがわかります。
なかでも都島駅周辺はマンションを中心に不動産取引が活発で、不動産需要も高いと考えられるでしょう。
参考)大阪市都島区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 2,450万円 | 2,100万円 |
75㎡ | 3,600万円 | 2,450万円 |
80㎡ | 3,350万円 | 1,950万円 |
85㎡ | 3,600万円 | 2,700万円 |
90㎡ | 4,000万円 | 3,300万円 |
95㎡ | 3,500万円 | 2,600万円 |
100㎡ | 5,200万円 | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,000万円 | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | 3,800万円 | – |
95㎡ | 4,700万円 | – |
100㎡ | – | – |
105㎡ | 3,800万円 | – |
110㎡ | 4,100万円 | 3,800万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事

- 2019年3月、JR西日本おおさか東線の新大阪~放出間が開通
- 新規開通区間には4駅が新たに開業
- 大阪市外縁部における交通アクセスのさらなる利便性が実現
2019年3月、JR西日本おおさか東線の新大阪~放出間が開通しました。従来の放出~九宝寺間の9.2kmと一体になり、新大阪~奈良間をおおさか東線経由で結ぶ「直通快速」などが運行されます。
これにより、大阪市外縁部において、都心部から放射状に広がる路線を設置したことになり、交通アクセスのさらなる利便性が実現しました。
新規開通区間には、南吹田駅、淡路駅、城北公園通駅、野江駅の4つが新たに開業。旭区と都島区の堺にある城北公園通駅周辺は、従来バスが多く運行され、住民の足として活躍していましたが、新駅の誕生により、新大阪駅などにもアクセスしやすくなります。
おおさか東線の新規区間開通、それに伴う新駅の設置は、都島区だけでなく大阪市全体の交通利便性向上に繋がりました。
【売却のコツ】大阪市都島区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう

- 不動産を売るときには、地域特性に合わせた販売戦略が必要
- 世帯数は小幅ながら増加傾向で住宅需要も増えていると考えられる
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際は、地域の事情に詳しい不動産会社の専門家に任せたいという人も多いでしょう。売却を成功させるためには任せきりにせず、自分も一緒に考えることが大切です。
不動産はただ待っているだけで売れるものではありません。買い手になりそうな人の特徴を分析し、どのような手段を講じれば高く買ってもらえるかなど、不動産会社とともに戦略を立てることが重要です。地域特性を把握しながらそれに基づいた戦略を立てることが、より早く、高い価格での売却を成功させるポイントになります。
地域特性を分析し、どんな層がターゲットとなるかを考えてみましょう。地元に詳しい専門家である不動産会社の担当者ともよく相談して戦略を練ることをおすすめします。
大阪市都島区は、交通アクセスがよく、大阪都心部だけでなく奈良・和歌山方面へのアクセスも良好なため、ファミリー層をはじめ幅広い世代に人気のエリアです。
他の魅力的な不動産より優位に立ち、自分の不動産を購入してもらうためにも、販売戦略は重要です。ただし、絶対的な答えはありません。詳しくは地元に詳しいプロである不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。
大阪市都島区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
大阪市都島区は、古くはアシの茂る砂洲でしたが、近世になるにつれて、南端部は山城・河内・大和の国々と難波の地を結ぶ交通の要衝として、中北部は近郊農村として発達していきました。
河川が多い都島区は、水運などで栄える一方、淀川の洪水に悩まされます。しかし、1885年に起きた大洪水をきっかけに改修を実施。新淀川を開削し、毛馬の洗堰を築造するなど、大阪の近代化に大きな影響を与えました。
この淀川大改修を受け、豊富な水源に着目した大小の工場が都島区の中北部に進出し、急速な工業地帯化が進みました。昭和に入ると、公害対策などのため、工場は相次いで地方に転出し、広大な跡地は大規模集合住宅に生まれ変わったのです。今では、都心に近い交通要衝でありながら、整備された居住環境を併せ持つ人気の街となりました。
大阪市都島区の人口推移
大阪市都島区の人口は、2015年には10万4,727人、 前回調査のあった5年前では10万2,632人で、 比較すると2,095人増となっています。 同様に、世帯数は5万1,549世帯で、 前回調査のあった年前の5万75世帯と比較すると、1,474世帯(2.9%)増加しました。
大阪市都島区は穏やかな人口動態と言えます。世帯数は小幅ながら増加傾向なので、住宅需要も増えていると言えるでしょう。
大阪市都島区で人気のエリアは?
ファミリー層には、子育て環境や交通利便性が良く、落ち着いた環境で暮らせる街が人気です。大阪市都島区では、桜ノ宮駅が人気の地域です。
桜ノ宮駅にはJR大阪環状線が乗り入れており、梅田駅や京橋駅まで乗り換えをせずアクセスが可能です。通勤・通学はもちろんのこと、週末のショッピングや外食も充実するでしょう。さらに、桜ノ宮駅は都島駅も徒歩圏内なので、大阪市営地下鉄谷町線も利用できるというメリットもあります。
桜ノ宮駅周辺は、再開発によってきれいになった街並みが魅力です。2016年に完成した「サンフォーリーフタウン桜ノ宮」は、183戸のファミリー向け住宅棟・104戸のシニアサービス付住宅棟・共用施設棟が併設される多世代共生型マンションです。子育て世帯が多く住むため、周辺もきれいに生まれ変わりました。
さらに、桜ノ宮駅には、大規模高機能センター、救命救急センターなど58の診療科を兼ね備えた「大阪市総合医療センター」があるので、もしもの時も安心です。交通利便性がよく、街がきれいに整備されており、大きな総合病院もある桜ノ宮駅は、ファミリー層をはじめ幅広い世代にとって住みやすい街と言えるでしょう。
大阪市都島区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点

- 大阪市都島区の空き家率は全国平均より高い
- 北野都島線(都島本通交差点~野江4交差点)の区域が都市計画道路の対象から外れた
ポイント・注意点1
大阪市は全体的に空き家率が高い傾向があります。2013年における空き家率は、全国平均の13.5%と比べ、大阪市は17.2%と高い水準でした。大阪市都島区の空き家率は15.9%で、大阪市全体よりは低いものの、9,770戸もの空き家が存在しています。
空き家増加の要因は、世帯数よりも住宅数が上回り、供給過多の状態であることです。高齢単身者の増加や、居住ニーズの多様化、新築物件の供給が活発であること、借家率が高いことも要因として考えられます。
今後も全国的に人口高齢化が進むと予測されており、空き家率が上昇することで、不動産は売却しにくくなる可能性も。売却を検討している方は、先延ばしにせず、早めに売却を進めることをおすすめします。
ポイント・注意点2
大阪市では、2017年4月に、都市計画道路の一部について区域を廃止しました。都島区においては、北野都島線(都島本通交差点~野江4交差点)が廃止の対象になります。
この区域には、建築物の階数や構造などに関する建築の許可(都市計画法第53条)を受ける必要がなくなりました。建築の幅が広がるため、ターゲットも広がります。該当区域の不動産を売却する場合は、アピールポイントになることを覚えておきましょう。
まとめ

本記事では、不動産売却の基本的な流れと、大阪市都島区での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 都島区の地価はわずかに下落傾向で、マンションの取引価格は上昇している
- 都島区の不動産取引件数はマンションを中心に増加傾向で、不動産需要が高い
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。大阪市都島区での不動産売却をお考えの方は、大阪市都島区の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。