- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 淀川区は駅近・コンパクト物件の取引が盛んなエリア
- 再開発により住みやすさが向上している
- 淀川区は大阪市の中でも地価が高い
大阪市淀川区といえば、新大阪駅がある地域です。新大阪駅は地下街が非常に充実しており、お土産だけでなく、普段使いできる飲食店や専門店が立ち並びます。
広くて楽しい地下街は、ついつい色んなお店に立ち寄ってしまって迷い込み、「巨大迷路」と呼ばれるほどです。新大阪駅は、早ければ2037年にはリニア中央新幹線が大阪まで全面開業することもあり、さらなる発展が期待できる街と言えるでしょう。
新大阪駅だけでなく、塚本駅や十三駅などでも再開発が進んでおり、淀川区は大阪市のなかでも地価が高めです。そんな大阪市淀川区における不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときの注意点まで紹介していきます。
大阪市淀川区の不動産動向
- 淀川区は大阪市内でも不動産取引が活発なエリア
- 駅から近い物件の取引が多い
2019年の不動産の取引件数をみると、淀川区は大阪市内で3番目に多く、合計456もの不動産取引がされています。そのため、不動産取引が活発なエリアと考えてよいでしょう。
なかでも、東三国駅(94件)、新大阪駅(63件)、塚本駅(59件)などの駅周辺が取引件数が多い傾向があります。
淀川区の不動産売却における特徴は、駅近物件の取引が多いということです。駅徒歩10分以内の物件が多く、投資用マンションを売却する人や、駅からの近さを重視して購入する人が多いと考えられます。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
大阪市淀川区の相場を知ろう
- 淀川区の不動産取引件数は横ばい
- 不動産取引相場は土地は上昇、一戸建て・中古マンションは下落
まずは大阪市淀川区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
大阪市淀川区の地価・不動産相場の推移
大阪市淀川区の地価は、1年前と比較して1.2%増加しており、2019年は28万4,000円/㎡となっています。大阪市24区でみてみると、淀川区は10番目に地価が高いエリアです。
神戸線、京都線、宝塚線が通っている十三駅や、大規模マンションが建築された塚本駅などの取引が活発な傾向があります。最も土地相場が高いのが西中島南方駅で、40万4,000円/㎡です。
西中島南方駅は御堂筋線が乗り入れており、新大阪駅まで1駅と利便性が高いことや、リニア中央新幹線の全面開業を見越して、高額で取引されていると考えられます。
2018年の大阪市淀川区の年間不動産取引は合計458件でしたが、2019年は456件とほぼ横ばいです。取引価格は1年前と比較すると約21.3%下落していますが、昨年取引された一戸建てのうち、2億円後半で取引された物件が影響したと考えられます。
この1年で土地は13.6%上昇し、一戸建ては26.14%下落、中古マンションは2.12%下落しました。所有している不動産が土地の場合は高い相場のうちに売り、一戸建てや中古マンションの場合は再度上がるタイミングを待つか、早めに売却するとよいでしょう。
大阪市淀川区の売却動向や売却相場の動き
大阪市淀川区で取引されている不動産の数は、種別問わず横ばいです。一定して流通・ニーズがあるエリアと考えてよいでしょう。
大阪市淀川区の不動産売却における特徴は、駅から近い物件が多いことです。特に中古マンションに関しては、「徒歩10分以内」の物件は237件から266件と増加しています。
平均面積も47.6㎡から43.5㎡と小さくなり、1LDKまでの間取りの物件は110件から128件に増加しました。駅から近く、コンパクトサイズの投資用物件を売却する人が増えていると考えられるでしょう。
参考)大阪市淀川区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最寄り駅徒歩10分以内 | 2,200万円 | 2,100万円 | 3,500万円 | 3,200万円 | – | – | – |
最寄り駅徒歩10分以上 | 2,850万円 | 2,100万円 | – | 2,300万円 | – | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最寄り駅徒歩15分以内 | 2,900万円 | 2,500万円 | 2,000万円 | 3,150万円 | 3,600万円 | 3,350万円 | 3,000万円 |
最寄り駅徒歩15分以上 | – | – | – | – | – | – | – |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- JR塚本駅には大規模の新築マンションが完成
- 阪急十三駅は地上40階の超高層複合ビルが建築予定
リニア中央新幹線の全面開業が期待される大阪駅だけでなく、大阪市淀川区では、さまざまなエリアで大規模新築マンションが建築が進んでいます。
2020年1月にはJR塚本駅近くに総戸数312戸の「ジェイグラン シティ 塚本」が完成。大阪駅から1駅という好立地なうえ、公園も多く、都心近くでのびのびと暮らしたいファミリー層に注目されています。
また、阪急十三駅の東側も大規模な再開発が進行中。「淀川区役所跡地」の敷地を活用し、地上40階の超高層複合ビルの建築される予定です。2023年には8階建ての専門学校が、2025年には40階建ての施設棟が完成予定。総戸数660戸の住戸、市立図書館、保育・学童施設、スーパーも入り、駅周辺の環境が大きく変化するでしょう。
大規模な新築分譲マンションの建築が進む大阪市淀川区ですが、新築マンションは価格が高額で手が出ないことも。新築マンションよりも価格上のメリットを打ち出し、中古マンションや一戸建てに流入を促すのもおすすめです。
【売却のコツ】大阪市淀川区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 淀川区は梅田などの都心部へアクセス良好なのに落ち着いた環境
- 淀川区の人口は年々増加し不動産需要も高い
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売るときには、地域の特性に合った販売戦略が不可欠。販売戦略とは、例えば、どんなターゲットに対してどのような手段(ポータル、チラシなど)で、どんな文言を使って不動産の魅力を伝えていくか練ることです。
不動産を高く・早く売却するために大切なことは、不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、売主であるあなたも一緒に考えること。実際に不動産を所有していた売主であるあなたは、不動産や地域の特性をよく知っている可能性が高いためです。
しかし、街は常に変化し続けます。住み慣れた地域であっても、地域特性は改めて知っておく必要があるでしょう。
特に大阪市淀川区の場合、多くの不動産が流通しているエリアなので、不動産を売る環境はより競争的であるとも考えられます。他のライバル物件よりも魅力的に打ち出し、購入してもらう為にも、販売戦略を練ることは重要です。
地域の特性から、不動産を買いたい人はどんな人なのかを考えてみましょう。ただし絶対的な答えはありません。詳しくは、不動産会社の人と相談することをおすすめします。
大阪市淀川区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
大阪市淀川区は、江戸時代には中津川(今の淀川)による水害に悩まされながらも、農民たちが自力で中島水道を開削し、街をつくっていきました。東京オリンピックが開催された1964年には、東海道新幹線が開通し、新大阪駅が誕生しました。
また、地下鉄御堂筋線が延伸され、梅田駅から新大阪駅までの移動がスムーズになりました。万国博覧会の開催にいたり、新大阪駅はまさに交通の要衝として全国に知れ渡ることとなります。
1997年には都心へのアクセスとなるJR東西線が開通。2000年には阪急宝塚線の三国駅付近の全線高架化が完了しました。大阪、梅田方面だけでなく、神戸三宮駅や西宮方面への行きやすさも大阪市淀川区の人気の理由と言えるでしょう。
不動産価格も大阪、梅田がある大阪市北区より手頃なうえ、淀川の水辺や緑豊かな公園も共存しているため、無理なくのびのびと暮らしたいファミリー層からの人気があります。
大阪市淀川区市の人口推移
大阪市淀川区の人口は、2015年には17万6,201人、 前回調査のあった5年前から4,123人増となっています。1990年から年々増加しており、大阪市の中では24市中の2番目です。大阪市淀川区は人口が年々増加している分、 住宅需要も増えているといえます。
大阪市淀川区は若年層の割合が多いのも特徴のひとつ。人口のうち最も多いのが30歳~34歳の層で、2番目に多いのは25~29歳と働き盛りの層です。企業や工場が多く、様々な方面へのアクセスが良いことから、若年層が多く住んでいると考えられます。
参照:大阪市HP
大阪市淀川区で人気のエリアは?
ファミリー層には、子育てや通勤がしやすく、落ち着いた暮らしができるエリアに人気が集まります。そのうちの1つが神崎川駅です。2015年には駅近くに商業施設やクリニックモール、住居が入った複合施設が開発されました。
駅周辺には昔ながらの商店街や街並みが残りつつも、開発により利便性が向上した街です。神崎川駅は交通アクセスも良く、阪急神戸線に乗れば大阪駅までわずか3駅。名前の由来でもある神埼川周辺は見晴らしがよく、ジョギングコースとしても人気です。
川沿いには大型遊具が充実した広い公園もあり、のびのびと遊べる街といってもよいでしょう。梅田へのアクセスもよく、豊かな自然も充実しているため、ファミリー層を中心に人気のエリアです。
大阪市淀川区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 淀川区で取引されている物件は駅近立地が多い
- コンパクトサイズの投資用マンションの取引が多い
ポイント・注意点1
大阪市淀川区で取引されている物件の多くは、駅近の物件です。取引されている全種別の不動産のうち、約84.0%が駅徒歩10分以内の物件でした。特に、中古マンションにおいては、約90.4%もの物件が駅徒歩10分以内に位置します。
交通アクセスが充実している分、駅近物件の方がアドバンテージが高いといえるでしょう。そのため、所有している物件が駅から遠い場合は、価格を下げることでメリットを付けていく必要があります。
ポイント・注意点2
大阪市淀川区で取引されている物件は、単身用~夫婦向けのコンパクトサイズが多いのが特徴です。特に中古マンションに関しては、1年前の平均47.7㎡から43.5㎡と面積のコンパクト化が進んでいます。
大阪市淀川区には新幹線が通る新大阪駅があり、梅田・大阪・ミナミ方面へのアクセスも良好です。そのため、ビジネスパーソンによる単身用の中古マンション売買が盛んにおこなわれていると考えられます。
小さめな中古マンションも、駅近であればニーズは高く、高く売れることが期待できるでしょう。ただし、不動産売却を成功させるためには、綿密に情報収集をおこない、相談できる不動産会社をみつけておきましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、大阪市淀川区市での不動産売却に役立つマンション・戸建て・土地の相場情報や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 淀川区は新大阪駅に開通するリニア中央新幹線や、周辺エリアの再開発によって期待が集まっている
- 坪単価はわずかに上昇し、最も高い地価は西中島南方駅
- ビジネスマンの不動産ニーズが多いことから、駅近・コンパクト物件が多い
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。
大阪市淀川区市での不動産売却をお考えの方は、不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。