- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- いわき市は地価が上昇、居住地として人気のエリア
- 駅から遠くても、95㎡以上の物件は取引数が安定
- 温暖な気候で住みやすく、復興需要も続いている
いわき市と言えば、東北地方で最も集客力のあるスパリゾートハワイアンズや、アクアマリンふくしま、いわき湯本温泉などを有し、観光資源にあふれた都市です。また、いわき市は、福島県で最も人口が多く、居住地域としても人気のエリアと言えます。
豊富な観光資源を有し、東京から新幹線で約1時間35分で訪れることができる立地であることから、常に観光客でにぎわいのあるエリアです。また、居住エリアとしての人気が高く、地価が高いことでも有名。今後も地価が上昇すると考えられています。
そんな福島県いわき市エリアにおける不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときの注意点やポイントを紹介していきます。
いわき市の近年の変化
- 観光客数が多く、約700~800万人で推移している
- 駅から少し離れた物件でも売れる傾向
いわき市は、観光地が多いエリアで、2019年の観光客数は約755万人でした。2011年の震災時は約370万人台まで落ち込みましたが、その後2012年~2019年の推移は700~800万人で安定しています。
2020年前半はコロナウイルスの影響で観光施設は休館を余儀なくされましたが、5月中旬からアクアマリンふくしま、7月にスパリゾートハワイアンズが営業再開。今後も観光客数は回復すると見込まれます。
2019年の取引物件の特徴は、専有面積95㎡を超える広め物件の取引数が多くみられます。駅から10分以内とそれ以上かかる物件に大きな金額の差がないことも特徴で、物件購入者のニーズに合わせた物件が売れている傾向です。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得いく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
いわき市の相場を知ろう
- 2020年のいわき市の地価は微増
- 福島県内では、3番目に地価が高いエリア
- 中古マンション、一戸建てともに物件の大きさによる需要がある
まずはいわき市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
いわき市の地価・不動産相場の推移
いわき市の2020年時点の地価を見てみると、平均4万4,952円/㎡です。2013年から2020年まで継続して上昇傾向。この5年で合計11.96%上昇しています。いわき市のある福島県全体の2020年公示地価平均4万715円/㎡よりも地価が高いエリアです。
いわき市の不動産相場は、地価と同じく上昇傾向にあります。2019年の取引価格は、中古マンション、戸建て共に専有面積80㎡以下の物件の取引価格が前年よりも上昇。特に目立っていたのが駅から離れた立地の取引価格の上昇で、前年の約2倍になっています。
これは、いわき市全体の世帯人数の減少傾向により小型物件のニーズの高まっていることが考えられますが、同時に駅から遠い立地でも不動産売却がしやすい時期に突入しているということです。
地価の上昇率が微増にあり、上げとまったとも考えられる今が、不動産売却のチャンスではないでしょうか。いわき市内の所有物件をお持ちの方は、早めの売却戦略を練っておくことをおすすめします。
いわき市の売却動向や売却相場の動き
2018年と2019年の取引価格中央値を比較すると、中古マンションでは駅から10分以上の物件の取引金額が2倍近くに上昇し、10分以内の物件も上昇傾向。専有面積70㎡の小さめの物件の取引が多い傾向にあります。
中古戸建は、駅から15分以上の専有面積80㎡の物件の取引金額が2倍近くに上昇。駅から15分以内の専有面積100㎡以上の物件も上昇傾向で、15分以上は取引相場が安定。しかし、専有面積80~95㎡の物件は立地にかかわらず取引金額が低くなっています。
いわき市の売却相場の動きとして、駅からの近さよりも物件の大きさに焦点を当てた物件購入者が多く、取引金額が増加傾向にあるといえるでしょう。
参考)いわき市での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
| 専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩10分以内 | 2,400万円 | – | – | – | – | – | – |
駅徒歩10分以上 | 2,000万円 | – | – | – | – | – | |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
| 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅徒歩15分以内 | – | – | – | 800万円 | 2,700万円 | 2,700万円 | 1,200万円 |
駅徒歩15分以上 | 1,500万円 | 1,100万円 | 400万円 | 1,150万円 | 2,300万円 | 2,700万円 | 2,300万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 2015年の地価上昇全国ランキング10位以内をいわき市が独占
- 復興事業による雇用の増加、今後も継続される
- 公共事業の多い浜通りエリアの地価が上昇している
いわき市の近年の不動産価格に影響を与える変化は、2011年東日本大震災による移住者の増加があげられます。震災後の2015年は、住宅地の地価上昇率の全国ランキングでは、上位10位をいわき市が独占。
被災者を仮説住宅で受け入れることで、人口の増加と住宅地の需要が顕著な地域でした。その後、仮設住宅からいわき市内へ移住した人が増えたことで不動産取引価格にも影響を与えています。
また、復興需要が追い風となっており、復興事業による雇用が増え、復興特別所得税は2037年まで継続。予算は減少傾向にはありますが、今後も雇用面の安定が見込まれることで、不動産価格も安定すると予測されます。
いわき市では、公共事業の多い浜通りのエリアを中心に土地価格が上昇しており、この傾向はまだ続くでしょう。
しかし、いわき市の人口は減少傾向にあり、同時に家を買う世代(30代前後)の人口も減少していることから、需要が減り地価が下がる可能性もあります。不動産価格が上昇傾向のうちに、売却の戦略を練ることが重要です。
【売却のコツ】いわき市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 地域特性を知った上で、不動産売却の戦略を練ることが重要
- 観光施設が多く、温暖な気候に恵まれたエリア
- 人口は減少傾向にあるが、世帯数は増加している
地域特性を知るメリットとは?
不動産を高く売るためには、地域特性を知ることが不可欠です。そのためには、不動産会社にまかせておくだけではなく、自分でリサーチをする必要があります。
不動産会社も不動産を売る専門家としてのノウハウはありますが、その売却戦略の方向性が合っているかを売主として確認できることが大切です。
たとえば、売却したい不動産を買いたいと考える購入者はどんな層なのか、その層に届ける手段としてはどんな広告方法があるかなど、自分で戦略をもって不動産会社へ提案できるくらいのリサーチをしておくと良いでしょう。
売主自ら、魅力的なキャッチコピーをつくったり、写真を撮影したり、アピールポイントを考えたりして、売却活動を行うことでより高く売れやすくなります。複数の不動産会社に見積もりを取るなど、常にアンテナを張っておくことも重要でしょう。
特にいわき市は、県内でも地価が高いエリアのため、買い手が多く販売戦略によって販売価格が大きく変わってくる可能性があります。地域特性を知り、取引情報を集めることで、不動産が高く売れる確率が上がるというメリットがあるのです。
もちろん、戦略をもとに担当の不動産会社に客観的な意見をもらうことで、戦略の精度も上がります。主体性のある戦略を考えながらも、不動産会社に相談の上での不動産の売却をしていきましょう。
いわき市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
718年に石城国が誕生し、その後1602年に磐城平藩が成立したのが「いわき」という地名の由来です。また、11世紀の中ごろには、岩城氏が統治することとなり、現在の「いわき」市への基礎づくりが始まったとされています。
現在のいわき市は、観光施設が豊富。スパリゾートハワイアンズやアクアマリンふくしまなどの大型レジャー施設をはじめ、豊かな自然に囲まれた土地を活かした観光スポットも人気を博しています。
いわき駅付近には、磐城平城跡があり、丹後沢公園や源氏によって建てられた飯野八幡宮などを徒歩で散策できるコースも。となりの内郷駅の近くには、県内唯一の国宝建造物である「願成寺白水阿弥陀堂」など、周遊しやすい観光スポットも充実しています。
東京から新幹線で約1時間35分ほどの好立地として、観光人口も年間700万人ほどと魅力のあるエリアといえるでしょう。
また、いわき市は年間の日照時間が長く、1日の平均気温が最も高いことで知られています。立地も沿岸部であることが幸いして、福島県内の内陸部と比較して、冬は冷えにくく、夏は暑くなりにくいため、年間の寒暖の差が小さい住みやすい地域なのです。
いわき市の人口推移
いわき市の2020年の人口33万7,765人で、2019年より2,796人減少しています。国勢調査結果の変更から2016年に2万4,075人増を記録していますが、実際の数値は1998年の36万661人をピークに毎年0.1~1.1%の減少。
震災の翌年の2012年は2.5%減少しましたが、2018年からの直近3年間は毎年0.8%の微減が続いています。減少傾向はありますが、いわき市は福島県内で1位の人口を誇るエリアです。
また、世帯数は増加傾向で、2020年は14万3,500世帯。2019年より596世帯増加しています。2020年が1世帯当たり2.38人と、2019年からは0.03人の減少。5年前の2015年と2020年を比較すると世帯数は1万3512世帯増、1世帯当たりの人員は0.15人減少しています。
いわき市で人気のエリアは?
いわき市では「浜通り」エリアが人気です。浜通りは、相馬市からいわき市まで続くエリアですが、最も人口が多いのがいわき市で、ファミリー層にも人気があります。
東北でありながらも沿岸部であるため温暖な気候で住みやすく、海に面した立地を活かした海水浴場やレジャー施設も多いため、子育てに適している土地といえるでしょう。また、地価の高い「いわき駅」周辺は、市の中心地区でありながら、太平洋に面した浜通りの一大拠点となっています。
いわき駅から東京駅までは、新幹線で約1時間35分、在来線のJR常磐線でも約2時間。さらに車でも常磐自動車道で3時間ほどとアクセスが良く、東北地方の中でも随一の東京へのアクセスの良さが魅力です。いわき駅周辺の人気の理由といえるでしょう。
いわき市は、福島県の約7割を占めるほどの広い面積のため、移動手段に車は必須といえますが、スーパーや大型商業施設、コンビニなども豊富で、買い物に困ることはありません。自然に囲まれた温暖な地域でののんびりとした暮らしが楽しめるエリアです。
いわき市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 新型コロナウイルスによる観光施設への影響を踏まえる必要がある
- 地価が高いエリアなので、不動産会社の比較検討が重要
ポイント・注意点1
不動産売却を考えるうえで、新型コロナウイルスの影響による、いわき市内の観光施設や商業施設の動向を見極めることが必須です。いわき市も観光施設の休業や外出自粛制限の影響を受け、2020年度の観光人口は大幅に減ることが予測されます。
2020年の地価公示価格はいわき市全域では微増の地域が多いですが、今後商業施設の経営状況によっては、大幅な減少に転じる可能性も否めません。
人気エリアのいわき駅周辺や浜通りエリアの物件に人気が集中している側面はありますが、いわき市内の不動産の価格は上げどまりつつあるかもしれません。いわき市内の土地をお持ちの方は、早めの売却戦略をたてておくことをおすすめします。
ポイント・注意点2
不動産売却をする際の不動産会社の選定は慎重に行うことが大切です。いわき市の不動産業者数は、福島県宅建協会によると167件。いわき市の1万世帯あたり約11.6店舗の不動産業者がいる計算となり、比較できる不動産会社が多いといえるでしょう。
参照:福島県宅地建物取引業協会
いわき市は福島県全域よりも地価が高いため、売主に有利な条件で売ることができる可能性が大きいと考えられますが、不動産売却にかかわる不動産会社選びも重要です。
いわき市は、比較検討できる不動産会社が多いので、複数の不動産会社の見積もりを取り、より良い条件で売ることができる不動産会社を選ぶようにしましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、いわき市での不動産売却に役立つ相場情報や街の魅力や人気エリア、地価推移や今後の不動産売却のポイントについて紹介しました。
- いわき市の不動産売却の相場、不動産売却のポイントを紹介
- 不動産売却の前のリサーチが不可欠
- 所有物件をより高く売るには、視野を広くもった不動産比較が重要
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
大切な所有不動産を売るためには、地域特性のリサーチが不可欠です。所有している物件の立地や広さなどから戦略を立てて売却をしましょう。
また、不動産を高く売るためには信頼のできる不動産会社を探すことも重要です。いわき市は不動産会社を比較できる立地にあるので、視野を広くもって不動産会社を探すことをおすすめします。