- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 堺市西区は、難波・大阪まで約40分の通勤圏内の立地
- 立地のわりに地価が安い
- 共働きファミリー層の子育てに適したエリア
堺市西区は、政令指定都市を構成する区として都市部に位置していながら、海に面している、堺泉北港や堺泉北臨海工業地帯を有する地域です。自然豊かな浜寺公園ではバーベキューやプールの集客でにぎわっています。
交通の便も良く、西区中心部の上野芝駅から難波駅まで約35分、大阪駅まで約40分と通勤圏内にある都市です。大阪市内と比較して堺市は地価が安く、中でも西区は関西の主要駅までのアクセスが良いため、マイホームの購入を検討する方も多いでしょう。
そんな堺市西区における不動産情報について、地域特性の詳細や不動産を売却するときの注意点やポイントを紹介していきます。
堺市西区の不動産動向
- 堺市西区の住宅着工数が減少傾向
- 共働きのファミリー層の住宅ニーズが高まる
堺市西区の不動産動向としては、住宅着工戸数が減少傾向にあります。これは、堺市全域でも同じ動きとなっていますが、家を買うファミリー層の人口が減少していることが要因の1つでしょう。
ただし都市部への通勤を考えたファミリー層は駅の近くのマンションを選択することが考えられます。近年は共働き世帯が増えているため、通勤の便利さを考える方は増加するのではないでしょうか。
また、堺市西区の世帯数は増加しています。今後、小型物件の需要はさらに高まるでしょう。実際に、2018年、2019年の駅から近い物件の取引が成立していることからも、人口減少の中でも不動産のニーズがあります。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買をおこなうためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
堺市西区の相場を知ろう
- 堺市西区の地価は継続して上昇傾向
- 駅から近い一戸建て、マンションの価格の取引数が安定
- ファミリー層向けの広さの物件が人気
まずは堺市西区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
堺市西区の地価・不動産相場の推移
堺市西区の2020年時点の地価を見てみると、2019年から約1.84%上昇しており、平均13万362円/㎡です。2014年から2020年まで継続して上昇傾向。毎年約0.1~0.7%上昇していましたが、2020年の上昇率が一番大きい結果となっています。
堺市西区の不動産相場は、地価と同じく上昇傾向にあります。2019年は、中古マンション、戸建て共に駅から近い物件の取引があり、取引価格は前年よりも上昇傾向。また、駅から離れている一戸建てでは、2019年は小型物件の取引が成立しています。
地価の上昇率が直近で最高を記録していることもあり、不動産売却の検討をすべき時期にさしかかっています。堺市西区内に所有物件をお持ちの方は、早めの売却戦略を練っておくと良いでしょう。
参照:国土交通省HP
堺市西区の売却動向や売却相場の動き
2018年と2019年の取引価格中央値を比較すると、中古マンションでは駅から10分以内の物件の取引があり、2019年は専有面積70~75㎡の小型物件が80㎡の物件より取引金額が高い傾向です。
また、中古戸建も、駅から15分以内の物件の取引が成立しています。専有面積90~95㎡の物件の取引金額が上昇。駅から15分以上の物件では、専有面積80~85㎡の物件の取引があり、100㎡の取引金額は上昇傾向にあります。
堺市西区では、駅から近い物件の取引が成立しており、マンションでこの動向が顕著です。戸建ては駅から遠くてもファミリー向けの大きさの物件(100㎡前後)の取引金額が上昇しており、ファミリー層の購入が増加傾向にあると考えられます。
参照:国土交通行政関係資料
参考)堺市西区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 1,950万円 | – |
75㎡ | 2,400万円 | 1,300万円 |
80㎡ | 1,700万円 | – |
85㎡ | 4,000万円 | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | 1,700万円 | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,265万円 | 700万円 |
85㎡ | 900万円 | 1,700万円 |
90㎡ | 2,200万円 | 2,300万円 |
95㎡ | 3,200万円 | 2,400万円 |
100㎡ | 3,200万円 | 2,600万円 |
105㎡ | 2,750万円 | 1,100万円 |
110㎡ | 2,450万円 | – |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 2022年の生産緑地問題の影響を受ける可能性がある
- 地域の動向を見極めながら不動産売却を検討する
堺市は、2022年の生産緑地問題の影響を受けると考えられます。生産緑地とは、住環境の維持や地盤保持などを目的とした地域です。生産緑地の指定後30年間は宅地に転用できず、売買もできないという制限がありました。
しかし、2022年に生産緑地指定から30年を迎えることになります。大阪府は、東京都に次いで2番目に生産緑地の面積が広く、大阪府の中でも堺市はもっとも生産緑地の多い街であり、堺市の不動産に影響を与える可能性は大きいと考えられるでしょう。
2022年以降は、多くの農地が宅地化されると予測されますが、生産緑地の全てが一気に宅地へ転用されるわけではありません。地域の動向を確認しながら、慎重に不動産売却を検討していきましょう。
参照:国土交通省都市局
【売却のコツ】堺市西区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 売主だから伝えることができるアピールポイントを考えて売却活動を
- 人口は減少傾向だが、世帯数は増加傾向
- 上野芝駅や浜寺公園駅など駅から近いエリアが人気
地域特性を知るメリットとは?
不動産を高く売るときに、地域特性を知っておくことはメリットとなります。不動産会社にまかせておくだけではなく、自分でリサーチをして戦略を練っておくことが、不動産の売却価格を上げることにつながるといっても過言ではありません。
不動産会社も不動産を売る専門家としてのノウハウはありますが、売主自身が売却戦略の方向性が合っているかを確認することが大切です。
売却したい不動産を買いたいと考える購入者はどんな層なのか、その層に届ける手段としてはどんな広告方法があるかなど、自分で戦略をもって不動産会社へ提案できるくらいのリサーチをしておくと良いでしょう。
売主自ら、魅力的なキャッチコピーをつくったり、写真を撮影したり、アピールポイントを考えたりして、不動産会社の担当者と協力して売却活動をおこなうことでより高く売れやすくなるのです。また、視野を広く持ち、複数の不動産会社に見積もりを取るなど、常にアンテナを張っておくことも重要です。
堺市西区は、大阪府内の平均よりは地価が低いエリアなので、人口減少傾向があっても、転入による不動産の需要が予測されます。販売戦略によっては、売却価格が大きく変わってくる可能性もあるでしょう。
地域特性を知り、取引情報を集めて戦略を考えた上で、信頼できる不動産会社に相談することをおすすめします。
堺市西区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
堺市西区は、平安~江戸時代に紀州街道や熊野街道(小栗街道)を中心に商業町として栄えました。現在も一部で歴史的な街並みの面影が残っています。また、1873年には「浜寺公園」が日本最初の公園のひとつとして指定されました。
1929年の阪和線開通によって市街化されたことで徐々に街が賑わい、1958年の臨海工業地の埋立てが始まり、製造業地区へと発展した経緯があります。
堺市西区は、西部が大阪湾に面しており、臨海部には工場が集積しています。また、臨海部の堺泉北港だけでなく、浜寺水路、石津川や百済川等の河川、鶴田池や万崎池等の多数のため池など水辺を活かした街並みも魅力となっています。
交通のアクセスの良い立地でありながら、自然豊かな魅力あふれる土地は、子育てをする共働きのファミリー層の居住地として注目度の高いエリアと言えるでしょう。
堺市西区の人口推移
堺市西区の人口は、2020年6月時点で13万4,921人、2019年6月は13万5,485人だったため、 比較すると564人の減少。世帯数は増加傾向で、2020年6月時点で5万6,783世帯。2019年6月の5万6,444世帯からの1年で339世帯増加しています。
堺市西区で人気のエリアは?
堺市西区の人気のエリアは、上野芝駅周辺です。堺市西区の中心部と言えるエリアで、なんばや大阪へのアクセスも良いため人気を集めています。
上野芝駅はJR阪和線が乗り入れており、西区で一番大阪市方面に近い立地の駅のため、大阪駅や難波駅へのアクセスも約35~40分です。
また、南海鉄道の諏訪ノ森駅と浜寺公園駅も地価が上昇。海に近く、緑豊かな浜寺公園周辺のエリアであることから、子育てに適した立地としてファミリー層からの人気が高まっていると考えられます。
堺市西区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 2025年大阪万博の影響で地価が高騰
- 不動産会社の数が多いエリアなので、リサーチや相見積もりを取る
ポイント・注意点1
堺市西区のある、大阪府では2025年に大阪万博を開催することとなりました。その影響もあり、大阪府の不動産価格は上昇傾向にあります。大阪府の坪単価は111万2,260円で、前年より約2.08%の上昇。2016年から毎年約1.0~2.0%ずつ上昇傾向にあります。
2018年に万博の誘致が決定してからは、商業用の不動産投資が最高値を記録。大阪府は、大阪万博にあわせて鉄道などのインフラ整備を行う予定なので、これにともない不動産売却価格が高まる可能性があります。
この流れにのって、2025年までは不動産価格の高騰が予測されるので、現時点で売却したいと考えている所有不動産がある場合には、2025年を意識した早い時期の売却を検討すると良いでしょう。
ポイント・注意点2
堺市西区は立地のわりに地価が低いエリアなので、今後購入者のニーズが高まることが予測されます。そのため、売主に有利な条件で不動産売却ができるのではないでしょうか。しかし高く売るためには不動産売却にかかわる不動産会社選びも重要です。
西区には多くの不動産会社が立地しているため、比較検討にも時間を要する可能性がありますが、希望通りの売却を実現するためにも、不動産会社の選定は慎重におこないましょう。
まとめ
本記事では、堺市西区での不動産売却の相場や地価の動向などを、不動産売却の基本的な流れを踏まえて紹介しました。
- 本記事では、堺市西区の不動産売却の相場、地価動向を紹介
- 不動産売却前に地域特性のリサーチをする
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を売却する際には、事前に地域特性や不動産動向のリサーチに加え、信頼のおける不動産会社探しが欠かせません。売主としての戦略を考え、的確なアドバイスをくれる不動産会社を見つけましょう。