- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 八尾市は山が近く自然も豊かで都心部へも好アクセス
- 地価は長らく続いた下落傾向が持ち直しやや上昇
- 再開発により商業施設や住宅地が増加しているので今後に期待
八尾市は、中小企業を中心とした高度な技術力と製品開発力を誇るものづくりのまちです。毎年9月には八尾河内音頭まつりが盛大に開かれ、室町時代から続く河内音頭が現在も継承されています。市内には近鉄大阪線、JR大和路線、地下鉄谷町線が走り、難波駅など都心部へのアクセスもいいエリアです。
八尾市は生駒山地を越えれば奈良県ということもあり、山が近く自然が多いのも特徴です。最近では久宝寺駅周辺にタワーマンションが建ち、駅やスーパーなどが直結した利便性の高いエリアも誕生しました。近鉄八尾駅前や大阪外環状線沿いには商業施設が多く、買い物にも便利です。
ここでは、八尾市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときに注意すべき点やポイントなどを紹介していきます。
八尾市の最近の様子
- 八尾市ではこの30年間、激しい人口の増減はない
- JR久宝寺駅周辺はタワーマンションが建つ人気のエリア
- 近鉄八尾駅直結のLINOASとArio八尾が八尾市メインのショッピングセンター
八尾市ではこの30年間で激しい人口の増減はありませんが、世帯数は年々上昇を続けています。特にJR久宝寺駅の周辺には駅直結のタワーマンションなどが立ち並び、深夜営業もしているスーパーや大きな市立病院もあります。
天王寺まで快速電車なら一駅、梅田までも30分程度で行けるので、通勤通学に便利な立地です。八尾市の東側には高安山など生駒山地が連なり、豊かな自然も味わえます。近鉄八尾駅と連絡口で結ばれているLINOASとArio八尾は、八尾市内で最も集客力のある大型ショッピングセンターになっています。
不動産の取引数も安定しており、中古マンションよりも中古一戸建ての方が取引件数が多くなっています。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に1歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
八尾市の相場を知ろう
- 八尾市の2020年公示価格は13万5,224円/㎡
- ここ数年地価は下落傾向だったが、やや回復の兆しが見られる
- 公示価格が高いのは近鉄八尾駅周辺のエリア
- 中古一戸建ては中古マンションの4倍の取引件数
- 中古一戸建てはJR八尾駅や河内山本駅、恩智駅周辺の物件が多い
まずは八尾市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
八尾市の地価・不動産相場の推移
八尾市の2020年の公示価格は13万5,224円/㎡で、前年比0.15%増とわずかに上昇しています。この10年間続いてきた下落傾向がこの数年でわずかに上昇し、回復傾向にあると言えるでしょう。今後はわずかながらでも価格の上昇が続くのか、価格動向が注目されます。
八尾市内でも公示価格が高いのは近鉄八尾駅周辺で、地価は約30万円/㎡と高くアリオ八尾周辺では前年比2.24%増と大きく上昇しています。地価が最も低かったのは近鉄服部川駅周辺で地価は約4万円/㎡前後で前年比約2〜3%減と大きく下落しています。
八尾市内でも山に近い地域では特に下落傾向が顕著で、前年に比べて約2〜3%の下落が見られます。
八尾市の売却動向や売却相場の動き
八尾市では、中古マンションよりも中古一戸建ての方が取引件数が多くなっていますが、その差は約4倍で、中古マンションの大半は久宝寺駅と近鉄八尾駅周辺に集中し、ファミリー向けの3LDKがほとんどです。近鉄八尾駅周辺の2,000万円台の3LDKの物件の取引数が多く、人気があることが分かります。
中古一戸建てはJR八尾駅や河内山本駅、恩智駅周辺の物件が多く、築年数が数年で駅から15分以内の物件が多くなっています。広さは90㎡以上の広い物件がほとんどで、3,400万円〜5,500万円で売却されています。最も多い価格帯は3,000万円台の物件です。
参考)八尾市での直近の取引価格情報
中古マンション(駅距離基準値:10)
– | 駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 |
---|---|---|
70㎡ | 3,200万円 | – |
75㎡ | 3,350万円 | 1,000万円 |
80㎡ | 4,300万円 | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | 5,600万円 | – |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,850万円 | 1,800万円 |
85㎡ | 2,700万円 | 1,400万円 |
90㎡ | 3,100万円 | 2,800万円 |
95㎡ | 3,200万円 | 2,700万円 |
100㎡ | 3,400万円 | 2,600万円 |
105㎡ | 3,000万円 | 2,800万円 |
110㎡ | 4,200万円 | – |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 2019年3月にJRおおさか東線が延伸され、新大阪駅まで直通になった
- 2019年に服部川・郡川地区が今後さらに開発が進むと予測されている
2019年3月にJRおおさか東線が延伸され、放出(はなてん)より先が繋がり、久宝寺駅から新大阪駅まで乗り換えなく1本で行けるようになりました。大阪府は新大阪周辺でリニア開業後を見据えた再開発を行うことを発表しており、久宝寺周辺もこれからさらなる発展が見込まれています。
また、八尾市では2019年に服部川・郡川地区が市街化区域に編入され、区画整理と再開発を予定しています。現在はスシローやコーナンといった店舗がありますが、今後また新しい大型商業施設の建設が期待されています。
元々大阪外環状線沿いは郊外型のショッピングセンターや飲食店が多い地域ですが、ここ数年間で区画整理事業が進められ住宅地や商業施設が増えています。
【売却のコツ】八尾市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 八尾市の2020年の推計人口では、大阪府の中では9番目
- 八尾市で人気のエリアは、近鉄八尾駅周辺
- 歯ブラシの出荷額で全国トップシェアを誇る
地域特性を知るメリットとは?
不動産売却をお考えなら、自分の不動産をどう販売するかという販売戦略はとても重要です。物件の特性やアピールポイントを把握しておくことはもちろんですが、物件の地域性を知っておくことも同じくらい大切です。次に八尾市の地域特性について、説明します。
八尾市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
八尾市は歴史遺産の宝庫とも言える長い歴史を持っています。八尾市東部にある高安山の山麓には、全国的に知られている「高安千塚(たかやすせんづか)古墳群」があり、200基以上もの横穴式石室墳が集中しています。
明治以降は八尾も綿糸生産で繁栄しましたが、輸入綿花の関税が廃止されたことで大正末期までに急速に衰退しました。綿を生産していた農家や工場がブラシ生産に活路を見出し、現在では歯ブラシの出荷額は全国トップシェアとなっています。
八尾の食卓に春を運ぶ若ごぼうは、全国でもトップクラスの出荷量となっています。実がしまっていて甘みがあるのが特徴の八尾えだまめも注目を集め、近畿有数の収穫量を誇っています。
八尾市の人口推移
2015年の国勢調査の結果、2015年の時点での総人口は26万8,800人と5年前の調査よりも2,660人減少していることがわかりました。また、世帯数においては11万414世帯と、5年前の調査よりも1,710世帯増えています。
八尾市の2020年の推計人口では、43市町村ある大阪府の中では9番目、世帯数も9番目です。八尾市全体では人口は減少していますが、特定の地域の人口が著しく増加・減少しているということはなく八尾市の全体的な人口がゆるやかに減少しているような状態です。
八尾市で人気のエリアは?
八尾市で人気のエリアは、近鉄八尾駅周辺です。TVなどで紹介されることも多い「Ario八尾」は、週末には周辺の道路が渋滞するほど人気で、2017年に撤退した西武百貨店の跡地にできた「LINOAS」も若い世代やファミリーに人気となっています。
繁華街の賑やかさが気になる方には河内山本駅周辺が人気です。八尾市一の繁華街・近鉄八尾駅にも近く、桜並木が続く玉串川沿い閑静な高級住宅街となっています。駅前にはスーパーやドラッグストア、銀行や郵便局があり、賑わいを見せる商店街も残っています。
自転車や車を使えば郊外型の大型店舗も数多くあり、日常の買い物には困りません。河内山本駅には近鉄大阪線の準急が停車するので、JR線の乗換駅でもある鶴橋駅や大阪が誇る繁華街ミナミがある難波駅までも約20分程度とアクセスは良好です。
八尾市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 駅からの距離や築年数で売却価格は大きく違いが出る
- ファミリー層向けのアピールポイントを探しておく
- 八尾市は地域のつながりが強いので、地元の不動産会社にも話を聞いておく
ポイント・注意点1
八尾市は中古住宅でも築浅の物件数が多く、地価も下落傾向が続いたため不動産売却には慎重にならざるを得ません。同じ八尾市内でも、駅からの距離や築年数で売却価格は大きく差が付きます。
八尾市内で物件を探す方はファミリー層が多いため、ファミリー層にとっての強みを強調したいところです。人気の小学校区であったり、庭が広い、駐車場が広いなどしっかりと所有する不動産の強みを知っておく必要があります。
場所によっては地価が上昇しているところもあります。価格の動きに注意しながら、より高い価格で売却するために、市場に出す前にクリーニングをしたり、家具や小物などでインテリアコーディネートを施した家を、プロのカメラマンに撮影してもらうなどしてみるのも一つの方法です。
ポイント・注意点2
物件を高く売却するためには、物件の強みを活かす販売をする能力のある不動産会社を選ぶことも大切なポイントです。いい不動産会社を選ぶためには多くの母数から自分に合ったところを探し出す必要があります。
八尾市は町内会や子供会が残っている地域も多く、地域の結び付きが強い地域です。不動産売却においても、地元情報に強い地元密着型の不動産会社を当たってみるのも一つの方法ではないでしょうか。また、近くにお住まいの方や不動産売却の経験がある方の話を聞いてみるのもいいでしょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、八尾市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 八尾市の地価は数年続いていた下落傾向から上昇傾向へ
- 近鉄八尾駅や河内山本駅周辺の人気エリアは3,000万円台が中心
- 中古一戸建ては中古マンションの4倍取引件数が多い
- 地域の結び付きが強いエリアだからこそ地元に強い不動産会社を選ぶ
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。八尾市での不動産売却をお考えの方は、八尾市の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。