- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- つくば市の不動産相場は茨城県内でも最高水準
- つくばエクスプレス沿線を中心に相場が上昇
- つくば市の外縁部や築10年以上のマンション売却の場合には注意が必要
国内最大の学術都市である筑波研究学園都市がある街として知られている茨城県つくば市。東京一極集中を是正するために周辺地域の街が様々な行政機能を分散して受け入れている「業務中核都市」に指定され、国立大学や研究機関など多くの学術機関を受け入れている街です。
もともと、学術都市としての色合いが強い街ですが、2005年に首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスが開業したことで、東京からのベッドタウンとしての機能も持つようになりました。
ベッドタウン化に伴って人口も増加しており、今後はつくばエクスプレスの駅周辺の再開発も計画されていることから、今後の地価上昇が期待されます。今回はつくば市における不動産情報について、地域の特性や不動産売却する際のおすすめの方法などを紹介していきます。
近年の相場傾向
- つくば市の相場は茨城県平均のおよそ2倍
- 不動産相場は県内2位で、都心までの良好なアクセスが人気
つくば市は、茨城県の中で高い水準で相場が推移しているエリアです。近年の茨城県の不動産相場は下落する一方で、県内の平均坪単価は全国的に見ても低い相場。一方、つくば市の市内平均坪単価は茨城県の平均と比較すると高水準で推移しています。
つくば市の不動産相場は県内では守谷市に次ぐ2位に位置し、県庁所在地の水戸市よりも高い相場です。都心までのアクセスが1時間を切る交通利便性の高い地域でありながら、首都圏と比較すると相場が比較的安いことから、ファミリー世帯などに人気のエリアといえます。
不動産売却の流れを把握しよう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
つくば市の地価・不動産相場を知ろう
- つくば市の平均相場はほぼ横ばい
- 人口増加数と増加率が県内トップクラスで今後も増加が期待できる
- 公示地価はつくばエクスプレス沿線での上昇が顕著
まずはつくば市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
近年の地価・不動産相場の推移
つくば市の地価は、2018年と2019年で比べると0.33%高くなっています。そこから5年前にあたる2014年と比較すると、5.77%高くなっています。茨城県全体で比較しても、地価は高いエリアであるといえます。
2019年時点の地価を見てみると、つくば市の平均売却価格は前半期と比較してマンションは74万円、戸建は262万円増加しています。戸建ての場合は専有面積が96㎡増加していることが要因と考えられます。一方、土地の売却額は614万円の下落で、相場の上昇が期待できることから、余裕があれば売却時期をずらすのも選択肢の一つです。
つくば市の売却動向や売却相場の今後
つくば市の売却動向は人口の増加に比例して好調です。売買されているマンションの平均的な売却動向は築年数11年で、専有面積は80㎡の2LDK〜3LDKの物件が多く、平均価格2,800円台で取引されています。
また、戸建の場合の取引平均は築年数16年で、専有面積347㎡と比較的広く、売却価格は3,500万円がひとつの基準になります。つくば市の売却相場はマンション・戸建ともに上昇しており、今後も人口増加に伴う住宅需要の増加が見込めるため、売却相場も引き続き上昇することが期待できます。
都心へのアクセスに優れている土地が人気
つくば市の2020年の公示価格の坪単価は1年前と比べてほぼ同水準です。しかし、つくば駅周辺や研究学園、みどりのといった人気エリアは地価が上昇しています。特につくばエクスプレスの沿線で地価の上昇が目立ち、つくば駅前の竹園や吾妻などは対前年比4%以上の地価上昇を記録。都心へのアクセスに優れている土地がつくば市内で人気といえるでしょう。
今後も人口増加によって都内への通勤者向けの住宅需要は継続すると見込まれており、つくばエクスプレスの駅周辺の地価は今後も上昇すると考えられます。
参考)茨城県つくば市での直近の取引価格情報
■中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | – | – |
75㎡ | 4,200万円 | 1,600万円 |
80㎡ | 3,100万円 | 2,400万円 |
85㎡ | 3,500万円 | 3,000万円 |
90㎡ | 3,400万円 | – |
95㎡ | 4,000万円 | 3,900万円 |
100㎡ | – | 2,300万円 |
※2019年取引価格中央値
■戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | – | 620万円 |
85㎡ | – | 700万円 |
90㎡ | – | 1,900万円 |
95㎡ | – | 425万円 |
100㎡ | 2,600万円 | 2,150万円 |
105㎡ | 3,900万円 | 2,550万円 |
110㎡ | 3,500万円 | 3,000万円 |
不動産価格に影響を与えそうなトピック
- つくば市には日本有数の学研都市である筑波研究学園都市がある
- 老朽化したエリアやつくば駅周辺の再開発が計画されている
- 再開発によって、生活利便性の向上や相場の上昇が期待できる
つくば市は1960年代に日本有数の学研都市を目指して建設された筑波研究学園都市が中心となってまちづくりが進んだ街です。2005年につくばエクスプレスが開通すると地域のあり方も変化し、つくばエクスプレスの駅周辺に新市街地が形成される一方で、筑波研究学園都市一帯の施設は老朽化が進行。
それに伴いバリアフリー化も進み、若年ファミリー層の流入による子育て施設も充実。時代に合致したまちづくりが求められるようになりました。
つくば市では現在、つくば駅周辺の再開発事業によって新たな地域の魅力を創出することを計画しています。市民の生活利便性を向上させるため、駅周辺にあるつくばセンタービルやセンター広場のリニューアル、中央公園のリニューアルを軸に、起業家や研究者の交流拠点、研究機関の窓口機能として、本来の国内有数の先端都市としての強みも最大限に生かしたまちづくりが期待できるでしょう。
【売却のコツ】高く売るために地域特性を把握しよう
- 国内有数の学研都市で、先端技術と豊かな自然が融合する街
- 人口増加数と増加率が茨城県トップクラス
- つくばエクスプレスの開業により都心のベッドタウンとして発展
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売却しようと考えている場合、地域の実態や土地や建物の価値について詳しい不動産会社の担当者に任せるのも方法のひとつです。しかし、不動産会社の担当者に任せてばかりでは、あなたが思った通りの不動産売却ができなくなってしまう可能性があります。土地や建物の情報をよく知っている売主が、不動産の魅力を最大限にアピールできるような写真やキャッチコピーを作るのも大切なポイントです。
つくば市は国内有数の研究学園都市であり、中心地はアカデミックな雰囲気と都会的な街並みの融合した先進的なまちづくりが進んでいます。一方で、かつては緑豊かな農村地帯だったことから、中心地を少し離れると日本の原風景ともいえる景色が広がり、このような自然に囲まれたエリアで暮らすことも可能です。
つくば市は、つくばエクスプレスの開通によって都心まで約45分でアクセスできるようになり、結婚や出産を機に都心からの移住者が増えています。県内で最も人口が増加しているエリアなので、今後も住宅需要の上昇に伴う相場と需要の増加が期待できます。
つくば市の街の魅力
■つくば市の地域特性
日本有数の研究学園都市であるつくば市には、筑波大学やJAXAなどおよそ150の民間研究機関や企業が立地しており、2万人近い研究者が市内で研究開発や高等教育に従事しています。
参照:つくば市役所
「世界の明日が見える街」をスローガンに、市内の研究の成果をまちづくりに取り入れているのが特徴です。たとえば、つくば市で栽培されているパン用の小麦には市内の研究機関で開発された品種が用いられています。国の「科学の街・国家戦略総合特区」に指定されているつくば市は、社会導入前の各種実証実験や子どもたちへの科学教育を充実するなど、明確な方針のまちづくりが進んでいます。
このように、先端技術を取り入れることに熱心な地域なので、新技術にいち早く触れたい場合や、新たなライフスタイル創出のための社会実験に興味がある方や、子どもへの科学教育を充実させたいファミリーに世帯とっては魅力的な地域といえるでしょう。
■つくば市の人口推移
つくば市の人口推移は2010年には21万4590人で、2015年には226,963人に増えています。その後も人口は増加傾向にあり、2020年の人口は238,008人(令和2年3月1日時点)。
つくば市の人口増加数は茨城県内で最も高く、人口減少の続く茨城県の中で成長を続ける地域といえます。今後もつくば駅周辺の再開発など利便性の高い街づくりを継続していくことから、引き続き人口増加が見込まれます。
参照:つくば市役所
※2010年・2015年は10月1日現在
■つくば市の交通利便性
2005年までは都心にアクセスする公共交通機関は高速バスだけでしたが、つくばエクスプレスが開業したことで一気に交通利便性が高くなりました。つくばエクスプレスは秋葉原とつくば間を約45分で結ぶことから、同沿線は都心の新たなベッドタウンとして注目を集め、タワーマンションや新興住宅地の建設が進んでいます。
つくばエクスプレス沿線エリアだけが茨城県内で人口増加していることからも、その効果の大きさがうかがえます。また、学研都市であることから、地方都市の中では高速バス網も充実しており、首都圏方面のバスや成田空港や羽田空港への空港リムジンバスだけでなく、名古屋や京都、大阪などへの高速バスも定期運行しています。
高速道路網も常磐自動車道と圏央道のインターチェンジがそれぞれ市内にあるため、首都圏への移動も都市間の移動も良好な環境にあるといえるでしょう。
つくば市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- つくばエクスプレス沿線以外の市内外縁部は相場が下落傾向
- 築10年以上のマンションの販売価格が大幅に下落するので要注意
ポイント・注意点1
つくば市はつくばエクスプレスの沿線の相場は高水準で推移していますが、沿線以外の郊外は地価が下がっています。人口増加や再開発計画など地価上昇が期待できる要素は多いですが、エリアによっては高値で売却できない可能性があります。所有している不動産がつくばエクスプレス沿線でない場合には、売却方法を工夫したり、売却価格をしたりするなどの対策が必要です。
ポイント・注意点2
マンションの売却価格が築年数によって大きく変動するのもつくば市の特徴です。特に、築年数10年以内で1LDKから2LDK程度の50〜70㎡のマンション売却価格は平均4,000万円ですが、築11年〜20年のマンションの場合1,650万円台まで大幅に下落します。一戸建ての売却ではこのような下落は発生しないため、特に築年数の古いマンションを売却する場合には、価格設定を慎重に行う必要があるでしょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、つくば市での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、坪単価、街の特徴などを紹介しました。
- 人口増加数と増加率が茨城県トップクラスで今後も増加が期待できる
- つくばエクスプレスの開業により都心のベッドタウンとして発展
- つくばエクスプレス沿線以外の市内外縁部は相場が下落傾向
- 築10年以上のマンションの販売価格が大幅に下落するので要注意
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが重要
不動産を高く売るためには、エリアに対してどのような購入層が考えられるのか、地域特性と相場を把握し戦略を練る必要があります。その際、信頼できる不動産会社からのサポートは欠かせません。つくば市で不動産売却をお考えの方は、該当エリアの不動産売却状況をリサーチしたうえで、あなたの希望に寄り添ってくれる不動産会社を探しましょう。