- 不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 山口市の人口は減少しているものの世帯数はやや増えている
- 山口市の不動産相場は低めに安定
- 新山口駅の都市計画による今後の発展や地価に期待
山口市は山口県のほぼ中央に位置する山口県の県庁所在地です。人口規模は同じ県内の下関市に次ぎ2番目となっており、2020年現在は19万4,326人でした。これは、山口県の人口の14.4%を占める割合となっています。
市域は南北に細長く、南は瀬戸内海に面しており、北は島根県と接しています。市内を山陽自動車道・中国自動車道が走り、県道も多く、道路網が整備されているため、県内のほぼ全域から山口市に1.5時間でアクセスすることが可能です。
また、山口市はクリスマス市として有名です。古くは、室町時代にスペイン人宣教師フランシスコ・ザビエルが山口でキリスト教の布教活動を始め、その後、宣教師コスメ・デ・トーレスらが山口市の司祭館でクリスマスを祝いました。
このことが「日本で初めて祝われたクリスマス」と認定され、山口市は「クリスマス市」と称し、関連した様々なイベントを市内各地で実施しています。ここでは、山口市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法までご紹介していきます。
山口県山口市の最近の様子
- 山口市は県庁所在地ではあるが、人口は下関市より少ない
- 積極的な観光客誘致を行なっているが、まだ効果はあまり出ていない
- 今後インバウンド需要を取り込むためには、宿泊施設の増強が必要
山口市は山口県の県庁所在地ではありますが、市としての規模は下関市より小さく、全国の県庁所在地別の人口ランキングでも46番目となっています。
山口県全体で観光産業を活性化させるために、2016年に「おいでませ山口観光振興条例」を制定。積極的な訪日外国人の誘致と新たな観光振興計画を進めていました。その一環として山口市内の無料公衆無線LANの整備や消費税免税店の設置拡大、多言語対応のコールセンターなど外国人観光客の消費行動の促進に向けた取り組みを行なっています。
しかし山口県のインバウンド需要は他の都道府県と比べてあまり高くはありません。中国地方を訪れる外国人の多くは広島市や岡山市などの都心部を拠点に移動するために、山口を訪れたとしても宿泊のない日帰りであるケースが多いようです。
山口市に大型シティホテルがないことも要因の一つですが、今後は山口市に長期滞在してもらえるような仕組み作りが必要でしょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に1歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
山口県山口市の相場を知ろう
- 山口市の地価は5年間ほぼ変わっていない
- 200㎡以上とファミリー向けの広めの戸建が人気
- 不動産取引件数は山口市、下関市、宇部市でほぼ同数
まずは山口県山口市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
山口県山口市の地価・不動産相場の推移
山口市の地価は、1年前と比較して0.1%下降して、2020年現在5万2,805円/㎡です。ここ5年間の地価はほとんど変わらず、ほぼ横ばい状態です。物件別に調べてみても、土地・戸建・マンション全てにおいて、目立った値動きはなく安定した相場を続けています。
山口市は土地にも余裕があるので、住環境も広めの物件が人気です。売買が成立している戸建は200㎡以上とファミリー向けの広めの物件が目立ちます。駅からの距離は20分以内の物件が人気ですが、山口駅周辺の物件であれば、徒歩30分以上の物件でも取引が盛んです。
山口県山口市の売却動向や売却相場の動き
山口県の中では山口市、下関市、宇部市の取引件数がほぼ同じで、2020年度の山口市の取引件数は170件前後となっています。山口県全体の取引物件と比較するとおよそ15%ほどの割合です。
山口市内はほとんどのエリアの地価が横ばい傾向ですが、JR山口駅周辺と山陽新幹線停車駅の新山口駅周辺は地価が上昇しています。 しかし、細かいエリアによって需要の違いもありますから、事前にしっかりとした調査が必要です。
参考)山口県山口市での直近の取引価格情報
中古マンション(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 1,400万円 | 1,175万円 |
75㎡ | 1,250万円 | – |
80㎡ | – | 800万円 |
85㎡ | – | – |
90㎡ | – | – |
95㎡ | – | 1,700万円 |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 710万円 | 900万円 |
85㎡ | 540万円 | – |
90㎡ | 1,355万円 | 2,200万円 |
95㎡ | 480万円 | 2,000万円 |
100㎡ | 1,095万円 | 1,600万円 |
105㎡ | 2,300万円 | 2,000万円 |
110㎡ | 1,500万円 | 1,550万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 新山口駅と周防下郷駅周辺の地価が上昇している
- 新山口駅を中心とした街の開発に期待
2009年に基本計画が策定された『新山口駅ターミナルパーク整備事業』、2019年に策定された『新山口駅北地区都市空間デザイン指針』により、「新山口駅」と隣の「周防下郷駅」周辺の地価が上昇しています。
新山口駅は、山陽新幹線、JR山口線、JR宇部線、JR山陽本線が接続する駅で、2017年統計の「山口市内の各鉄道駅別1日平均乗車人員」調べでは全駅の中でトップとなっており、交通の利便性が非常に高い駅です。
そのため、山口県・市の陸の玄関口にふさわしいシンボル軸として、新山口駅前通りを境に大きく2つの性格の地域に分ける街づくりをすすめています。道路や広場の整備で街並みが大きく生まれ変わるターミナルパーク整備エリアがメインとなり、複合的市街地へ。そして、昔の面影を残しながら旧い街並みが形成されている既成市街地エリアは再編再生される予定となっています。
また、新山口駅周辺は周囲に山並みをのぞむ緑豊かなため、多彩な緑に彩られたうるおいの都市空間を目指し、核施設の色合いも木や白を基調とするなど洗練されたデザインで統一され、美装化、緑化、およびバリアフリー化がおこなわれる予定です。
このような都市計画により、新山口駅周辺には多くの施設が建設される予定となっています。また、ビジネスコミュニティをつくりだすプラットフォームともなる予定でシェアオフィスをはじめとした企業の誘致も期待でき、今後の地価も上昇が見込めるでしょう。
【売却のコツ】山口県山口市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 山口市は、少子高齢化により人口が減少している
- 新山口駅周辺は再開発で地価が上昇している
地域特性を知るメリットとは?
特に山口県山口市の場合、比較的物件も多く動いています。自分の不動産を購入してもらうためにも販売戦略はとても重要です。エリアの特徴から、買いたい人がどのような層か考えてみましょう。ただし絶対的な答えは無いので、詳しくは地元に詳しい専門家である不動産会社の人と相談することをおすすめします。
山口県山口市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
山口県の中部に位置し、県の県庁所在地の山口市。室町時代に大内氏が現在の山口市中心部を本拠地としたことで発展し、戦国時代の大内義興・義隆の頃には「西の京」とも呼ばれる西国の大きな都市となりました。幕末には明治維新の中心的役割を果たしたことでも知られ、歴史と自然を感じられる文化都市です。
山口市は交通の要衝であることから流通業が多く進出し、年間商品販売額は県内で1位となるなど第3次産業の割合が高くなっています。住宅メーカーの製造拠点や自動車メーカーの工場が近いことから、住宅関連や自動車関連を中心とした製造業も盛んです。また、宇部市に隣接し高度技術産業地域である「山口テクノパーク」は、現在も新規工場の進出も多く引き続き企業誘致も進められ、今後の雇用増加や周辺地域の人口増加にも期待されています。
現在は山口駅周辺や新山口駅周辺を中心に、都市機能を集約させたコンパクトなまちづくりが行われています。農業、漁業、工業、学術、文化とエリアごとに機能を集中させることで、地域経済の活性化や都市部への人口増加を見込んでいます。
山口県山口市の人口推移
山口市の人口は国勢調査によると、2010年が196,628人、2015年が197,422人でした。 2020年6月現在では+194,219人で、 比較すると10年間で-2,409人で-1.23%の減少となっています。
山口市は、少子高齢化により人口が減少しています。2019年現在は人口19万1,529人で世帯数は8万9,273でした。4年前と比較すると人口は2,592人減少していますが、世帯数は2,224世帯増加しています。
人口は減少しているものの、世帯数が増加しているため、不動産取引は今後も増えていく見込みです。また、山口県全体で移住支援をおこなっており、山口市でも就業支援や企業の誘致にも力をいれているため、今後の不動産需要の高まりが期待されます。
山口県山口市で人気のエリアは?
山口市の街の中心はJR山口駅周辺でしたが、ここ数年再開発で人気が高まっているのが新山口駅周辺です。2003年の山陽新幹線開業以降、地価が上昇傾向にあったこのエリアですが、2020年現在は山口市内で最も地価の高いエリアになっています。
新山口駅周辺の地価は、9万7,733円/㎡と他のエリアの1.5倍ほどの価格となっています。従来は新幹線停車駅ということからビジネスホテルが多く、単身赴任の世帯に人気のあるエリアでした。
しかし、ターミナルパーク整備事業により、2015年には、24時間通行可能で両側の壁を緑化し県内最大の垂直庭園がある自由通路が供用開始され、2018年には駅前広場が完成しバスロータリーが建設されるなど、利便性が高く洗練された駅として注目を集めています。
それにより、駅前にはマンションや戸建てなどの建設がすすみ、ファミリー層の移住が増えているようです。 特に駅徒歩15分以内の物件が人気となっており、今後は、マンションも含めた取引が増えていく見込みです。
山口県山口市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 山口市はエリアにより価格差が大きいので注意が必要
- 車社会なので、道路計画により地価が大きく変動する可能性もある
ポイント・注意点1
陸の玄関となる新山口駅の都市計画により、今後の地価の上昇が見込まれる山口市。その他にも、アパレル大手ユニクロを傘下に持つ株式会社ファーストリテイリング本社があるため、岩倉、阿知須エリアは不動産需要は安定しています。
しかし、山口駅や新山口駅から離れた、県境や市境のエリアにあたる、徳佐、三谷、名草、地福のエリアでは過去10年間で見ても価格が下降しています。 このように、同じ市内でもかなりの価格差がみられるため、不動産売却の際には、エリアの確認や価格の動きを確認する必要があります。
ポイント・注意点2
山形市は基本的には車社会です。バスやローカル線は本数も少なく、通勤・通学に利用する人は決して多くありません。山形市の場合は、バス停やローカル線の駅からの近さは住む時にあまり重視されていません。一方で山口市の物件価値は市の道路計画に大きな影響を受けます。社会情勢の変化により計画決定から長期を経過してもなお未着手のままの道路もあり、今後の計画の進捗には注意が必要でしょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、山口県山口市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 山口市では人口が年々減少している
- 外国人観光客のインバウンド特需の影響はまだあまりない
- 地価は二極化が進んでいる
- 新山口駅を中心にしたエリアで開発が進行中
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。山口県山口市での不動産売却をお考えの方は、山口県山口市の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。