- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 長崎市は2022年に新幹線開通予定 長崎駅周辺は大規模な再開発が進む
- 再開発に伴い長崎駅に近いJR沿線上は地価上昇
- 今後の道路整備に注目
九州の北端に位置する長崎県。その中部に位置し、海と山に囲まれた坂の多い町が長崎市です。 長崎市の人口は約40.7万人(2020年現在)。夏は35℃以上の猛暑日がほとんどなく、冬も氷点下になることは稀です。年間降水量は、全国と比較すると多めなので、九州に住み慣れていない人なら「雨が多い」と感じるかもしれません。
長崎空港から長崎市内までは、リムジンバスの利用で最短35分。博多から長崎市までは車で約2時間かかります。市中には路面電車が走り、多くの市民が利用しています。 現在は2022年の九州新幹線(西九州ルート)の開通に向けて整備中。新幹線が開通することで、交通の便は格段によくなるでしょう。
古くから海外との交流があった長崎ですが、江戸時代初期までは世界の国々と交貿を行います。鎖国時代にも長崎だけは、オランダと中国との交貿易が許されていました。ヨーロッパを中心とする異文化が長崎に浸透したのはこのためです。斜面に並ぶ景観もまた、独特な雰囲気を持っています。
県には2つの世界遺産が認定されており、長崎市にある「三菱長崎造船所関連施設」「旧グラバー住宅」「高島炭坑」「端島炭坑(軍艦島)」などが含まれます。さらに世界三大夜景にも認定されおり、観光業も盛んです。 ここでは、長崎市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法までご紹介していきます。
長崎県長崎市の最近の様子
- 2022年に予定されているJR九州新幹線の長崎開通が期待されている
- 長崎港からのインバウンド特需があり、観光業が活性化している
現在、JR九州新幹線は博多ー鹿児島間で開通していますが、西に位置する長崎は通っておりません。しかし2022年には西九州ルート(長崎ー武雄温泉間)が開通することが決定しており、目下長崎駅周辺は開通に向けて、大規模な再開発工事が進行しています。
県庁や市役所も長崎駅近くに移転予定であり、マンション建設も進んでいます。 併せて、外国クルーズ船が長崎港に泊まることが増えた影響もあり観光業が活性化し、駅周辺の商業地の地価上昇に繋がっています。
また、市は移住支援にも力を入れており、補助金だけでなく移住希望者に空き家を紹介するなども積極的に支援しています。 ひとつだけ注意が必要なのは、新型コロナウイルスの影響です。休業と観光客の低下で観光業は大きな打撃を受けています。地価にも影響が出る可能性もあることを覚えておきましょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に1歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
長崎県長崎市の相場を知ろう
- 九州新幹線開通の期待から地価は上昇傾向
- 長崎本線の駅に近い場所の地価が上がっている
- 不動産取引件数は横ばい状態
まずは長崎県長崎市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
長崎県長崎市の地価・不動産相場の推移
長崎市の最新公示地価は2020年現在平均で約11万/㎡で、前年からの変動率は+2.11%です。新幹線の開通と、長崎駅周辺の再開発の影響もあり、JR長崎本線の駅に近い場所が地価上昇を続けています。一方、駅から離れた高台や道路が狭い場所では賃貸でも空室が目立ちます。
駅から離れた場所であっても「中心街へアクセスしやすい」「車の乗り降りがしやすい」ことは物件購入の決め手になりやすいので、今後の道路整備計画に注目しておきましょう。 なお、現在の高価格地点は「長崎市浜町3-25」(94万4000円/㎡)、低額地点は「長崎市高浜町字下広迫1217番1」(57円/㎡)です。
長崎県長崎市の売却動向や売却相場の動き
昨年の不動産取引件数は3200件前後で、3年間ほぼ横ばいです。駅近くであればファミリー向けのマンションの取引が多く、駅から離れると戸建てや土地の取引の割合が増えています。最近では、電車を使用しない世帯が駅から離れた物件を選ぶことも増えており、大型ショッピングモールや保育園・学校が近くにある地域も人気です。
参考)長崎県長崎市での直近の取引価格情報
中古マンション(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | 2,500万円 | 2,750万円 |
75㎡ | 3,900万円 | 2,450万円 |
80㎡ | – | – |
85㎡ | – | 1,900万円 |
90㎡ | – | 1,800万円 |
95㎡ | – | 3,950万円 |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 850万円 | 500万円 |
85㎡ | – | 1,090万円 |
90㎡ | – | 1,200万円 |
95㎡ | 930万円 | 1,290万円 |
100㎡ | – | 1,100万円 |
105㎡ | – | 1,550万円 |
110㎡ | 1,200万円 | 2,700万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 九州新幹線開通による建設ラッシュで、駅周辺や沿線の地価は上昇
- 博多までのアクセス改善による、人口流入に期待がされている
2022年の新幹線の開通と、それに伴う大規模な再開発によって長崎駅周辺の地価は上昇。長崎駅周辺だけでなく、JR駅沿線上も地価上昇の影響を受けています。2022年以降も新幹線工事は続き、将来的には博多まで51分で到着できるようになり、人の流入出もさらに上昇するでしょう。
しかし、長崎市では便利の良い電車通り付近であっても道路が狭い場所や段差が2mある土地は売れない傾向にあります。今後の道路整備計画が不動産価値に影響を与えることも多そうです。また、新型コロナウイルスによる観光業への打撃は、商業土地の価値変動に影響を与える可能性もあります。今後の状況をみていく必要がありそうです。
【売却のコツ】長崎県長崎市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 長崎市の人口流出は2018年に全国ワースト1位
- 労働人口の県外流出が目立っている
- 長崎駅エリア・浦上エリア・西浦上エリアなどJR沿線上が人気
地域特性を知るメリットとは?
長崎県長崎市の場合、人口が減少傾向で、不動産取引も横ばいです。相場は好材料ばかりではないので、自分の不動産を購入してもらうためにも販売戦略はとても重要です。エリアの特徴から、買いたい人がどのような層か考えてみましょう。ただし絶対的な答えは無いので、詳しくは地元に詳しい専門家である不動産会社の人と相談することをおすすめします。
長崎県長崎市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
長崎県の中部に位置する長崎市は、古くから日本の玄関口として発展してきました。江戸時代には国内で唯一開かれていた貿易港「出島」があったことで知られています。坂の多い街並みや異国情緒に満ちた雰囲気が現在でも残されています。
明治維新後は造船業や船舶航路の拠点として発展。長崎港口周辺には鉱山が開発され、多くの労働力が集まりました。主力産業の造船、鉱業は三菱財閥により支えられ、現在でも三菱重工業長崎造船所や三菱電機などの工場が集中する企業城下町です。
1945年には原子爆弾が落とされ、当時の長崎市の人口推定24万人のうち約7万4千人が死亡し、建物は約36%が全焼または全半壊しました。人類史上、実戦で使用された最後の被爆都市としても知られています。 また漁業も盛んで捕鯨や東シナ海を漁場とする「以西底引き網」の基地として繁栄した長崎漁港だけでなく、多くの漁港が点在しています。
市域面積の約13%の市街地に人口の約80%が住む、市街地の人口密度の高さが特徴です。山間部にも建物が密集し、その美しい夜景は世界新三大夜景にも選ばれました。 国内の他都市とは違う景観や文化財、長崎くんちや夜景などを目当てに長崎市には多くの観光客が訪れます。
長崎県長崎市の人口推移
長崎市の人口は国勢調査によると、2010年が443,766人、2015年が429,508人でした。 2020年6月現在では413,371人で、 比較すると10年間で-30,395人で-6.85%の減少となっています。 長崎市では人口減が大きな問題となっています。2018年の日本人の人口移動報告によると、長崎市の転出超過数は2376人で、全国ワースト1位となってしまいました。
労働人口が年々東京、関西、福岡などに流出していることや、戦後、長崎の経済を支えてきた造船業が中国や韓国などとの価格競争が激化し、業績が急激に悪化、雇用縮小していることも要因の一つとして考えられます。いずれにしろ長崎市の人口減少は深刻で、市では雇用や子育て環境の改善などを進めています。
長崎県長崎市で人気のエリアは?
長崎市は「長崎駅エリア」「浦上エリア」「西浦上エリア」などJR沿線上が人気です。新幹線も開通予定のため今後も人気は続くと思われます。 電車の利用がないファミリー層には、駅から離れた場所も人気です。
その際「ショッピングセンターが近くにあること」「保育園や学校などが近くにあること」「細い道路など車が通りにくい場所でないこと」がポイントになるため、地域だけで判断するのでなく環境面をしっかりと確認することが大切です。
長崎県長崎市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 長崎市の坂や細い道も多く、不動産価値は地形にも左右される
- 長崎市を知り尽くしている不動産会社を見つける
ポイント・注意点1
長崎市は坂が多いことが独特の景観を生み出す魅力のひとつですが、暮らしやすさで言うとデメリットになることも多いようです。長崎市内では同じエリアでも、平地の場所が価格が高い傾向にあります。今後、長崎市の道路がどのように整備されるかで不動産の価値も変わる可能性があります。
もし、道路が細く斜面になっている不動産を売却するなら、道路整備の計画をチェックしタイミングを合わせましょう。 ただし、既に高齢化は進んでおり、高齢者にとって住みにくい場所は空き家が増えています。今後も地価と人気の二極化は進むと考えられるため、道路の整備を待たずに早い段階で売却するのもひとつの方法です。
ポイント・注意点2
長崎は海に囲まれているため漁業が盛んで、観光名所がたくさんあり、再開発によって中心街が活発になっています。鎖国時代から唯一の貿易港があった街は、不動産の利用方法も住居だけではありません。
魅力的な物件に見せるためにも、長崎のことを知り尽くしている地域密着型の不動産会社を見つけましょう。 物件を高く売却するためには、物件の強みを活かす販売ができる不動産会社を選ぶことも大切なポイントです。いい不動産会社を選ぶためには多くの母数から自分に合ったところを探し出す必要があります。
不動産売却に成功するには、能力の高い不動産会社を見つけることが必要不可欠。綿密に情報収集をおこない、相談できる不動産会社を見つけておきましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、長崎県長崎市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 長崎市の不動産価格は新幹線開通を見越して、上昇している
- 不動産取引件数はほぼ横ばい
- 労働人口の減少・県外流出が問題になっている
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。長崎県長崎市での不動産売却をお考えの方は、長崎県長崎市の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。