- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 大分駅の再開発により利便性が非常に高くなり人気のエリア
- 土地・戸建て・マンションともに相場は上昇傾向
- 駅徒歩20分以内の場所が特に人気。車で20分以内の場所も値上がり傾向
大分県の沿岸部のほぼ中心に位置し、大分県の行政・経済・交通の中心地である大分市。大分県内の人口の4.2割(2019年調べ)を占める47.7万人の人々が住む街です。
大分市は、戦後の高度経済成長期以降、新産業都市としに指定され、目覚ましい発展を遂げています。海岸沿いに広大な埋立地が造成され、日本国内有数の製鉄所や石油化学コンビナートを備える工業地帯となり、大分臨海工業地帯と呼ばれるようになりました。
街の発展とともに人口も急激に増加し、1970年に13万人であった人口は、1990年には30万人と倍以上の人口となり、市外から多くの人が集まるエリアとなりました。それに伴い、郊外には大規模な住宅団地が造成され、また、市の中心地には大型商業施設や繁華街なども形成されるなど、人々が生活しやすいエリアとなっています。
ここでは、大分市の不動産事情や地域特性、不動産を売るときにオススメの方法までご紹介していきます。
大分県大分市の最近の様子
- 2016年に「大分県IOT推進ラボ」を立ち上げ、ビジネスの活性化を図る
- ドローンや電磁力産業の育成にも積極的に取り組んでいる
大分県では、雇用促進、ビジネスの活性化を狙って、古くから工業地帯として発展してきた見識を集約して、2016年に「大分県IOT推進ラボ」を立ち上げました。これは、大分県版第4次産業革命と呼ばれています。
「大分県IOT推進ラボ」の本部である「最先端技術挑戦室」は、大分市内にあり、現在では57件のプロジェクトと13件の製品・サービスが認定されています。また、2019年にはその取り組みを強化させるため、「最先端技術挑戦室」を中心にドローンや電磁力産業の育成にも注力しています。
今後も最先端産業の発展により、さらに魅力あふれる街として人々の注目を集めそうです。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで売却の成功に1歩近づきます。
不動産売却の流れ
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い手が見つかれば売却の手続きを行い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
大分県大分市の相場を知ろう
- 大分市の地価は1年間で7.7%上昇し、好調に推移している
- 県の不動産取引の約3割を大分市が占めている
- 工場で働く外国人労働者の流入も増加
まずは大分県大分市の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
大分県大分市の地価・不動産相場の推移
大分市の地価は、1年前と比較して7.7%増加しており、2020年現在7万6,813円/㎡です。大分市の過去の公示地価は最高値は32万5,946円/㎡(1991年)で最安値は6万3,048円/㎡(2016年)となっています。
5年前と現在を比較すると大分市の地価は1.21倍値上がりしています。 基本的には土地・戸建・マンションともに相場は上昇となっています。大分県全体と比較すると、地価は高いエリアです。 新幹線や飛行機など県外へのアクセスがよいのに加え、比較的車で行きやすい場所に大型のショッピングセンターがあるのも生活のしやすさにつながっています。
大分県大分市の売却動向や売却相場の動き
大分県の中心地でもあり、査定額も高い大分市が取引件数でもトップです。県全体の約3割を大分市が占めており、取引件数は590件前後となっています。
新産業の発展に伴い事業所は年々増加傾向です。そのため、労働者人口を支えるため、外国人からの労働者の流入が増加しています。ファミリー層向けの住宅だけでなく、単身者向けの住宅も今後人気が出ると予想されます。
参考)大分県大分市での直近の取引価格情報
近年の取引物件の特徴として、徒歩20分以内の戸建ての取引が多くみられ、市内の企業に通勤しやすいエリアが人気となっています。
中古マンション(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | – | 1,600万円 |
75㎡ | – | 2,000万円 |
80㎡ | 3,050万円 | 1,900万円 |
85㎡ | – | 1,550万円 |
90㎡ | 3,200万円 | 1,700万円 |
95㎡ | – | 1,400万円 |
100㎡ | – | 1,800万円 |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | 1,875万円 | 750万円 |
85㎡ | – | 1,700万円 |
90㎡ | 900万円 | 1,300万円 |
95㎡ | 2,000万円 | 2,300万円 |
100㎡ | 2,750万円 | 2,600万円 |
105㎡ | 2,700万円 | 700万円 |
110㎡ | 1,925万円 | 2,500万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 2019年ラグビーワールドカップが終わったことによる県内経済の停滞が懸念
- 大分駅は積極的な再開発が進んでいる
2019年はラグビーワールドカップの大分開催があり、大分県の経済効果は256億円と試算されています。準々決勝を含む5試合が行われ、ヨーロッパなどから予想を上回る観光客が訪れ、予想を大幅に上回る盛り上がりを見せました。しかしワールドカップによる追い風が終了したことで、2020年以降は県内経済が一服することも懸念されています。
市内の再開発プロジェクトでは大分駅が注目されています。2015年に完成した「JRおおいたシティ」は、大型商業施設の「アミュプラザおおいた」や、日本一温泉の多い大分の象徴である「シティスパてんくう」などを備える施設となっています。年間2,000万人以上の人々が訪れる大分の新しいランドマークです。
また、2019年に大分駅の更なる都市計画が発表されました。県内最高層となる29階建てと18階建ての高層ビルが2023年には完成予定です。どちらも商業施設やオフィスの入居を想定しており、中高層は住居部分となる見込みです。
【売却のコツ】大分県大分市の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 電子工業の街として、1990年代には人口40万人を達成
- 今も大分市の人口は横ばいを維持
- 世帯数も年々増加傾向が続いている
地域特性を知るメリットとは?
大分県大分市は比較的物件も多く動いています。自分の不動産を購入してもらうためにも販売戦略はとても重要です。エリアの特徴から、買いたい人がどのような層か考えてみましょう。ただし絶対的な答えは無いので、詳しくは地元に詳しい専門家である不動産会社の人と相談することをおすすめします。
大分県大分市の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
大分県の行政・経済・交通の中心地で、県内の総人口の42.3%が集中する大分市。鎌倉時代に守護となった大友氏の城下町として発展し、戦国時代には九州の半数以上を治めていたキリシタン大名大友義鎮(宗麟)のもと国内でのキリスト教布教の中心地となり、南蛮文化を取り入れ栄えました。
1998年に大友氏最盛期の館の庭園跡が発見され、復元整備工事が行われ、珍しい中世期の庭園を見ることができるようになりました。 1950年代の人口10万人弱だった大分市ですが、高度経済成長期に入り、新日鉄などの鉄鋼業、化学工業などの重化学工業の進出に伴い工業都市として急成長しました。
1970年以降は電子工業も進出し、周辺には次々に大規模な住宅団地が造成されました。人口も1960年代以降急激に増加し、1990年代には40万人と約30年で人口が倍増。
また大分は漁業も盛んで、高級魚として「関あじ」「関さば」が有名です。「関あじ」と「関さば」は大分市の佐賀関で水揚げされたあじとさばのことですが、全国で初めて水産品としての商標登録を承認されたことでも有名です。
大分県大分市の人口推移
大分市の人口は国勢調査によると、2010年が474,094人、2015年が478,146人でした。 2020年6月現在では477,935人で、 比較すると10年間で+3,841人で0.81%増と、ほぼ横ばいで人口を維持しています。
また、世帯数は223,982世帯で、 前回調査のあった5年前の203,515世帯と比較すると、 +20,467世帯で、10.06%増加しています。
大分県大分市で人気のエリアは?
前述でも紹介したように、大分市で人気のエリアは、再開発が進み利便性の高い大分駅周辺となっています。特に大分駅周辺の地価平均は、大分市の平均地価よりも2倍以上高い18万2,746円/㎡となっており、5年前と比較すると、1.35倍に値上がりしています。
特に徒歩15分以内の地価が高く、駅に近いほど地価は高騰しています。大分駅は、JR線が3線交差している大分市の交通網の中心駅です。商業施設や商店街もあり人々が集まる駅となっています。
また、市役所や税務署の最寄り駅でもあり、生活に必要な施設が備わっていることが強みです。 大分駅の利便性が高くなるにつれ、近隣の駅である、牧駅、西大分駅、古国府駅も地価が値上がりしています。
特に古国府駅は、大分駅の南側に位置し、周辺には大学や美術館、広い公園などもあることからファミリー層からの人気を集めています。
大分県大分市で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 大分市には工場が多く、粉塵の影響があるエリアもある
- 大分市に知見があり、物件の強みをいかした販売ができる不動産会社を選ぶ
ポイント・注意点1
大分市には多くの工場があるために、粉塵による大気汚染が問題になっていました。近年では役所も粉塵対策を徹底して行い、かなり改善してきたようです。ただ小さいお子さんがいたり、喘息の方は家族にいる場合は、気をつけた方が良さそうです。
粉塵が飛んでいると、車が黒くなる、ベランダが汚れやすいといった問題があり、不動産価格に影響を与えます。対象エリアの物件を販売する場合、物件購入希望者には事前にきちんと粉塵対策について話しておくことが大切でしょう。
ポイント・注意点2
大分市は土地が広く、古くから栄えているため、地域密着型の不動産会社も多くあります。大分市の中の特定のエリアを得意とした不動産会社もあれば、全国に広い情報網をもつ大手不動産会社も出店しています。
物件を高く売却するためには、その土地に知見があり、物件の強みをいかした販売ができる不動産会社を選ぶことも大切なポイントです。いい不動産会社を選ぶためには、多くの母数から自分に合ったところを探し出す必要があります。綿密に情報収集をおこない、相談できる不動産会社を見つけておきましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、大分県大分市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 大分市は電子工業の街として、労働人口の流入が続いている
- 大分市の地価は値上がりが続いている
- 不動産取引は件数は県内で最多だが、県庁所在地としては少なめ
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。大分県大分市での不動産売却をお考えの方は、大分県大分市の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。