- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 京都市西京区は京都市中心部や大阪のベッドタウンとして発展してきた街
- 人口は減少しつつあるものの、世帯は増加している
- 不動産売却にあたっては、西京区の交通事情に注意しておく
京都市西京区は京都市の南西部に位置し、京都を代表する景勝地である嵐山や松尾大社、桂離宮など多くの歴史的建造物が立ち並んでいます。高度経済成長期に大阪のベッドタウンとして洛西ニュータウンが建設されると人口が増加。1976年に右京区から分区すると、京都市内でも有数の新興住宅地として成長してきました。
その後も桂坂ニュータウンの建設により、京都市西部の新興住宅地として多くの人が暮らすようになりました。京都市西京区の人口は2010年をピークに減少しつつあるものの、世帯数は増加しており今後も引き続き住宅ニーズが見込める街です。
今回は京都市西京区の不動産事情や地域特性、不動産を売却するための方法について解説していきましょう。
京都市西京区の近年の変化
- 京都市西京区の相場は京都府平均より4割ほど高い水準で推移
- 京都市西京区ではマンションよりも戸建の方が3倍多く流通している
京都市西京区の公示価格は平均20.46万円/㎡で、京都府平均の平均14.67万円/㎡よりも4割ほど高い水準で推移しています。京都市西京区の相場変化は上昇傾向で、2014年以降は0.5%程度で上昇を続けていましたが、2019年、2020年は年1.8%の高い上昇率です。
京都市西京区はマンションより戸建の流通のほうが3倍ほど多く、戸建の需要が高い地域といえるでしょう。売却にあたってはエリアや物件ごとに地域特性や相場を把握しておきましょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得の行く金額で不動産を売却することができます。
不動産売却の流れ
Step1︓相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2︓不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3︓不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4︓不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5︓売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。不動産の売価をエリアの売買相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
京都市西京区の相場を知ろう
- 京都市西京区の平均公示価格は平均20.46万円/㎡で約1.8%の上昇
- 坪単価は京都府の平均相場と比べて4割ほど高い
- 人気エリアは桂駅や洛西口駅周辺
まずは京都市西京区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
京都市西京区の地価・不動産相場の推移
京都市西京区の公示価格は、2020年と2019年で比べると1.8%高くなっています。2020年時点では平均20.46万円/㎡です。そこから5年前にあたる2015年と比較すると、4.5%高くなっています。京都府全体と比較すると、地価は高いエリアであるといえるでしょう。
京都市西京区の売却動向や売却相場の動き
京都市西京区の売却動向は、マンションよりも戸建の流通が多いのが特徴です。マンションの売却動向は、築年数が古いマンションの流通が大半を占め、専有面積があまり大きくない物件が中心です。
一方、戸建の売却動向も築年数が古い物件が多くを占めており、専有面積もやや小さめです。59.2㎢なので、エリアによって価格に差が大きいのが特徴。京都市西京区の人気エリアは阪急京都線の桂駅や阪急嵐山線の上桂駅周辺のエリアです。
参考)京都市西京区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
駅徒歩 10分以内 | 駅徒歩 10分以上 | |
---|---|---|
70㎡ | – | – |
75㎡ | – | – |
80㎡ | – | – |
85㎡ | – | – |
90㎡ | 4,500万円 | 1,300万円 |
95㎡ | – | – |
100㎡ | – | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
駅徒歩 15分以内 | 駅徒歩 15分以上 | |
---|---|---|
80㎡ | – | – |
85㎡ | 4,200万円 | 2,750万円 |
90㎡ | 5,300万円 | – |
95㎡ | 4,300万円 | – |
100㎡ | – | 1,750万円 |
105㎡ | – | – |
110㎡ | – | 670万円 |
※2019年取引価格中央値
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 阪急京都線の高架化を活用した「TauT阪急洛西口」の開業により新たな賑わい拠点の創出
- 中山石見線の建設により洛西ニュータウンから外環状道へのアクセスが可能になり、交通利便性が向上
京都市西京区では、区内の中心を縦断する阪急京都線の高架化事業が2015年に完了。高架下のスペースを活用した「TauT(トート)阪急洛西口」が完成したことにより、新たな地域の賑わい拠点が完成しました。2020年1月には2期工事が完了し、2021年中には3期工事を完了させ、全体開業を目指しています。
TauT阪急洛西口は、阪急洛西口付近の高架下を活用した総延長約1kmの商業施設です。「ヒトとヒトをつなぐ エキはマチの縁側」をコンセプトに、地域の魅力を高めるために「訪れたい」「新たに住みたい」と思えるような商業施設が出店しています。
京都市西京区では現在、洛西ニュータウンを経由し、国道9号線と国道171号線を結ぶ中山石見線の建設事業が進んでいます。洛西ニュータウン周辺は外環道路へ直接アクセスできる道路がなく、特に大阪方面にアクセスするには利便性が良くありませんでした。
しかし、中山石見線の建設により、大枝山にあるニュータウンから外環道路へのアクセスの向上も期待できます。
【売却のコツ】京都市西京区の地域特性を把握し、高く売るための戦略を練ろう
- 京都市西京区は大阪のベッドタウンとして発展
- 人口のピークは過ぎているが、世帯数は増加している
- 人気エリアは阪急京都本線の桂駅周辺や洛西口駅、阪急嵐山線の上桂駅周辺
地域特性を知るメリットとは?
不動産を売る際は、地域の事情に詳しい不動産会社の専門家に任せたいという人も多いでしょう。売却を成功させるためには任せきりにせず、自分も一緒に考えることが大切です。
不動産はただ待っているだけで売れるものではありません。買い手になりそうな人の特徴を分析し、どのような手段を講じれば高く買ってもらえるかなど、不動産会社とともに戦略を立てることが重要です。地域特性を把握しながらそれに基づいた戦略を立てることが、より早く、高い価格での売却を成功させるポイントになります。
京都市西京区は1976年に松尾・桂・大原の地区が右京区から分区して誕生した京都市内でも最も新しい区の1つです。京都を代表する景勝地である嵐山があり、京都市の中でも最も大阪に近いことから、大阪のベッドタウンとして発展しています。交通の便がとてもいい地域といえるでしょう。
こうした特徴を踏まえ、地元に詳しい不動産売買の専門家である、不動産会社のスタッフと販売戦略を考えることをおすすめします。
京都市西京区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
京都市西京区は京都市の南西部に位置しています。区内の西部を大阪府高槻市・京都府亀岡市と隣接し、南部を向日市や長岡京市と隣接しているおり、京都の西の玄関口としての役割を担ってきました。
面積は約59.2平方キロメートルで、区内東南部が平地、北西部から南西部にかけて山地で構成されています。東部の区境には桂川が流れており、北部には嵐山、西部にはポンポン山がそびえています。
京都市西京区の平野部中央を阪急京都線が縦断し、区内の中心地に位置する桂駅からは阪急嵐山線が延伸。観光地として有名な嵐山への乗り換え駅として、通勤客だけでなく観光客も大勢利用しています。
京都縦貫自動車道が区内西部を縦断し、大原野インターから京都北部や大阪方面に出やすい立地となっています。幹線道路として国道9号線が区内を横断しています。西京区発足当時の人口は約9万人でしたが、洛西ニュータウンの建設や桂坂の住宅開発により人口が増加。現在は京都市で4番目の人口を擁する地区に成長しました。
京都市西京区は桂坂の住宅地を造成する際に京都大学桂キャンパスを誘致。「桂イノベーションパーク構想」により工学部が移転してきたことでナノテクノロジーやバイオ技術の研究を促進するためのローム記念館や京大桂ベンチャープラザが建設され、最先端の産学共同研究の拠点として活用されています。
都市型近郊農業が盛んで、たけのこや柿のほか大原野の花き団地では花苗などの生産が行われています。桂川沿いには江戸時代に建築された桂離宮があり、山陰街道沿いには「西京樫原界わい景観整備地区」に指定されている歴史的な街並みが広がっています。
京都市西京区の人口推移
京都市西京区の人口は2010年に152,974人、2015年は150,962人、2020年には148,4482人(2020年6月末日現在)と減少傾向にあります。しかし世帯数は増加しており、今後も住宅ニーズの増加が期待できるでしょう。
京都市西京区で人気のエリアは?
京都市西京区には阪急京都本線が乗り入れており、阪急嵐山線の始発・終点駅があります。人気のエリアは阪急京都本線の桂駅周辺や洛西口駅、阪急嵐山線の上桂駅周辺に集中しています。
京都市西京区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意点
- 駅までのアクセス方法についてしっかりとアピールする
- 建築物の改修に制限がかけられる可能性があるため注意する
ポイント・注意点1
京都市西京区は区域が広く、地域によっては公共交通機関へのアクセスが良好ではない場合があります。西京区は阪急線沿線でなければ移動のために自動車かバスが必須になるため、売却に当たっては購入希望者に売却する不動産に関する交通事情について説明しておく必要があるでしょう。
特に、西京区内に点在する洛西ニュータウンや桂坂ニュータウンは住環境としては良好ですが、京都中心部や大阪へのアクセスに時間がかかります。特に鉄道駅へのアクセスについては徒歩圏ではないため、自動車やバスを使わなければ難しいことから、課題についてもしっかり説明しておくと良いでしょう。
ポイント・注意点2
京都市は古くからの街並みを保護するための景観条例が制定されています。そのため、他の街と比べて建物を建築する場合の条件が厳しく、建築や建て替え、大規模改修を考えている場合や、土地を売却する場合には京都市の景観条例について理解を深めておく必要があります。
特に「景観整備計画」に該当する地区に売却予定の不動産がある場合、建物の外観を景観保持のために外観を指定された形状や色で建築することが推奨されています。
京都市西京区でも「西京樫原界わい景観整備地区」という景観整備計画の指定を受けている地域があります。この地域に売却予定の不動産があると、建築後や大規模改修後の建物の形状や外観等が一定の基準を満たしていない場合、建築許可が下りない場合があります。
売却予定の物件が指定区域内に入ってるかどうかを確認し、区域内に入っている場合には基準等についてしっかりと説明をすることでトラブルを防ぐことが大切です。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、京都市西京区での不動産売却に役立つ相場情報や地価推移、街の特徴などを紹介しました。
- 京都市西京区は京都市中心部や大阪のベッドタウンとして発展してきた街
- 人口は減少しつつあるものの、世帯は増加している
- 不動産売却にあたっては、京都市西京区の交通事情に注意しておく
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、エリアに対してどんな購入層が考えられるのか、地域特性と相場を把握し戦略を練る必要があります。その際、信頼できる不動産会社からのサポートは欠かせません。京都市西京区で不動産売却をお考えの方は、該当エリアの不動産売却状況をリサーチした上で、あなたの希望に寄り添ってくれる不動産会社探しを始めましょう。
いい不動産では、地元で評価の高い不動産会社1社のみをご紹介しております。一括査定サイトのように、複数の不動産会社から営業の電話が来ることはありません。
※一括査定はあくまで査定額を出すのみで、実際に売れる価格とは違います。どこの不動産会社を利用したとしても、売り出し価格は売主様が決めるものなので、査定額で不動産会社を決めることに大きな意味はありません。