- 高く不動産を売却するには相場の把握が必要不可欠
- 名古屋市緑区の地価は緩やかに上昇中
- 区内各地で区画整理事業がおこなわれており、今後も成長が期待できる
- 新興住宅地の造成で、新築ニーズが高まる可能性がある
名古屋市緑区は名古屋市最大の人口を擁するエリアで、豊かな自然と丘陵地を開発した整然とした街並みが魅力です。
イオンモール大高や有松絞りの産地である緑区有松は大勢の人で賑わうエリア。平成時代に区内の北部と南部で次々と新駅が開業したことから、駅周辺に新興住宅地が立ち並ぶ名古屋市のベッドタウンの役割を持っています。
宅地造成や駅前の再開発など、名古屋市の「戦略的まちづくり」の重点地点に指定されていることから今後も成長が期待できるエリアです。今回は名古屋市緑区の不動産事情や地域特性、不動産を売却するための方法について解説していきます。
名古屋市緑区の近年の変化
- 名古屋市緑区の相場は愛知県平均よりも1割ほど高値で推移
- 成長が一時鈍化するも、現在は右肩上がりで地価が上昇中
名古屋市緑区の土地相場は愛知県平均よりも1割程度高い相場で推移しています。リーマンショックによって相場の上昇スピードが鈍りましたが、2014年以降は上昇スピードが回復。相場が右肩上がりで推移しているエリアです。
愛知県ではマンションより戸建の流通が活発。戸建はマンションの約2倍の流通量で取引されているのが特徴です。地域特性や相場を把握して、より高値で売却できるように情報収集をしていきましょう。
不動産売却の流れを把握しましょう
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。全体像を把握することで納得のいく金額で不動産を売却することができます。
Step1:相場を調べる
▶相場を調べるところから不動産売却は始まります。
Step2:不動産会社に査定を依頼する
▶保有する不動産がいくらで売却できるか不動産会社に査定してもらいます。
Step3:不動産会社と契約を締結する
▶査定内容に問題がない場合は契約を締結します。
Step4:不動産の売却を始める
▶実際に不動産を売りに出します。
Step5:売却・引き渡し
▶買い⼿が⾒つかれば売却の⼿続きを⾏い、不動産を引き渡します。
不動産売却の際に重要なのは、「自分の不動産はいくらで売れるのか」という相場感を把握することです。
不動産の売価をエリアの買取相場より高く設定しすぎると売れにくくなり、低く設定しすぎると自身が損をすることになります。納得のいく不動産売買を行うためには、プロのアドバイスや注意点を聞きながら売価を設定しましょう。
名古屋市緑区の相場を知ろう
- 名古屋市緑区の平均相場はほぼ横ばい
- 地下鉄桜通線沿線は坪単価が50万円を超えている
まずは名古屋市緑区の売却動向を簡単に掴んでいきましょう!
名古屋市緑区の地価・不動産相場の推移
名古屋市緑区の地価は、2018年と2019年で比べると0.44%低くなっています。2019年時点では 14万7,285円/㎡です。5年前の2014年と比較すると、8.16%も高い値です。愛知県全体と比較すると、地価は若干高いといえます。
2019年時点の不動産相場をみてみると、前半期と比較しマンションの平均売却額は435万円増加しています。戸建は3万円減少とほぼ横ばいで、土地は111万円の減少です。土地価格が下がったのは平均専有面積が83㎡減少しているからと推測できます。
マンションの流通量は戸建に比べると少ないですが、マンションの価格は上昇し、建物と土地の価格が下落しているのが特徴です。地下鉄桜通線の沿線にマンションが多く、この沿線が緑区で最も相場が高いエリアであることが理由と考えられるでしょう。
緑区の人口は年々増加しているため、住宅需要が高まれば坪単価の上昇も期待できるでしょう。一方で、 駅から徒歩5分未満の、比較的駅から近い物件の坪単価も上昇傾向にあります。
名古屋市緑区の売却動向や売却相場の動き
名古屋市緑区ではマンションよりも戸建や土地の流通が活発です。マンションの売却動向は、緑区平均で築年数は21年、専有面積72㎡の2DK〜2LDKの物件を中心に流通しています。また売却価格の平均は2,222万円でした。
戸建の売却動向は、緑区平均で築年数9年と比較的新しい物件で占められているのが特徴です。平均の専有面積は179㎡、平均売却価格は4,318万円で流通しています。
緑区は名古屋市で最も人口が多いベッドタウンで、名古屋市の「戦略まちづくり」の重点地域にも指定されているので今後も成長が期待できるエリアです。
参考)名古屋市緑区での直近の取引価格情報
中古マンションなど(駅距離基準値:10)
専有部分面積70㎡ | 専有部分面積75㎡ | 専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最寄り駅徒歩10分以内 | 2,450万円 | 2,700万円 | 2,200万円 | 4,800万円 | – | 1,900万円 | – |
最寄り駅徒歩10分以上 | 1,050万円 | 2,500万円 | 2,300万円 | 2,200万円 | 1,200万円 | 2,900万円 | – |
※2019年取引価格中央値
戸建て(駅距離基準値:15)
専有部分面積80㎡ | 専有部分面積85㎡ | 専有部分面積90㎡ | 専有部分面積95㎡ | 専有部分面積100㎡ | 専有部分面積105㎡ | 専有部分面積110㎡ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最寄り駅徒歩15分以内 | 2,000万円 | 2,500万円 | 3,400万円 | 3,550万円 | 3,600万円 | 4,250万円 | 3,900万円 |
最寄り駅徒歩15分以上 | – | 3,750万円 | 3,500万円 | 3,400万円 | 3,900万円 | 4,300万円 | 3,400万円 |
※2019年取引価格中央値
参照:国土交通省「土地総合情報システム」
不動産価格に影響を与えそうな出来事
- 名古屋市緑区は「戦略的まちづくり」の重点地点に指定
- 南部では区画整理事業が進み、更なる成長が期待できる
名古屋市緑区は名古屋市の「地域資源を生かした居住環境の向上と生活利便性を生かした既成市街地の再生」地域に指定されており、区内では有松が「また来たくなる名所づくり」、鳴海と大高が「趣を生かした住宅地の再生」の重点地域に指定されています。
特に鳴海は駅周辺の再開発が計画され、大高では区画整理事業が進められるなど、住宅地としての利便性向上のための事業が進行中です。重点地域を中心に住環境が向上することで、今後の地価上昇が期待できるでしょう。
【売却のコツ】名古屋市緑区で高く売るために地域特性を把握しよう
- 名古屋市南部の丘陵地を開発した地域で、大高緑地など豊かな自然が魅力
- 人口は順調に増加しており、宅地造成によって今後の増加が見込まれる
- 都心への交通利便性が高く、車があれば関東・関西へのアクセスも良好
地域特性を知るメリット
不動産の売却を検討している場合、地域相場や不動産を魅力的に売却するノウハウを持っている担当者に任せることができますが、売出価格のや内覧対応など売主として対応しなければならない場面もあります。
このような場合に地域や物件についてよく知っている売主が不動産の魅力を最大限にアピールできるような写真やキャッチコピーを作っておくことが大切です。
名古屋市緑区は2011年に区内北部に徳重駅が開業したことで、新興住宅地として多くの人口を集めています。また南部は1995年に南大高駅が開業したことで大きく成長しました。また大高エリアの区画整理事業によって今後も成長が期待できるエリアです。
名古屋市緑区の地域特性・歴史や魅力
街の歴史と魅力
名古屋市緑区は1963年に愛知郡鳴海町が名古屋市と合併し、愛知県で14番目の行政区として誕生。翌年に知多郡有松町と大高町が合併して現在の区域が形成されました。緑区で最も人口の多いエリアで都心へのベッドタウンの役割を担っています。
また、有松は名古屋市の伝統工芸の一つ「有松絞り(染織)」の産地で、有松町内には昔ながらの街並みが残っており、観光エリアとしての魅力を向上させるための保存事業が進んでいるのも特性の一つです。
名古屋市緑区は名古屋市の東南部に位置し、東西に扇川、西部の区界に天白川、南部に大高川が流れる平地部と丘陵部で構成されています。大高緑地は名古屋市を代表する緑地公園で、豊かな自然に恵まれたエリアです。
大高には氷上山があり、有松は起伏に富んだ地形が特徴。なお、戦国時代に織田信長が今川義元を破った「桶狭間の合戦」で有名な桶狭間は有松にあり、織田信長が丘の上から今川義元を見下ろした景色が今も残っています。
また、国道1号・23号線が都心方面へ延伸しており、302号線が区内を縦断。また高速道路網も3号大高線や伊勢湾岸自動車道、名古屋第二環状自動車道、知多半島道路など都心だけでなく関東・関西方面や中部国際空港へのアクセスの良さも魅力です。
名古屋市緑区の人口推移
名古屋市緑区の人口は2010年に22万9,529人、2015年は24万1,898人と年々増加しており、2020年には24万7,987人(2020年6月1日現在)と順調に人口が増加しています。
名古屋市緑区の人口は名古屋市で最も多く、人口増加数は愛知県1位と、愛知県内で最も人気のエリアです。世帯は2010年から2015年の5年間で8.6%増加しており、ファミリー層が多く流入しているのが特性といえるでしょう。
参照:名古屋市緑区
名古屋市緑区で人気のエリアは?
名古屋市緑区は、北部で名古屋市営地下鉄桜通線の野並〜徳重間の開業により、栄や名古屋駅などの都心に直接アクセスできるようになりました。徳重など桜通線周辺が緑区で最も人気の高いエリアです。
さらに、1995年に南大高駅が開業したことで、名古屋へのアクセスが向上。地域の人口増加に貢献する人気エリアになりました。区内には名鉄本線も乗り入れており、有松・鳴海など名鉄本線の駅周辺都心までの交通利便性に優れており人気のエリアです。
名古屋市緑区で不動産売却をおこなう際のポイント・注意
- 新興住宅地の造成により、新築物件のニーズが高まる可能性
- 中古物件の流通が活発で、不動産売却の競合が多い
ポイント・注意点1
名古屋市緑区は人口が増加している地域で、人口増に比例して緩やかに地価も上昇しています。区画整理事業や再開発によって今後も人口増加が期待できますが、新興住宅地が造成されると住宅ニーズが新築に偏る可能性があります。
また、新興住宅地はマンションよりも戸建を建築する比率が高まるため、戸建物件やマンションの売却を検討している場合には、新築戸建が競合になることから、アピール方法を工夫して中古物件でも魅力的に映るような販売戦略を立てていきましょう。
ポイント・注意点2
名古屋市緑区は愛知県平均に比べると空き家率が低めです。空き家率が低めの地域では、多くの中古物件が市場に出回っていることから、物件を売却する際に多くの競合がいることを意識しておきましょう。
競合が多いエリアでは、物件のスペックだけでなく、地域特性や今後の将来性を把握することが大切です。パンフレットやプレゼン資料を作成し、購入希望者にしっかりと物件の良さをアピールしていきましょう。
まとめ
本記事では、不動産売却の基本的な流れと、金沢市での不動産売却に役立つ相場情報(マンション・戸建て・土地)や地価推移、街の特徴や魅力について紹介しました。
- 名古屋市緑区は名古屋市の中で最も人口の多いベッドタウンで、北部を中心とした区画整理事業による大規模な宅地造成で成長
- 名古屋市の戦略まちづくり事業により重点的に再開発がおこなわれている
- 大高エリアで進行中の区画整理事業によってさらなる成長が予想される
- 今後も継続的な上昇が期待でき、不動産売却の市場環境としては良好
- 新築ニーズの高まりや、中古物件が活発に流通する競合の多い売却環境
- 高く売るためには信頼できる不動産会社探しが大事
不動産を高く売るためには、地域特性と相場を把握した上での戦略と、信頼できる不動産会社からの協力が必要不可欠です。
名古屋市緑区での不動産売却をお考えの方は、名古屋市緑区の不動産売却の市況を細かくリサーチしながら、パートナーとなる不動産会社探しを始めましょう。